相木家住宅

Aiki



 
国指定重要文化財 (昭和44年12月18日指定)
福井県丹生郡宮崎村小曽原26-44
建築年代/18世紀前半
用途区分/庄屋
指定範囲/主屋
公開状況/公開

かつて越前国の中心地は現在の武生市周辺にあり、国分寺跡などの遺跡も市の中心部にある。中世の守護職で戦国大名としても名を馳せた越前朝倉家も武生の西側の一乗谷に居を構えた。
当家はその朝倉35家のうちの1つとして小曽原の地を支配した地方豪族の流れを汲み、江戸時代には代々庄屋職を務めたとのことである。その旧家たる風情は、道路に沿うように西面して建てられた長大な長屋門と広大な屋敷地から容易に窺い知ることが出来る。
長屋門の大扉を潜り、屋敷に足を踏み入れると左手に南面して建てられた主屋がある。それほど規模の大きくない平入りの直屋建築に少しばかり拍子抜けさせられる。というのも、この地域の民家は区分上は越前T型に属し、特徴としてツノヤを突き出すことが多いとされているからである。当家のような上層階級に属する住宅であるならば、見映えのするツノヤ建築とすることが尚更ではないかと考えたのだが、どうも様子が違ったようである。
主屋の表側は、左右に配された出入口を除いて全て壁面となっており、窓等の開口部は一切ない。雪害から家を守るためとも考えられるが、かなり変わった建前である。また、内部は17世紀初頭に建てられた頃からは改変が著しく、素人が短時間で当初の間取りを想像することは難しい。じっくり観察する時間が必要な民家である。(2009.5.12記)


 

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