石谷家住宅
Ishitani



 
国指定重要文化財 (平成21年12月8日指定)
鳥取県八頭郡智頭町智頭396
建築年代/昭和3年
用途区分/山林経営
指定範囲/主屋・座敷棟・家族棟・1号蔵・2号蔵・3号,4号蔵・5号,6号蔵・7号蔵・土地
公開状況/公開
鳥取と姫路を結ぶ智頭往還の智頭宿に所在する山林地主の大邸宅である。当住宅の宿場内での存在感は圧倒的で、宿内の中央部に位置するとともに、間口60m、奥行100mの広大な敷地を有する様子はどこかの新興宗教施設かと見紛うが、実際には大正末から昭和初期にかけて敷地を倍し、町屋形式の旧邸宅を全面的に建て替えた近代和風住宅建築である。当家は江戸初期の元禄年間に鳥取城下の瓦町から智頭に移住、「塩屋」の屋号で問屋稼業を営むとともに地主化していくが、本格的な隆盛期を迎えるのは明治20年以降に山林業を営んだことによる。地方山林家の底知れぬ実力を思い知る豪邸である。


【文化庁報道発表】
石谷家住宅は、山林経営を主として営んだ旧家での住宅で、大正8年から昭和4年にかけて屋敷全体の造営が行われた。広大な敷地の中央に建つ主屋は昭和3年の竣工で、敷地内には、主屋を中心に座敷や米蔵などが並び建っている。主屋は、智頭地方特産の良質な杉材などの銘木を用い、高度な架構技術により宏壮な土間空間を創る大型の建物で、座敷の細部意匠も洗練されたつくりになる。石谷家住宅は、優れた意匠をもつ大型の近代和風建築として重要であるとともに、質の高い土蔵などの付属屋や庭園がよく残り、豪壮な屋敷構えを伝えている点でも価値が高い。


 

一覧のページに戻る