大名墓

大洲藩加藤家




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大洲藩60000石
如法寺(愛媛県大洲市)
曹渓院(愛媛県大洲市西山根)
大洲加藤家の墓所は城に近い曹渓院と大洲富士と称される富士山の麓で大洲城下とは肱川を挟んだ対面に所在する如法寺に分かれている。曹渓院は城下の町中に在るため限られたスペースではあるが、墓所を中心に伽藍構成されている。即ち山門の正面に黒門、赤門を隔てて墓所が所在し本堂は黒門と赤門の参道脇に墓所を守護するかのように建っている。墓塔を保護する複数の覆屋が完全に残る状況は、かなり素晴らしい。また覆屋の建前もそれぞれが異なるもので、狭い墓所ながら密度は濃い。墓塔自体は五輪塔が主体である。
一方、如法寺は城下の対岸の景勝地である富士山を利用して、ゆったりとした風情の中に伽藍が配置されるとともに墓所も山中に点在する。緑に覆われた神秘的な風情の参道を登りきると山門が待ちうけており、境内には国指定文化財の本堂をはじめ、センスよい建物群が点在する。山門脇の山道を登っていくと墓所が点在するが、少し山深く、暗いせいか一人で訪れるには勇気がいる。山の緑の浸蝕が激しく、少しあれ荒気味で何やらおどろおどろしい。かつてはこちらの墓所にも覆屋が建っていただろう痕跡はあるが、今は一棟のみがかろうじて建っている。



 

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