対馬家住宅
Tsushima



 
国指定名勝 (昭和54年5月31日指定)
青森県弘前市宮舘字宮舘沢26-21
建築年代/江戸後期
用途区分/大庄屋
指定範囲/庭園・主屋
公開状況/公開

東北を代表する名峰・岩木山の東麓に所在する高杉組の旧大庄屋邸宅である。幕末から明治期にかけて旧弘前藩内で流行した大石武学流の書院庭園を有することから名勝に指定され、「瑞楽園」の名称で知られているが、屋敷内の東端に残る幕末期建築の主屋も約152坪と大型で、大庄屋職に相応しい規模のものである。内部は一時期老人ホームとして使われていたこともあり、随所に改造が成されているが、座敷周辺はそのまま残り、縁側に坐して眺める庭園は大きく力強いものである。今は故あって隣家に移築されているが、嘗ては主屋の南西に庭園に面して別棟の座敷が建てられており、そこから眺める庭園は岩木山を借景に殊更素晴らしいものであったそうである。

【覚え書】
 ★主屋は天保10年の建築。
 ★主屋の南東に座敷が付属していたが、今は向かいの家に移築されている。
 ★昭和30年に無住となり、40年に市に譲渡。以後は老人憩いの家として使用された。
 ★庭園が国指定名勝となったことに伴い、公開されるようになった。
 ★当家の祖先は1200年代に長崎から移住してきたとのこと。
 ★庭園は大石武心流。遠山石と拝み石が一直線になる。

 対馬家のルーツは長崎県の対馬。鎌倉時代の元寇(弘安2年)に際して、元軍は日本攻略の前線基地として対馬を占拠。対馬の人々は各地に移住したとされ、初代・源右衛門・源太夫親子がこの地に住み着き、4代目より対馬姓を名乗ったという。



 

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