朴舘家住宅
Hoonokidate



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国指定重要文化財 (平成23年11月29日指定)
岩手県指定文化財 (平成2年5月1日指定)
岩手県二戸郡一戸町小鳥谷字朴舘20番地
建築年代/文久2年(1862)
用途区分/農家・大地主
指定範囲/主屋・土蔵
公開状況/公開
旧朴舘家住宅は、岩手県の北部、旧奥州街道沿いの山間部に所在する。
江戸時代末期に建てられた寄棟造茅葺の主屋は、桁行30m、梁間16.4mと大規模で、北側の約半分を土間にして、その一部にマヤを設ける。主屋の南側半分には床を張り、土間に面してダイドコを設け、奥に3部屋からなる座敷を設ける。台所の前面に式台を構え、座敷には長押をめぐらせるなど格式を備えたつくりとする。旧朴舘家住宅は、重厚な軸部構成と広大な内部空間をもつ大型民家で、接客空間が充実するなど南部藩領における上層民家の特徴をよく示しており、高い価値が認められる。 (文化庁報道発表より)


県都・盛岡から国道4号線を北上し、縄文遺跡で名高い御所野遺跡公園の手前を東に入った中山間地に所在する豪農屋敷である。小字名が当姓と同じ朴舘なので古くからの土着を想わせるが、江戸初期は浄法寺町漆沢に住していたと考えられ、当地には江戸中期以降に移ってきたとされている。集落を縦断する平糠川の舌状河岸段丘上に約1町歩程にも及ぶ広大な屋敷地を構えており、桁行16間半、梁間9間、建坪148.6坪に及ぶ主屋建築は直屋としては県下最大級の規模を誇る。13m余りの棟高から庇を設けず、茅屋根を軒まで一気に葺き下ろす様は圧巻である。当住宅が所在する南部藩領は中世的な主従関係である名子制度が遅くまで残った地域として知られるが、建物にも木割が整った近世的なまとまりを越えた中世的な雰囲気が感じられる素晴らしい民家である。





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