太田家住宅
Oota



 
岩手県指定文化財 (平成9年9月2日指定)
岩手県奥州市前沢区七日町58
建築年代/明治43年(1910)
用途区分/
指定範囲/主屋及び庭・土蔵・表門・前座敷・炊場・旧銀行並びに西側塀
公開状況/震災のため非公開
前沢の市街地中心部の七日町通りに面して建つ、建築時の当主・太田幸五郎に因み、地元では大幸邸と呼ばれる大屋敷である。当住宅の建築にあたっては明治35年(1902)、明治38年(1905)は大凶作の年で、「お助け普請」として建てられたと伝えられる。

太田家は、当主が初代から4代目まで幸蔵を襲名、5代目は幸五郎と続くことから「太幸邸」と呼ばれ、地域に親しまれている。岩手県指定を受けた建造物は、主屋の他、庭園・土蔵・表門・前座敷・炊場・旧盛岡銀行前沢支店の7棟及び西側の塀で、建築当時の屋敷構成がよく残されています。明治期に建てられた近代和風建築の民家として岩手県指定有形文化財第一号の指定を受けました。
主屋の外観及び内部は上質、簡素な和風建築ですが、小屋組、洋間、階段などの一部が洋風となっています。主屋、表門、前座敷、炊場は、日露戦争後の不況、大凶作という時代を背景に、材料、職人の殆どを地元で賄う救済事業の一つとして、明治43年に5代当主・太田幸五郎により建築されました。また土蔵は明治25年、旧銀行は大正8年の建築で、庭園も同時期と伝えられています。
太幸邸の庭園に樹齢450年と推定される岩手県屈指の紅梅の大木があります。この梅は大正4年3月に町内白鳥館から人夫約300人を要して移植されたと伝え、昭和54年8月1日に前沢町指定の天然記念物となっています。【現地案内看板より一部改編】



 

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