服部家住宅
Hattori



東和町指定文化財
山口県大島郡東和町大字西方字高田(移築)
建築年代/明治18年(1885)
用途区分/農家兼商家(酒屋・網元・回漕業)
指定範囲/主屋・長屋・土蔵
公開状況/公開 【農村交流伝承館/服部屋敷】
県南東部の瀬戸内海に浮かぶ防予諸島の大島に所在する在郷商家である。当住宅は現在、国道437号線脇の埋立地に移築され道の駅「サザンセトとうわ」の付属施設となっているが、元来は現在地から少し南方の町場に所在していた。江戸中期に農業を営む林家から分かれ、余程の商才に恵まれたのか幕末には武士株を取得して服部姓を名乗ったとのことである。屋敷は出稼ぎ大工を多く輩出した地だけあって、非常に洗練された丁寧な造作で、高々離島の民家と侮ってはいけない。


この建物は、東和町西方にあった屋敷を移築し、復元したものです。東和町は、神社・仏閣を造ることで名高い、長州大工の拠点で、当家は、その大工たちの代表作であり、仕口や継ぎ手など細工の一つ一つに、当時の伝統的工法の高度な技術が見受けられます。規模は、土地面積1965㎡(595坪)で、正門、裏門、敷地内には中庭用の門と坪庭に通じる潜り門があり、用途に応じて人々の出入りを区別していました。主な建物は、主屋、吊屋を含む長屋、土蔵の3つであり、別に小さな風呂場がありました。主屋には客用の便所と風呂、家人用の便所があり、間取りは、本百姓の四間六(よまろく)と呼ばれる間取りで、式台、三畳間、勝手、土間が続いています。
  建設年代 主屋・長屋 明治18酉年(1885)正月吉日
         土蔵     嘉永7申寅年(1854)五月立替
         移築     平成6申戌年(1994)三月吉日






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