☆ 三日ぼうず日記 ☆

2007年12月31日(月)
お世話になりました。

今年も最後になった。
この一年、わたしの日記につきあってくださった方々、ありがとう★
来年も、ポツリポツリでも、続けていきたいので、よろしくね。

今年、最後に読んだ児童書は竹下文子さんのドルフイン・エクスプレス『光のカケラ』だ。
すごくいいお話だった。海の特急貨物配達員のテールのクールだけどあったかい人柄が、とてもいきている。今回は、ジユェルの祭りで島々が盛り上がる時の事件。説明ではなく、さりげなく祭りの雰囲気を織り込んでいくあたり、本当にうまいんだなぁ。潮風が感じられるくらい場景描写も豊か。読後感もやんわりしてるよ。
このシリーズ、もっともっと売れていいと思う。

今年は、児童書では、文庫が大人気の年だった。
子どもたちの視線でかかれた読みやすい物語が売れるのは、必然かもしれない。
でも、文庫だけで終わらずに、他の本も読んでほしいなぁ。
いろんなおもしろさがあるのを、感じてほしい。
すぐにおもしろくなくても、後になって思い出す作品、自分の力になってくれる作品など、本の世界は多様で魅力的だから。

2007年12月30日(日)
絶景?

温泉に行った帰り、初めて海ほたるに寄った。川崎から千葉の木更津へ続くアクアラインの途中にある海上の休憩所だ。アクアラインは、できあがって10年目だそうだ。
暮れだというのに、人がいっぱい。観光客が多い。
みじんこのように小さな生き物「ウミホタル」発光実験というイベントまでやっていて、初めて本物のウミホタルが光るのを見た。ブルーの光が、なんだか青色発色ダイオードみたい、きれいな海にしか生息できないという海ホタル。年々、数が減っているという。

休憩所の海ホタルの先には、足湯があった。無料だというので、入ってみる。どこまでも海の景色の中、ぬくぬくとあったまっていくのは、かなり気持ちがいい。
風が強くて海は波がたかかった。東京のほうをみると、ビルが黒いシルエットになって見える。
人工の島から、人工のビル街をながめていると、だんだん、人間の中にロボットがまじってたりして、なんて考えちゃう。

まさに、そんな時代も遠くないのかもしれない。

2007年12月21日(金)
★これは必見だぞ!★

三鷹市美術ギャラリーで行われている「トコトン!神沢利子展〜いのちの水があふれだす〜」にいってきた。
絵本の展覧会はいくつも見たが、ひと味もふた味も違っていた。ボランティアの市民プロジェクトが長い期間かかて、構想してつくりあげた展覧会だからだ。
会場に入ってすぐにジオラマがある。これが楽しい。直径1メートルくらいだろうか、まん丸い中に、神沢ワールドのねんどの街がある。火山があり、川があり、ウーフがいて、ウーフの家があり、野菜の街があり、北の海があり、気球や三日月がうかんでいて、見ていてそれはそれは楽しいのだ。聞けばボランティアの人が工夫して四ケ月もかかってつくったとか。ふらいぱんじいさんもいる、空色のたまごのリンゴの木もあると、本当によくできている。

展覧会は、4っつの部屋にわかれていた。
1,ようこそ!神沢ワールドヘ 2、作品の中の神沢さん、3,書くことはいきること、4,そして、これからも書き続ける。
テーマにそって、絵や生原稿や、年表や、神沢語録がかざられている。
画家もすばらしい方ばかりなので、見応えがある。

途中の読書コーナーには、段ボールでつくったウーフの家。段ボールのげた箱には、子どもが喜びそうな、楽しいしかけ。遊び心が楽しい。ちょうど来ていた女の子も、窓からウーフの家をのぞいてごきげんだった。
こんなうらやましい展覧会は、そうないと思った。

三鷹市は、絵本館をつくる目標の三鷹絵本プロジェクトも動いているそうだ。片山健、スズキコージ、絵本界の怪人がそろっているのだから、それもありかな。それにしても、地元の活力を大切にしている市だ。引っ越したくなるくらい!

