佐々木利三郎家住宅
Sasaki



 
登録有形文化財 (平成28年11月29日東麓)
秋田県由利本荘市岩城亀田大町字肴町14
建築年代/明治中期
用途区分/商家(呉服商・米穀商)
登録範囲/主屋・人形蔵・米蔵
公開状況/非公開
亀田という土地の名は昭和世代には意外に知られている。そう、昭和の大作家・松本清張のお陰である。彼の代表的な著作に「砂の器」という戦後の混乱期に暗い過去を持つ音楽家が立身する過程で、彼の過去を知る同郷人を殺してしまう話がある。その殺された同郷人が故郷「カメダ」の事を東北訛で話していたことをきっかけに警視庁の捜査が始まるという物語である。実は「カメダ」は島根県の奥出雲に所在する「亀嵩」のことだったのだが、捜査班は秋田県の羽後亀田と勘違いする。奥出雲地方の言葉が東北訛であることがミソで、この物語は野村芳太郎監督により映画化され、大ヒットする。亀田が今の世に全国的に名が知られるのは、この作品に因るところが大きい。何を隠そう、私も松本清張作品の愛読者で、島根の亀嵩には何度も訪れていたが、なかなか亀田には縁が無く、ずっと憧れの地であり続けた。その亀田に念願かなってようやく訪れることができたのは当住宅が文化財登録されたためである。
亀田藩2万石の城下町に所在する商家建築である。




 

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