後藤家住宅
Gotou



 
国指定重要文化財 (昭和40年5月29日指定)
岩手県奥州市江刺区岩谷堂字向山1
旧所在地・岩手県奥州市江刺区広瀬字平192
建築年代/17世紀末頃
用途区分/農家(庄屋)
指定範囲/主屋
公開状況/外観のみ公開

金札米や岩谷堂箪笥の生産地として知られる旧江刺市は嘗ては仙台藩領に属する地域で、曲屋が主体となる県北の南部藩領とは異なり、殆どの民家が直屋造となる。市内を縦断する入首川の東手の小高い丘上に移築される当住宅は県内最古と目されるもので、昭和51年に実施された民家緊急調査報告書の平面図で確認すると他とは全くことなる柱配置であることが容易に窺える。そもそもは市の中心部から北東10km程の中山間部に所在しており、屋敷地は広大で地士階級にのみ許された長屋門を構えていたことから高い家格を誇ったものと推測されている。主屋はかなり閉鎖的な造作で、土間廻りや背面部の殆どを大壁で塗籠め、土間には歪曲した独立柱が林立する。民家の世界において古式と考えられる建築様式が随所に残る極めて興味深い建物である。




 

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