長谷山家住宅
Haseyama



 
無指定・公開
秋田県雄勝郡羽後町田代字梺67-3
建築年代/明治15年(1882)
用途区分/地主
残存建物/主屋・土蔵及び土蔵高楼
公開状況/公開 【羽後町総合交流促進施設】

湯沢市の西方に位置する羽後町の旧田代村に所在する地主邸宅である。集落全体を睥睨する最奥部の高台に鎮座する住宅は、現在は鉄板葺に改められてはいるが、そもそもは茅葺で土間部を前方に突き出す巨大な中門造建築である。上手の座敷側から渡り廊下により繋がる右前の高楼は土蔵を保護するための鞘状建物で、土蔵の屋根上に位置する三階に座敷を設える特異な様式である。こうした事例は全国の民家を廻る中でも初めて見る例で、封建制から解放されて間もない明治初頭に、単に武家住居を模倣したり、銘木を使用して贅を極めるという方法ではなく、町方文化の華である蔵座敷の手法を大胆に取り入れつつも、そこに止まらぬ人の度肝を抜くような発想に驚かされるとともに拍手喝采である。




 

一覧のページに戻る