玉置家住宅
Tamaki



 
登録有形文化財 (平成14年2月14日登録)
兵庫県三木市本町2-454
建築年代/文政9年(1826)
用途区分/商家(切手会所)
登録範囲/主屋・離れ・西土蔵・東土蔵・北土蔵・廊下
公開状況/公開

神戸・明石の北方に位置する町三木の町は、江戸中期から続く金物産業の町として知られた土地柄である。江戸末期には鋸や鑿、鉋などの職人用の刃物産地として圧倒的な地位を築いたとのことであるが、そこから産み出される経済力を、当地を領有した館林藩が見逃す訳はなかった。そもそも何故に上州館林を領した越智松平家が三木の町を飛地支配したかは不明であるが、ともかく此の地に切手会所を置き、今でいう手形のようなものを発行し、藩財政の立て直しを画策したことは事実のようである。然るにその切手会所として文政9年に藩が整備した建物が当住宅なのである。明治期に至って僧籍から還俗した雲龍寺第21世の大器晩成和尚が玉置姓を名乗り当住宅を所有し、離れの増築等が行われたが、少なくとも主屋と南蔵は藩政時代の建物であることが判明しており、その性質ゆえに防犯上の配慮が随所になされるなど、普通の民家には見られない造作が散見される。なかなかに面白い由縁を持つ民家なので、細部までじっくりと見学したい。




 

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