高橋家住宅
Takahashi



 
島根県指定史跡 (昭和50年8月16日指定)
島根県大田市大森町
建築年代/江戸時代(安政年間以降)
用途区分/商家(銀山師・町年寄・山組頭)
残存建物/主屋・離れ座敷・茶室
公開状況/非公開
大森銀山町は代官所を中心に武家屋敷や一般の商家から成る柵外区と鉱山と鉱山労働者が起居した柵内区に分かれている。現在、主要な建造物の殆どは柵外区に残されているが、当住宅は珍しく柵内区に残る商家建築である。当家は酒造を営み、銀山師の代表である町年寄山組頭を務めたという家柄で、町内の商家としては最高位の立場にありながらも、屋敷は鉱山の坑道跡が散在する狭い谷間にあるため、素朴で窮屈な趣である。余りに銀山役所の膝元にあるため遠慮もあったのかも知れない。
山組頭は鉱山師から2〜3名が任命される鉱山取締役の役目を担い、代官所と鉱山師との間の連絡役の他、鉱夫の人事や物資の購入を担当したという。また当家は地主としても著名で、周辺に田畑等を保有し、大森町内で最も多くの石高を産した。主屋は間口6間、奥行9間で安政年間(1858-1860)の建築と推測されている。屋敷内北側に茶室あり、南側に離れ座敷を設える。鉱山区内には天明年間(1781-89)に住み着いたという。



 

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