鳴海家住宅
Narumi



黒石市指定有形文化財 (平成10年4月10日指定)
青森県黒石市中町1-1
建築年代/文化3年(1806)以前
用途区分/酒造業
指定範囲/
公開状況/店舗として営業中

平成17年に国の重伝建地区に選定された黒石市中町に所在する造酒屋敷である。店前に雁木造の通路を設ける「こみせ」が連続して残る様子は雪国独特の景観で日本の道百選にも指定される程であるが、その中町で間口23間半、奥行43間半にも及ぶ町内最大規模の屋敷が当住宅である。創業は文化3年(1806)で現在も「菊乃井」の銘柄で醸造を続けておられるが、住宅のうち店舗や居宅部分は創業以前の建物と伝承されている。ちなみに屋敷背後の壮大な酒蔵群は大正期の建築である。当地区には他にも大正期建築の大規模な造酒屋敷が残されているが、近世町家建築が醸す独特の風格は他の追随を許さないものである。

鳴海家住宅は、文化3年(1806)に創業された造り酒屋で、屋号は創業以来「稲村屋」を名乗るが、一般に「菊乃井」の名前で知られている。
建物の規模は、間口18間弱、奥行43間半である。主屋の他に作業場と蔵から成るが、通り土間で繋がっている。さらに敷地の東には、数棟の蔵が並んでいる。また中町側には、「こみせ」が付くが、長さは23間半に及ぶ。
主屋と繋がっている蔵は、大正2年(1913)に築造されているが、主屋は創業以前に建てられた建物である。通り土間の片側に配された部屋や吊り上げ式大戸などの特徴から200年以上が経過していると推測される。また敷地内には大石武学流の庭園がある。鳴海家住宅は、大きな改築、改修もされず伝統的な店構えを守っており、町並の景観にも非常に重要な役割を果たしている。【現地案内看板より】
 


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