松浦家住宅
Matsuura



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旭川市指定文化財 (昭和48年3月19日指定)
北海道旭川市東旭川町瑞穂1576-1
建築年代/明治42年(1910)
用途区分/養蚕農家
指定範囲/主屋
公開状況/公開
札幌市所在の「開拓の村」には浦臼町に在った蚕種製造所が移築されており、北海道における養蚕は本州と比較してかなり工業生産的なものだと思っていたが、当住宅を訪れて認識を改めさせられた。当住宅は旭川市街から東南方向へ20km程の田園地帯の只中に所在する養蚕農家建築である。当家初代の松浦繁松氏が福島県の出身であったため、建物も福島県の養蚕農家に類似する家内工業的な形態の建前となっているが、一方で当初から養蚕を主体にすることを前提とした非常に合理的な造作も散見される。


当地域は明治31年(1899)以降、福島県人が多く入植した地で、当初は開墾も思うに進まず、困難な生活を強いられたとのことであるが、付近に野桑が繁茂していたことから、養蚕が盛んとなる。明治末期から大正初期にかけては全道屈指の養蚕地として知られた。養蚕農家の特徴として、各部屋に大型の炉を切り、室温管理ができるようになっていたり、蚕棚を組み上げるために2階を吹抜けとしていること、採光にも配慮している点などが挙げられる。


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