五風荘



 
岸和田市指定文化財 平成20年12月5日指定
庭園名勝指定  平成20年12月5日指定
大阪府岸和田市岸城町18-1
旧寺田家住宅  寺田利吉家
旧藩主岡部家の新御茶屋跡に建築。当初は南木荘と称した。2代目の没後、五風荘と命名されたが、これは院号の五風院からとったもの。

岸和田城の天守閣に登ると、無味乾燥な近代的な家並みが眺望できる中、南方の堀端に深い森に囲まれた広大な屋敷が目に付く。一見して余程の財を成した者の邸宅であることが理解できる。
場所柄から上級武家屋敷の系譜を引く邸宅のように思われるが、実は明治維新後に財を成した寺田利吉が昭和4年に10年もの歳月をかけて造築したものである。
元々は岸和田藩主・岡部家の御茶屋であった場所であり、2000坪を上回る敷地に300坪近い建物が配置されている。
「五風荘」という名称は、寺田利吉の諡「五風院」に因んだものである。現在は公有化され、一般に貸室として使用されている。
こうした邸宅が我々一般の人間にも触れることができることは、甚だ嬉しいことではあるが、本来、家というものはそのままの姿で子々孫々に受け継がれていくことが望ましいと私は常々思っている。こうした文化財を個人で残すことができない日本の現状はおかしいとは思いませんか。



 

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