豊田家住宅
Toyoda



 
国指定重要文化財 (昭和47年5月15日指定)
奈良県橿原市今井町3-8-12
建築年代/寛文2年(1662)
用途区分/商家(材木商)
指定範囲/主屋・納屋
公開状況/公開

当家は、江戸時代末期に分家移住し、「紙八」の屋号で知られています。住宅の元の所有者は材木商・牧村清右門で、「西ノ木屋」の屋号を持ち、福井藩の蔵元も務めた有力な商家でした。今もその屋号「木」が正面上部の壁に描かれています。先の修理の際、多くの鬼瓦に寛文2年(1662)の刻銘があり、建設年代が明らかになりました。
内部は同じく今井町内の惣年寄職を務めた今西家同様、六間取の配置で、東南隅に「シモミセ」を取っています。接客用の「ナカノマ」と主人の寝室である「ナンド」の境には、一段高く敷居を入れた帳台構を設えています。「ブツマ」には仏壇を置く棚が南向きにあります。木材商の家らしく土間境の太い柱、太い梁組、正面の太格子、間仕切りの突止溝、駒繋ぎ等は先の今西家に類似して古式で力強い感じを与えています。なお、西側には昭和10年頃まで今井宗久好みの茶室があったと伝えられています。
また発掘調査の際、地下より旧地表面が発見され、カマド跡も確認できましたが、当家に限らず今井町の地盤は軟弱で地下水位も高く、また再三、飛鳥川の氾濫に悩まされていますので、再建の際は少しでも高く盛土をして、住宅を建設したものと思われます。いずれにしろ、当家は今井町にあって今西家に次ぐ豪壮な建物です。【現地案内看板より一部改編】





 

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