会場には、神沢さんもいたが、話をされていたので、遠くから見て帰ってきた。
わたしは、神沢作品からは、骨太でおてんばな感じを受ける。でも、実際の神沢さんは、白髪の美人で作家というよりも女優をおもわすような気品をたたえていた。

帰り道、三鷹の駅にできた駅中ショップを見てきた。
おいしそうなスイーツの店ばかり。ウーン。こんなに高いケーキばかり売っていて買う人はいるのだろうか?
世の女の子は細いのに、いったい誰が消費しているのか???
わたしもクリスマスも近いので買って帰りたいと思ったが、おなかまわりを思ってやめた。
メタボリックを気をつけろというなら、ケーキ屋さんの数を減らしてほしい。

2007年12月20日(木)
事件は現場で起きている!

昨夜のことだ。
11時すぎに帰ってきた長男のコーラが、「家の前にへんな人が寝ている」という。
そっとのぞいていると、うちの駐車場に頭をつっこむようにして、男の人が横になってる。ブツブツつぶやいているみたい。
どうしようっと、にわか、家族会議。
このまま、寝込まれても困る.
(寒さで死なれたらもっと困る)、昨今こわい事件も多いし、いちおう110番しようということになった。

警視庁さんから「すぐにいきますね」っといわれて、待つこと30分から40分。
その人が殺人犯だったら、うちの家族を殺すに十分な時間。
幸い、殺人犯でも、強盗でもなかったので、眠っていてくれた。

待っている間、なぜかハラハラ。
不審者はいなくなってほしいのに、110番したのにいなくなられても困る。ウソの110番になってしまうから。
ウーン。待つって、時間が長く感じるのね。
おかげで、ドラマ「働きマン」
の最終回の一番いい場面を見のがしてしまった(>_<)

やっとパトカーがきて、男の人を起こしてくれた。
「ここはうちだ! うちで眠ってなぜ悪い?」と大声で騒いでいる。動こうとしない。なんやかんや警察官が説得してくれること30分。驚くことに、近所の人だった。
「さっきも、向こうの通りで、道路で寝ているって110番がかかってきたのですよ。その時は、歩いて帰れるっていうから、帰したんですけどね」と、警察官。
ほんとうにごくろうさまです。m(_ _)m

ようは、飲み過ぎただけなのね。
とにかく、なんでもなくてよかった。
いつもは、おとなしいおじさん。
飲み過ぎには、気をつけなくっちゃね。
みなさん、気をつけよう! 
さて、最初、110番しようとしたわたし。あせって、しきりに「119番しなきゃ!」と騒いでいた家族がいっている。全然、覚えていない。
このくらいのパニックにも弱いことを露呈。
ダメだこりゃ

2007年12月16日(日)
yom yom

娘のラムネが、とうとう20歳になった。
誕生日は友だちに祝ってもらうというので、少し遅れてプレゼントを買ってあげる。親は財布がわりのよう。
ひさしぶりに一緒に本屋にいった。
「ほしいものがある?」
「よむよむ がいい」
「何それ?」
「知らないの?」
といって、娘が指さしたのは、平積みされている原色にパンダのイラストの雑誌。
新潮社がだしているyom yomだ。今、若い人によく読まれているという。
値段も680円と手頃。執筆陣は、今をときめく話題の作家ばかり。川上弘美、恩田陸 重松清、石田衣良、などなど。
短編が多いので気軽に読みやすい。一日ひとつ読もうとかそういった感じで読める。
文学雑誌というより、読み物雑誌なのかな?
イラストのパンダ絵だけの表紙と簡単な装丁は、素人の,同人誌か子どもの本のようで、今までの文学雑誌のイメージを刷新している。
そこが、若い人に受けたのだろう。垣根を壊した感じ。こういう所から、新しい流れというのは、生まれてくるのだろう。

帰り道、多摩センターの駅前のイルミネーションをみた。
いくつ電球があるのだろう。すごく華やか。
イルミネーションを手がける人をイルミネーターというとか。
聞くたびにターミネーターの親戚かと思ってしまう。
ともあれ、今年も残り少ない。
やり残したあれも、これも、それも、抱えて年を越しそうな予感がする。

