四階楼
Shikairou



 
国指定重要文化財 (平成17年12月27日指定)
山口県指定文化財 (平成5年5月14日指定)
山口県熊毛郡上関町室津字築出町868-1
建築年代/明治12年(1879)
用途区分/廻船問屋
指定範囲/主屋
公開状況/公開
日本地図を拡げて、山口県の沖合となる瀬戸内海の様子をじっと眺めていると、海の要衝と云える場所が自ずと浮かんでくる。1つは下関、もう1つは上関である。上下に関という名が冠されるとおりなので、昔の人は海の様子を的確に把握していたに違いない。その上関の瀬戸を挟んだ対岸に室津の地はある。室津半島の先端に位置する。四階楼を建築した小方謙九郎は高杉晋作が結成した奇兵隊に入隊し、第二奇兵隊の創設に当たっては参謀役を務めた人物で、維新後は室津に帰り、回漕店や汽船宿を営んだという人物である。上関海峡に面して建つ四階建ての外観は異様で、かなり唐突な印象である。長く旅館として使用されてきたが内部は見事な鏝絵が随所に施され、最上階にはステンドグラスが用いられるなど、地方における擬洋風建築の先駆的な事例であるが、落ち着いて旅装を解けたか否かは疑問である。とにかく面白い建物であることは間違いなく、人寄せには効果があったであろう。





 

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