大名墓

人吉藩相良家




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人吉藩 22165石 (外様)
願成寺(熊本県人吉市願成寺町)
人吉は熊本県南部の鹿児島との県境に近い四周を山に囲まれた盆地で球磨川の流域にできた秘境のような土地である。
相良家は鎌倉時代より当地を治めてきた由緒ある家柄で、小藩とはいえ、全国の大名家の中でも古い家柄の名家である。
墓所にも藩政時代以前の古い墓塔が建ち並んでおり、歴史ある家柄を如実に感じさせてくれる。
菩提寺の願成寺は人吉城下の北東の郊外に所在しており境内の建物は古を偲ぶ風情をなくしているが、境内奥の当家の墓所は広大でかつ中世からの墓塔が林立する様は他には見られないものである。
墓所は、中世の墓塔群、藩政時代初期の墓塔群、藩政時代中期以降の墓塔群、藩主夫人の墓塔群、一族の墓塔群と各エリアに分かれており整然としたものである。
当家は古い家柄だけに、一族・家臣の中にも強い勢力を保った連中が居たらしく藩政時代を通じてお家騒動が多かったことは皮肉なことである。この人吉という土地の持つ雰囲気を含めて中世的なモノを断ち切り得なかった様を現代において歴史のロマンとして感じるには絶好の場所である。


 

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