辻家住宅
Tsuji



 
国指定重要文化財 (昭和43年4月25日指定)
滋賀県伊香郡西浅井町祝山282
建築年代/文政8年(1825)
用途区分/庄屋
指定範囲/主屋・表門・南倉・前倉
公開状況/非公開

琵琶湖の最北端に位置する塩津湊の後背地に位置する祝山集落に所在する旧庄屋屋敷である。江戸初期に河村瑞賢により西廻り航路が開発されるまでは北国の諸産物は敦賀湊に揚がり、塩津街道を経て塩津湊から大津・京へと運ばれた。謂わば物流の大動脈が、この地に敷かれていた訳であるが、現在においてはその面影は殆ど無い。ただ、当住宅の存在を見るときに、一介の庄屋屋敷としては、非常に格の高さを感じるものがある。祝山は大和郡山藩の飛び地支配を受けた土地柄で、当家は代々、同藩の海津代官所に出仕していたという。大和郡山藩は、老中職を輩出した柳澤家が配された譜代中藩で、交通の要衝地であり、幕府中枢の支配地であった場所の庄屋職として、特別な存在であったのではないかと思うのは穿ち過ぎであろうか。


 

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