西尾家住宅
Nishio



 
国指定重要文化財 (平成21年12月8日指定)
大阪府吹田市内本町2-15-11
建築年代/明治28年(1895)
用途区分/地主・山林経営(江戸期においては庄屋)
指定範囲/主屋・積翠庵・離れ東西棟・戌亥土蔵・戌亥角土蔵・米蔵・土地
公開状況/公開

西尾家は、近世末に仙洞御料の庄屋を務めた家で、現存する住宅は、明治26年から大正年間にかけて建築された。主屋は明治28年に上棟された大型の建物で、室内意匠の質も高い。また離れ東棟は、数寄屋風を基調に当時最新の洋風意匠を取り入れた軽快で上質な建物である。旧西尾家住宅は、大規模な主屋をはじめ、瀟洒な意匠になる離れや茶室などが建ち並び、関西地方における都市近郊の大型近代和風建築として価値が高い。また、蔵や納屋などもよく残り、屋敷全体の構成を完存している点も貴重である。


JR吹田駅の南方の内本町界隈は嘗て都呂須集落を称し、吹田発祥の地とされる水陸交通の要衝であった。当家は江戸期には皇室隠居領となる仙洞御料における庄屋を宝永3年(1706)から代々務めた家柄であったが、当住宅が建設された明治28年においては地主や山林業を営む素封家となっていた。主屋は玄関棟、居住棟、計量部屋棟から成る大規模なもので、伝統的な民家形式を基調としながらも採光に工夫を凝らすなどしている。東西2棟から成る離れも近代の要素を取り入れ、実に瀟洒である。



 

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