2007年12月1日(土)
鬼ヶ島通信50号記念交流会

小春日和の銀座で鬼ヶ島50号記念の交流会が催された
鬼ヶ島といえば、ももたろうの親も同然(?)ももたろうメンバーは、お手伝いにかけつけた。

会場には、100 名ほどのファン、ゲスト、編集者の方々が集まった。残念なので、村上勉先生、佐藤さとる先生が欠席だったこと。それでも、会場の熱気はすごかった。ファンの方って初対面でもすぐになかよくなれるみたい。
みなさん、とてもいい笑顔で、それをみてるだけで心があったかくなるような会だった。
鬼ヶ島は、同人誌ながら、とてもファンを大切にする所。最初、鬼の先生方にお会いした時、あんなにすばらしい方がこうもえらぶらないで、わけへだてなく話してくれたことに感動したが、わたしと同じように感じで鬼の先生方のファンになられた方は多いみたい。
何度も交流会を開いて、その都度、読者のことを思ってやってきたのが、今日の盛会と会場の笑顔につながっている。
書けば簡単だけど、忙しい中、なかなかできることではない。
わたしも何度も交流会で出会った人たちと、ひさしぶりに再会できてよかった。
もっともっとみなさんと話したかったのだが、かぎられた時間で思うようにいかなかった。
願いは、また、このような会を!
だれもがそんな思いを抱いたのでは。

今回の会に、ぎりぎりまにあったと、くばられた『鬼ヶ島通信の50号』
最後に今までのバックナンバーの目次紹介が掲載されているが、その企画力のたしかさには、改めて敬服した。

その時々の時代を読む目がある。ハリポタが話題になった時期に「ファンタジーの現在」・46号 子どもの本に妖怪がふえた時期に、「こどもの本と妖怪」・47号。キャラをたてて書いてなどと編集者から言われることが多くなった時に「こどもの本とキャラクター」49号
タイムリーでアンテナがさえている。

それから、作品の充実。末吉先生、柏葉さんなどは、ここで連載したものは、どれも大きな賞をうけている。こんな同人誌、他にはない。
まだ、形は変えて続くようなので、まだ、購読してない方はぜひ。 鬼ヶ島通信のホームページから申し込める。
今人気の佐藤多佳子さんも、実はももたろうコーナーの入選者だ。
バックナンバーも、残っているものは買える。
わたしのおすすめは、21号「こんな編集者に会いたい」22号「文学と児童文学の境」31号「わたしが作家になったわけ」38号「こどもの本の編集者」などなど。20号は、わたしがももたろうコーナー入選した思い出の号だが、もう完売らしい。

さて、わたしは、二次会で、若おかみシリーズで人気のRさんと盛り上がった! 心があたたかくてステキな人だった。
ほんと、大ファンになってしまった(*^_^*)
それからおくれてきたSおやびん。またまたパワーたっぷりの知性派で会話がおもしろい。

RさんとSおやびんのテンポいい会話を聞いてられるだけで、ほわほわと幸せ。なんか、すごい短編小説を読んだような充実感。こういう魅力が、あの作品たちを生み出していくのね。
わたしが一押しの朝の連続テレビ小説「ちりとてちん」 Sおやびんも注目されていて、ちょっとうれしくなった。

そののりで3次会のカラオケまでいった。つきあってくださった方々、本当にありがとう。

2007年11月24日(土)
旧白州邸武相荘

小春日和がまだ続いている。
娘の寮に届けものをしたついでに、鶴川にある旧白州邸 武相荘という所によった。
ここは白州次郎、白州正子の住まいで、見事な茅葺きのおもむきのある家だ。庭の竹林が風情を添えている。
武蔵と相模の境と、無愛想をかけて武相荘と名付けたそうだ。
見学の人はとても多かった。
小さな家なのに観光バスが2台もきてる。
「今、若い人にも人気急上昇の人なんだ」と娘のラムネがおしえてくれた。
どうして急上昇なのかというと、白州次郎のことをキムタクが尊敬する日本人と語ったとか……。
キムタクに弱いんだね、みんな。
旧邸は、見事に手入れされて、暮らしを大切にする二人の姿勢がうかがい知れた。
書斎の本の山も見事。どの本も黄色く変色していたが、故人が大事にしていたのが伝わってきた。

庭にでると、熟れた柿の木が日差しをあびていた。

2007年11月23日(金)
ペープサート成功(*^_^*)

小春日和の勤労感謝の日
飯田橋の出版記念会館でおはなしエンジェル創作コンクールの授賞式が行われた。

選考員としてかかわってるわたしは、今回は、子どもたちに見せる出し物の当番。
それで、「ぼくがふたり」という著作絵本を脚本に直し,ペープサートにして上演してみせた。
画家さんに絵を協力してもらい、同じ選考委員の先生方をまきこんで、朝から練習をしてもらって、いざ本番へ。
スライドフォイッスルの妙な音が、うまく盛り上げてくれて、多少の失敗もあったけど、なんとかすんでよかったです。
「めんどくさい」「練習するのかぁ」渋い顔をしながらも、大活躍してくださった皆々さま、お疲れ様でした。本当にありがとうございました。
例年、子どもがたいくつそうにしているので、子どもが喜ぶようなことをしたいと思ったのがきっかけ。末吉先生がいつも時間をかけて、でも、楽しそうにがんこちゃんのペープサートをしていることの影響も大きい。

