坂本家住宅
Sakamoto



山梨県指定文化財 (平成15年3月27日指定)
山梨県山梨市三富徳和420-1
建築年代/宝暦11年(1761)
当住宅が所在する徳和地区は、三富地区かの南端から徳和川に沿って西に入った山間にあり、南向きの斜面に石垣で築いた屋敷地や耕地が段々と続いています。住宅の建築年代は、棟札により宝暦11年(1761)に建築されたことが明らかになっています。建物は、桁行10間(18.2m)、梁間4.5間(8.2m)の直家で、梁間4.5間の中央を棟通りとして、屋根は切妻造り、茅葺で全面を鉄板で覆っています。主体部は「イドコ」廻りの上屋柱相互に楣梁を架け、また棟通りに大黒柱が建たない、いわゆる「四つ建」形式です。柱、梁などの構造材はもちろん、造作材や建具など古い部材、形式が残されています。建築様式の変遷過程や建築年代が明らかなため。峡東地方の民家の指標となる貴重な遺構です。


三富村は笛吹川最上流の村で、笛吹川の渓谷と断崖に沿った秩父往還は雁坂峠を超えて秩父の栃本宿に通ずる。当家の所在する徳和は三富村の南部から西に入る谷にあり、永禄8年(1565)武田信晴再興棟札を有する吉祥寺より少し上がった所に当家はある。標高は800m程もある。山村で耕地が少ないためか、屋敷地はそれほど広くはなく、背後は隣家の石垣が築かれるため、屋敷地には西から入る。当家の由緒は不詳であるが、家の規模と内馬屋を備える点から上層農家であったと推察される。甲斐国誌の徳和村の条には戸数85、男175人、女147人、馬7と記されている。



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