菅野家住宅
Kanno



国指定重要文化財 (平成6年12月27日指定)
富山県高岡市木舟町36-1
建築年代/明治33年(1900)
用途区分/商家(廻船業・綿糸商・銀行業)
指定範囲/主屋・土蔵
公開状況/公開

嘗て商都・高岡の中心市街であった山町筋に所在する商家建築である。慶長14年(1609)の開町以来、越中地方の米や綿の集散地として繁栄した町は明治33年の大火で市域の6割が焼失し、現在に残る町並は以後に建築されたものである。当家は紡績糸商として活躍する一方、明治初頭から北海道との交易で財を成し、明治22年に高岡銀行を設立、同36年には高岡電灯を創立するなど、高岡発展の礎を築いた名家である。大火直後に建てられた住宅は、前年に富山県令の施行により耐火構造が義務付けられたこともあり、両袖に防火壁を立ち上げた土蔵造で、2階開口部も観音開の土扉となっている。室内は全て和室で、厳選された銘木を使った格調高い造作となっているが、外観には正面庇に鋳物柱、防火壁面に釉薬煉瓦を用いるなど洋風意匠を随所に取り入れ、瀟洒な雰囲気を上手く演出している。




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