谷口家住宅
Taniguchi



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国指定重要文化財 (昭和52年1月28日指定)
福井県武生市余川町25-17 (昭和53年移築)
旧所在地・福井県武生市横山町

現在当家が所在する越前の里味真野苑の周辺は歴史的遺産に恵まれた地域で、継体天皇の御所跡と伝承される味真野神社、室町将軍足利家の支族である鞍谷氏の邸宅跡である鞍谷御所跡、戦国時代の織田信長の臣・佐々成政が築いたとされる小丸城址など錚々たる遺跡が点在している。
そもそも当家が所在した武生市横山町はちょうど高速道路の武生ICを降りたすぐのところにあり、典型的な福井平野部の集落であったが、当家が文化財に指定された翌年には当公園内に移築保存された。
当家の建築年代は19世紀前半とされているが、西側の瓦葺の下屋を葺き下ろす部位は明治2年に増築されたことが判明しており、解体移築にあたっても完全に建築当初の姿に戻すことなく、明治の改築後の姿に留めたのは、やはり相応に意味があったためであろう。すなわち西側下屋部分には、1間半幅の部屋がなんと6室も一直線に続き、最奥の部屋には上段まで設えられているのだ。一番下手の部屋から上段の間を見通したときの印象はなんとも云えぬ厳かなものがある。また、下屋通りの東側は上手に3室、下手に土座のオユエと称するヒロマが設けられており、その生活空間の落差に戸惑いさえも感じられる設えとなっている。
外観的にもツノヤが南北に突き出され、越前T型建築の到達点と云われる様は圧巻である。(2010.9.12記)


 

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