津野家住宅
Tsuno


 
新潟県指定文化財 (平成元年3月28日指定)
新潟県岩船郡関川村下関903

建築年代/江戸後期(1789年)
用途区分/商家
指定範囲/主屋・上土蔵・下土蔵・板塀・門
公開状況/非公開
国重文に指定されている渡辺家住宅と佐藤家住宅に挟まれる恰好で米沢街道に面して建つ商家建築である。このように規模の大きな文化財指定の民家が連続する景観は他では見られぬものである。当住宅は佐藤家と類似し、寄棟造妻入の主屋に側面部から座敷棟を張り出す形を採るが、当家の場合は片側面のみのL字屋根となり、規模も一回り小さい。江戸中期に下関村庄屋を務めたと記録に残るが、家産の集積は明治以降のことであり、屋敷北側の土蔵などは明治中期以降の建築となる。




屋号は湊屋。湯沢温泉の旅籠・田屋(津野源大夫家)の分家である。田屋は湯沢温泉開湯の歴史に名を刻む名家で、鎌倉時代に須貝刑部という侍が湯茂山の麓で熊狩りをしていて、傷を負わせた熊を追ったところ、湯を発見したという。そして土地の有力者であった津野源大夫と共に湯治場を開設したという由来を持つ。そうした由緒も関わったからであろうか、当家自身も江戸期には庄屋職を務めるなど、渡辺家・佐藤家といった豪家に挟まれて、若干影が薄い嫌いが、ある程度の家格をもった由緒正しい家であったようである。
主屋は天明8年(1788)に隣家の渡辺邸からの出火に類焼し、翌年の1789年に建築されたものである。規模は14.40m×21.50m。宅地は1685.38u。主屋以外に上土蔵、下土蔵、板塀、門などが残存している。



 

一覧のページに戻る