小田野家住宅
Odano



 
仙北市指定史跡 (昭和50年8月6日指定)
秋田県仙北市角館
建築年代/
用途区分/
残存建物/
公開状況/公開

佐竹義宜の秋田への国替えに、常陸より少し遅れて移ってきた小田野氏は、今宮弾正の配下となり、角館の菅沢町(現在の田町武家屋敷)に居住した。小田野氏は角館に入って分家を作り、ここの小田野主水家は長右衛門家から分かれた清右衛門家である。両家とも佐竹北家組下に変わり、解体新書の挿図を始め蘭画で名高い小田野直武は長右衛門家の人であり、裏町に住んだ。ここの小田野氏は、主水を代々名乗り、武芸に秀でていた。9代藩主・佐竹義和が、文化8年(1811)、角館を訪れた折に小田野主水直政(19歳)は藩主御前で武芸を披露している。また眼科医としても名を成し、安政2年(1855)江戸で出版された「東講商人鑑」の「羽州仙北角館之図」の広告欄に眼科の名医として小田野主水が紹介されている。建物は明治33年(1900)の大火で主屋が焼失したが、その後再建された主屋の間取りは近世武家住宅そのままである。屋敷の特徴としては薬医門から玄関までの灯台躑躅と、黒塀に沿って熊笹が生い茂っていることである。


 

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