五十嵐家住宅
Igarashi



 
国指定重要文化財 (昭和46年3月11日指定)
福島県河沼郡会津坂下町塔寺字大門1466
旧所在地・福島県河沼郡会津坂下町中開津
建築年代/享保14年(1729)
用途区分/農家(本百姓)
指定範囲/主屋
公開状況/公開


当住宅は会津平野部に所在した農家建築で、五十嵐家は古くからの本百姓と伝えられている。昭和44年に会津坂下町に寄贈されて塔寺心清水八幡宮境内に移築、民俗資料館として活用されていたが、再び境内外の現在地に移築され、建物そのものを楽しめるようになった。最初の移築時に、柱枘から享保14年(1729)の墨書が発見され、建築年代が明らかとなった。
建物は桁行8間半、梁間3間半、寄棟造茅葺の直家で南面する。正面西寄りに大戸口を開き、内部は西寄り3間半を土間とし、南西隅に馬屋を配置する。東寄りの床上部は居間、座敷、寝室の広間型三間取の形式を採る。土間に沿って表から裏まで通る居間は土座となっているが、土間との境は板壁で仕切り、会津山間部で典型とする開放的な平面とは異なっている。側回りや部屋境は原則として1間毎に柱を立てられており古式な雰囲気を醸す。当住宅は会津平野部の中堅層農家の古い遺構で、建築年代が明らかな点でも重要とされる民家である。




【参考文献】毎日新聞社刊「解説版新指定重要文化財12建造物Ⅱ」
 

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