目加田家住宅
Mekata



 
国指定重要文化財 (昭和49年2月5日指定)
山口県岩国市横山2-6-31
建築年代/江戸時代(19世紀初期)
用途区分/武家(中級武士・知行180石)
指定範囲/主屋
公開状況/公開

日本三大奇橋として名高い錦帯橋の存在により、全国的にその名を知られる城下町・岩国に所在する中級武家住宅である。当家は近江国愛知郡目加田村の出身で、天正年間に吉川元春に召抱えられた由緒を持つ。370坪程の屋敷には、かつて表門や土蔵もあったというが、現在は主屋だけが残る。当住宅で注目すべき点はやはり屋根瓦にあり、両袖の桟瓦や桟瓦と本瓦を交互に葺く手法は岩国地方だけに見られるものである。また建物中央の中廊下は幕末の武家住宅の発展を示すもので興味をそそられる。



錦帯橋で有名な岩国は結構な工業都市でもあり、JR岩国駅に降り立つ際には緑の山を背に雅やかな孤を描く橋のイメージとのギャップに少々戸惑うことだろう。しかし心配はご無用。この町ほど旧市街と新市街が完全に分かれている都市は珍しく、駅から車で約10分ほどの横山地区は、かつて藩主・吉川家の居館を中心に上中級武家屋敷が建ち並んだ場所で、現在でも石垣や長屋門など往時の風情を色濃く残す美しい町である。



 

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