今川家住宅
Imagawa



 
花巻市指定有形文化財 (昭和54年12月12日指定)
岩手県花巻市桜町4-83-5
旧所在地・岩手県花巻市
建築年代/19世紀初期
用途区分/武家(同心)
指定範囲/主屋
公開状況/外観のみ公開 【同心屋敷】


天正19(1591)一族の九戸政実が南部氏に対して叛乱を起こした。北信愛(松斉)の意見を入れた南部信直は豊臣秀吉に訴え天下の大軍の力でこの乱を平定することができた。この時、鳥谷ケ崎城(のちの花巻城)の守備に当たった浅野氏は配下の一隊30人を残して引き揚げたが、この人達が花巻に止まって南部氏に仕え花巻同心組となった。そして城内二の丸の馬場口御門の下馬場(現鳥谷ケ崎神社南下辺)に住居を与えられて住んだ。城内が狭くなったこともあり、延宝8(1680)に御同心30人は向小路(現桜町)に延長100(1820m)の場所に移った。間口5(9.10m)も横間口3(5.46m)のところは、全部同じ作りであり、東側15軒、西側15軒であり、南部氏から賜った御同心の官舎ともいうべきものであった。しかし、これでは生活するには狭いので、藩の許しを得て自弁で後部の北側に接続増築したところもある。床の間の浅い深いは身分の関係があり、縁側は濡縁といって傾斜になっており、雨垂れに対する配慮がなされている。昭和30(1955)頃までは10軒近く残っていた「同心家屋」も現在は2軒を残すのみとなってしまった。ここで花巻は文化財保護の見地より昭和54年、これを譲り受け、北方500mの旧所在地から現在地に移転復原したものである。
(2)構造形式  イ・旧今川家 桁行9.5m、梁間10.565m コの字寄棟造 茅葺 西面かぶと屋根、東西せがい造



 

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