「絵の中からSOS!」
挿絵 佐竹美保 岩崎書店
わくわく読み物コレクション:小学校中、高学年向き
あらすじ
いっこは、小学五年生。
ある日、いっこがかいた人魚の絵に弟たちがいたずらして、海賊と宝箱をかきこんでしまう。
すると、突然、絵の中の人魚や海賊たちが動き出した。
いっこは、海賊に追われる人魚を助けようとして、絵の中にすいこまれてしまった。
人魚たちを救うため、ゆかいな仲間たちと伝説の『海の守り手』を探す旅が始まる。
作者から
この作品は、2003年7月から9月まで朝日小学生新聞に連載された。
連載の話があった時は、月曜日以外毎日いう仕事に、本当にできるかどうか不安だった。
一方、せっかくのチャンスなので、子どもたちが楽しめるような作品を書こうと意欲もわいた。
やり始めたら、楽しくてしかたなかった。
次々にアイディアがわき、それをどうつなげるか、どう統一させるか、それが大変だった。
本にするにあたり、編集長からは、「今までの赤羽さんの作品とは、ちがった味をだしてほしい」と言われた。
これは、わたしには、とてもうれしいこと。
読者が喜ぶ顔を意識して、さらにエンターテイメント的要素を加えて、書き直しをした。
本の話がすすみ、佐竹美保さんが絵を書いてくれると決まった時は、夢のようだった。
佐竹美保さんは、ファンタジーの挿絵を多数描いている人気ある実力者。
人魚、羽ザル、リリィ、メカカなど、次々でてくるキャラクターを、わたしの想像通りに描いてくれた。
見返しの「人魚の海」の絵のかわいらしさにも、驚かされた。
巧みな画家さんが、その巧みさをおさえ、五年生の子どもがかいたように描かれている。
仕上げの段階では、担当の編集者のYさんに、本当にお世話になった。
わたしの欠けている部分をカバーするアドバイスあってのこの作品。
本というのは、共同作業なのだと、この一冊で再認識した。