佐々木精米所
Sasaki rice mill



 
遠野市指定文化財 (平成24年4月27日指定)
岩手県遠野市宮守町下宮守
建築年代/明治17年
用途区分/商家(米穀商)
指定範囲/主屋・土蔵1・土蔵2
公開状況/非公開


旧宮守村下宮守の中心地・新町は、釜石街道の駅場であった。明治の頃から釜石鉱山、釜石製鉄所の興隆と共に交通上の要地として発展してきた。その町場の中央辺に、街道に沿って42間の間口を有する住宅が当佐々木家である。敷地は8680㎡、建坪760㎡を誇る大屋敷である。
住居棟、土蔵2棟、作業小屋、製麺工場などを屋敷内に配している。主屋は間口8間の2階建ての平入である。表通りに面して美しい格子が連なり、2階の格子は特に手を掛けられていて見事である。
戦後、水沢市出身の美術評論家・故森口多里氏も著書「民俗の四季」の中で紹介しており、現在なお残っていることは珍しい。建物は中廊路を持つ商店形式ではあるが、現在は上足廊下になっている。入口の大戸は今も使われており、造りも塗りも美しく、中に入ると三和土の土間になっている。
また建物に使われている木材や造作にも見るものが多い。箱階段や蔀戸の跡も残っている。佐々木家は隣家の「甚兵衛屋」より分家独立したといい、米穀商で財を成した初代が明治17年(1884)に建築したものである。戦後の農地解放で耕地の多くは手放したが、現在も多くの山林を所有している資産家である。代々村政にも尽くしてきた。
【岩手日報2002年7月4日付/21世紀への遺産/近代化遺構を歩くより引用】



 

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