国兼家住宅
Kunikane



岩見沢市指定文化財 (昭和53年12月8日指定)
北海道岩見沢市北本町東1-64
建築年代/大正6年(1917)
用途区分/材木商
指定範囲/主屋
公開状況/非公開 
空知地域の中核都市・岩見沢市に所在する実業家邸宅である。そもそもは出羽国鶴岡の出身で北海製材雑穀株式会社を創業した竹野繁次郎氏が大正6年に自邸として建てたもので、氏が宮崎に転居した後の昭和14年に現所有者の国兼氏が購入したとのことである。土台部を煉瓦積としたり、屋根の棟飾りに鉾状のペイメントを用いるなど洋風意匠が各所に見られるものの、基本は和風の伝統建築様式で、特に裏庭に面する座敷部に土縁を設ける点などは竹野氏の故郷である日本海側地域に多く見受けられる造作で、入植第一世代の建物としての特徴を示すものと云える。建築当初は、玄関右手に8畳の客間4室が田の字型に配されていたり、反対の東手には台所や物置倉庫が設けられるなど、現建物のほぼ倍の規模であったらしいが、確かに現在の姿は建物が醸す上質感と規模が不釣り合いな印象があることを否めなくもない。


秋田産の杉や檜を利用した贅沢な建築ながら、建坪は当初の250㎡から136.89㎡に縮小されている。
竹野は明治10年生まれで山形県鶴岡市出身。明治42年に北海製材精穀㈱を創業、大正6年には北見下駄材㈱、大正7年に空知コークス㈱を設立するなど事業を多岐に渡り展開。



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