栗山家住宅
Kuriyama



 
国指定重要文化財 (昭和43年4月25日指定)
奈良県五條市五條1-2-8
建築年代/慶長12年(1607)
用途区分/商家
指定範囲/主屋
公開状況/非公開
五條市の中心市街に所在する商家建築である。棟札の存在により慶長12年(1607)に建築されたことが判明しており、日本最古の町家建築とされている。主屋は重厚感溢れる本瓦葺の建物で、前面の一間通りに設けられた庇も同様に本瓦葺で段差を最小限に止めるため一見すると錣葺のような風情である。内部は残念ながら非公開であるが、土間が広く、居室部には突止溝の間仕切や板戸を袖壁に引き込む帳台構風の間仕切など民家建築において古式とされる造作がよく残されている様である。奈良県内には建築年代が17世紀にまで遡る町家が相当数残されているが、当住宅の存在は別格で、寺院の庫裡と見紛うような風情は、古式ゆえの建前というよりも、相当な由緒や特権的な商人であるなど特殊な存在であったが故に許されたものと考えた方が妥当であろう。ただ商人階級にそうした造作が許されたこと自体が江戸最初期という時代背景によるものと捉えることもできるだろう。




 

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