柏倉九左衛門家住宅
Kashiwakura



 
国指定重要文化財  (令和元年9月30日指定)
山形県東村山郡中山町岡8
建築年代/明治31年(1898)
用途区分/紅花農家・大庄屋・地主
指定範囲/主屋・内蔵・仏間・前蔵・北蔵・大工小屋・長屋門・裏門
公開状況/公開

山形盆地西部の村山地方にあって、一族が集住する岡村に所在する大庄屋屋敷である。
柏倉家は岡村の開拓に従事した草分けで、そもそもは現在地より南方の村山郡門伝村に住まいして安達九左衛門信元と称していたが、承応2年(1653)に岡村に移住した後は、柏倉姓を名乗ったという。




嘗て近世における農村集落の黎明期においては、一族の団結力が大いなる力として働いた。生産性が低い時代にあっては一族郎党を挙げて役割を分担し開墾することが富を手元に残し、拡大再生産への近道であった。本家と分家の関係性は今では考えられない程に強く、それが一族繁栄の源泉であったとも云える。
当家は岡集落内に多くの分家を持つ。当地へ移住したとされる江戸初期の寛文11年(1671)における当家の田畑の名請高は1町3反歩余で標準的な農家であった。しかし、その後の発展振りは著しく享保7年(1722には7町歩余、享保20年(1735)には21町3反歩に急増している。これは4代九左衛門道智の時代に岡村溜池の大規模な修復工事と関連付けされている。








 

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