内山家住宅
Uchiyama



無指定・公開
福井県大野市城町10-7
建築年代/明治15年(1882)
用途区分/武家(大野藩家老)
残存建物/主屋・離れ・味噌蔵・衣裳蔵・米蔵・新蔵

県東部の城下町・大野に所在する上級武家屋敷の系譜を引くと云われる住宅である。当家は幕末の大野藩の藩政改革に活躍した内山良休、隆佐兄弟を輩出したことで知られる名家で、兄の良休は藩の財政立て直しのために藩直営の地場産品の販売店「大野屋」を創設し、大坂、函館、岐阜、名古屋、福井県各所に展開し、最終的に全国に37店舗を持つほどの大店に成長させた。また岐阜県境に近い面谷鉱山の開発により良質な銅の採掘事業に成功、赤字続きであった藩の財政を黒字に転換させた。また弟の隆佐は蝦夷地開拓の先鞭を付けたことで知られ、ロシア船来航が頻繁になりつつあった状況で、北方警備の名目による蝦夷地開拓を幕府に認可せしめ、北蝦夷地の準大野藩領化に成功した。こうした一連の事業は廃藩置県後も当家を中心に引き継がれ、高利貸しへと事業転換後は地域金融の元締めとして地元経済界に君臨した。




 

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