筏井家住宅
Ikadai



富山県指定文化財 (平成10年2月25日指定)
富山県高岡市木舟町17
建築年代/明治33年(1900)
用途区分/商家(綿糸卸商)
指定範囲/主屋
公開状況/非公開

県内第2位の大都市・高岡の歴史は加賀藩2代藩主・前田利長の隠居城として城下町が整備されたことに始まるが、元和一国一城令により城の破却後は商都として繁栄してきた。当住宅が所在する木舟町は山町筋と称され、往時は北陸道に面して高岡で最も殷賑を極めた一画であった。その事実は現在の重厚な町家が連続する様子からも窺える。東西の町筋に北面して建つ当住宅は明治33年の大火直後に建てられた土蔵造の建物で、黒漆喰の壁面や両袖に立ち上がる煉瓦造の防火壁、前面の庇を支持する鋳物柱など、僅か30m程離れた東手に所在する国重文の菅野家住宅と外観意匠は極めて類似する。一方内部においては、茶の間となる「オイ」に、2階を設けない吹き抜け空間を利用して天窓を設えるなど、北面して採光に難のある当家ゆえに見られる特徴的な造作もある。



 

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