水西書院
Suisei-Syoin



 
登録有形文化財 (平成12年2月15日登録)
山口県岩国市川西4-2-4
建築年代/明治19年(1886)
用途区分/藩主仮宅
登録範囲/主屋
公開状況/非公開

岩国市街を縦貫する錦川に架かる錦帯橋から少し南に下った西岸の低湿地に石垣を築いて高台とした屋敷地にひっそりと佇む旧藩主・吉川家の別邸である。錦川沿いに古桜の並木が続く堤防土手が作られる以前には錦帯橋を望むことができたというが、今では両者の間に遮るものが多く甚だ難しい。ただ往時の記憶は建物にしっかりと刻まれており、座敷を主体とする間取りに錦帯橋に面する側のみを開放的な作りとしており、橋を借景としたことが容易に窺い知れる。そもそもは旧藩主の婚礼に際してお披露目のため造営された仮屋敷であり、明治21年に嘗て藩邸があった横山地区に本邸が築かれた後は接待所として使用されたとのこと。現在は岡山の後楽園に移築されて現存する本邸建物と比較して、あまりにも簡素な造作であるのは、こうした来歴ゆえのことなのであろう。1階は15畳の座敷が二間に畳縁が付設、2階は30畳の大広間に板縁が付設している。昭和26年に岩国市に譲渡された。





 

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