斎藤家住宅
Saitou



山形県遊佐町
建築年代/江戸初期
用途区分/農家(大組頭)
残存建物/主屋
公開状況/公開 【遊佐町語りべの館】

当住宅は、元禄16年(1703)に建てられたと伝えられる旧大組頭・斎藤家(平津榊原家)の古民家を解体し、その部材を使って復原した建物です。
大組頭とは、近世の庄内地方において最上川の川北三郡のみに置かれた職制で、組内各村の肝煎の上にあり、大庄屋のもとで農村をまとめる近世の農民としては最上層に近い地位を占めるものでした。
建物の特徴は、軒が低く大人の手が届くほどであり、土間は広く建物の半分を占めること、天井が張ってなく屋根裏がそのまま現れており、扠材は角材であって丸太材では無いこと、大黒柱のような太い柱がなく、梁などの横架材も細いことなどです。座敷部分などは、新しい技法、工法がみられ、後に改築された形跡が見られます。また山形県北部から秋田県に亘る地域の上層民家の特徴である中門が、現在は存在しないものの当時は座敷と土間にあり、両中門造であったと推定されます。再建された建物の構造は、寄棟造、茅葺型のアルミ亜鉛合金メッキ銅板葺、平屋建、建築面積は203.34㎡(61.5坪)となっています。
復原を行うにあたっては、文化財建造物として保存を図り価値を高めるとともに、現代の新しい設備や手法を多く採り入れて快適に利用できるよう配慮しています。高気密、高断熱を図りながら冷暖房を施し、照明、換気、自動火災報知機を設置するなど快適性を高めています。庄内地方における3世紀前の古民家の雰囲気が漂う空間を生かし、子供と年寄の語らいや地域の民俗文化を伝える場として、また、いろいろな集まりや催し物を行う場として幅広く利用できます。【現地案内看板より(一部改編)】



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