伊東家住宅 Itou |
青森県指定文化財 (平成17年3月14日指定) 青森県弘前市若党町80 旧所在地・青森県弘前市元長町 建築年代/19世紀初期 用途区分/藩医 指定範囲/主屋 公開状況/公開 国の重伝建地区に選定される「弘前市仲町」内に昭和55年移築保存された医家住宅である。移築前の所在地である元長町は弘前城址を挟んで現在地からは対称位置となる城の南東角辺り、追手門に近い場所で、伊東家は代々藩医を務めた家柄であったらしい。藩医という役柄は藩によっては微禄で、重用されたというには程遠いこともあったようであるが、津軽藩においては当住宅の位置や規模から想像する限り、相応の立場で遇された様である。同地区内に残る他の武家住宅では式台玄関を上がると畳敷の広間から座敷へと続く導線が採られているが、当住宅の場合は、玄関から板の間の広間、常居、座敷と続き、少し様子が異る。格式は高くとも武家と異なる設えが興味深い。 この建物は当初、元長町に建てられ、後に藩医を務めた伊東家の住宅であったものを、弘前市が譲り受け、昭和55年に仲町伝統的建造物群保存地区内に移築復元したものです。 構造、部材等から当初の建築年代は19世紀初期と考えられ、建築後、数次の改造を経ていますが、伊東家の住宅となったと推定される19世紀中頃に改造された時期の姿で復元しました。 建物の規模は、幅約12.6m、奥行約11.5mで、間取りは、式台構えの玄関を上がると広間があり、広間の横から座敷、板の間、次の間、常居がほぼ正方形に配置されています。座敷は、簡素ながらも剛質な造作をした床と違い棚を組み合わせ、藩政時代の落ち着いた住宅空間を生み出しています。【現地案内看板より】 |