河本家住宅
Kawamoto



国指定重要文化財 (平成22年12月24日指定)
鳥取県東伯郡琴浦町箆津393
建築年代/貞享5年(1688)
用途区分/大庄屋
指定範囲/主屋・離れ・味噌蔵及び米蔵・新蔵・土蔵・土地
附指定/大工小屋・米蔵・門及び納屋
公開状況/非公開(春秋に特別公開)
鳥取と米子の中間地点、日本海が間近に迫る旧赤碕町の西郊、箆津集落に所在する旧大庄屋邸宅である。当家の祖先は尼子氏に仕えた武士であったが、月山城落城の際に赤碕村に来住、現在の箆津への移住は寛文年間の5代目・弥三右衛門の頃という。以後、大庄屋職を代々務め、幕末には外国船の襲来に備えて砲台取締役の任にも就いた。屋敷は街道に南面して門及び納屋を配置し、背後に貞享5年建築で山陰最古級の主屋が鎮座するが、屋敷裏手にも多数の蔵群が往時のままに残る様は見事である。



【文化庁報道発表】
河本家は日本海沿岸の旧伯耆往還沿いにある旧家で、近世には大庄屋などの要職を務めた。主屋は、豪壮な梁組をもつ茅葺屋根の居室部と、数寄屋風で洗練された意匠の客間部で構成され、居室部は貞享5年(1688)、客間部は宝永4年(1707)に建てられた。河本家住宅の主屋は、江戸中期の山陰地方における農家の住宅形式をよく伝える大型民家であり、かつ建築年代の明らかな民家としては山陰地方で最古に属し、貴重である。また主屋の周囲には、江戸後期以後に建てられた蔵などの付属建物が並び建ち、豪農の屋敷構えをよく留めており、高い価値が認められる。

 

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