有馬家住宅
Arima



 
立山町指定文化財 (昭和60年9月26日指定)
富山県中新川郡立山町芦峅寺古屋敷
旧所在地・富山県中新川郡立山町榎24
建築年代/江戸後期
用途区分/農家
指定範囲/主屋・田屋門
公開状況/公開

立山山麓の風土記の丘内に移築復元されている農家建築である。元々は現在地から北西へ約10km程の富山地方鉄道の下段駅近くの榎集落に所在していた。榎集落は暴れ川として著名な常願寺川の扇状地に在り、地理的条件としては、ほぼ平野部といってよい土地柄である。それ故に当住宅の建前は、桁行9間半、梁間3間の主体部に、上手・下手から角屋を背後に突き出し、その間をカケオロシと称する片流れの屋根で繋ぐ典型的な富山県平野部の豪農住宅の形態を採っており、また主屋の前に構える田屋門も二棟の納屋の間を棟門で繋ぐ形式で、余り例を見ない珍しいものであるが、平野部の住宅ならではの屋敷配置となっている。主屋内においては、規模の割には座敷廻りの建前に余り力を注いでおらず、むしろ大戸口から広間へと繋がる導線上を「枠の内」と称される白壁を束と貫で飾り、天には牛梁が架け渡す意匠を基調とした建前で統一しており、相当に拘った建前に仕上がっている。




 

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