細川家住宅
Hosokawa



 
宇陀市指定文化財 (平成4年指定)
奈良県宇陀市大宇陀上2003
建築年代/江戸末期
用途区分/商家(薬種商)
指定範囲/主屋・内蔵・外蔵・看板
公開状況/公開【薬の館】
大宇陀の地は古代には「阿騎野」と呼ばれ、宮廷の薬猟の地とされた所。日本書紀にも推古19年(611)に薬猟が行われたと記録されている。江戸中期の享保14年(1729)には、森野賽郭により薬園が拓かれ、現在も「森野旧薬園」として史跡指定されている。
大宇陀の旧市街の中心部に所在する当住宅は、文化3年(1806)創業の薬問屋。主屋の庇上に掲げられた唐破風屋根を戴く看板には、天保7年(1835)に販売を始めた人参五臓圓・天寿丸という腹薬の名が胡粉書きされている。
細川家2代目・治助の次女・満津は名張市本町の萬屋・福守佐兵衛に嫁ぎ、その長男・福守友吉は明治15年(1882)に藤沢家の養子となり、藤沢薬品工業(株)の前身・藤沢商店(現・アステラス製薬(株))を創設し、樟脳の製造販売で成功を収めた。当住宅は、大宇陀町歴史文化館「薬の館」として公開されている。


 

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