さて、授賞式。今年も目をきらきらさせたたくさんの子どもが集まってきた。
毎年ながら、おしゃれ! ブーツ姿が決まってたりする。
漫画家になりたい。小説家になりたい。医者になりたい。
子どもたちは、いろんな夢をもっていて、まっさらな気持ちでわたしの話を聞いてくれた。。
やっぱり子どもって、いいな! そう感じた一日だった。



2007年11月18日(日)
天才は、笑いながら勝つ

東京国際女子マラソンを応援にいった。我が家では、ここの所、恒例のイベント!
澄み切った青空、紅葉しかけた街路樹、観戦には、もってこいの条件。そのせいか、人出は多かった。

いつものように飯田橋あたりで5キロあたりを見て、そのあと、秋葉原で時間をつぶし、復路、水道橋のガード下で応援。電車にとびのり、国立競技場に向かおうと思ったが、選手のほうが早く、信濃町の改札をでた所で、野口選手がかけぬけていってしまった。マラソン選手は、電車よりも速いのだ!!

とにかく、野口みずき選手は、あっとう的な強さだった。くるしそうな顔を一度もみせない。小柄な体で、ひょいひょいと走ってしまう。
体力的な面だけでなく、精神的にもかなり強い人なんだろうと思った。
ライバルといわれた渋井選手は、後半とても苦しそうだった。
ラジオの解説の人は、「一般社会では渋井選手のような思いを体験される方のほうがずっと多いのではないでしょうか? そういう面から渋井選手にも拍手を送りたい」といっていたが、そのとおりだと思った。野口選手には負けても、このレースにでてよかったと思ってほしいな。
思えないかも、しれないけれど。
勝負って、厳しいねぇ。
だからこそ、沿道にあれだけの観戦者を集めるのだろう。わたしも、見ていただけなのに励まされた。

これからは高橋尚子選手がどこで、どう走るかがますます注目されるだろう。
女子マラソン、ますます目がはなせない。

2007年11月14日(水)
街路樹・葉っぱの個展

先日、宅配本屋のサンタポストさんから、一冊の本をすすめられた。『木の実の宝石箱』群馬直美さん・世界文化社 
木の実を細密にかきあげた画集だ。
写真のようにそのままだけど、写真よりも味わいを感じる絵。合間にはさまる文章もステキで, すっかりファンになり、飯田橋でやってる展覧会に行ってきた。

今回は、『街路樹・葉っぱの詩』といって街角の街路樹のある風景や、葉っぱを描かれた新刊の出版記念展だという。

群馬さんは、昭和記念公園近くの石田倉庫という所にアトリエをもっているという。いろんなアーティストが集まって、創作活動をしている所らしい。そこでいっしょにやっているお仲間も見に来ていた。すごく自由でパワフルで楽しそうなはじけ空気を感じた。昭和記念公園で踊るイベントもやったことがあるとか。どんなイベントだったのかな???

今回、いっしょにいってくれたのは、おうぎやなぎちかさん。
児童文学作家になりたいと、公募やアンソロジーで活躍中。今回も、「ははの友」11月号(福音館)に短い作品をかかれていて、みせてくれた。

群馬さんのことは、すごく好きでファンレターもかかれたという。それで今回、一緒に行こうということになった。
世間って広いようで、どこかでつながっているのね

2007年11月12日(月)
always 三丁目の夕日

映画をみてきた。
今年の二月うちの近所のお風呂やさんでロケをしてた映画なので、いっしょにロケを見た友だちといった。

でていた。でていた。お風呂やさん。ただ、たった一分くらい。半日かかって撮っていたのに、あんなもんなんだねぇ。
映画作りの大変さがちょっとわかった気がした。


それにしても、パズルみたいなストーリーだった。一作目の出演者の出番をすこしずつ割り振って、当時のなつかしいような出来事を織り交ぜて、ほろっとさせる作りにする。
でもね。芥川賞候補の作品が、携帯小説みたいだったのには、ちょっと。
いえ、今の携帯小説が悪いというのではない。
当時をなつかしむ映画なら、当時の芥川賞っぽい作品にして、そこまで時代考証してほしかったのだ。
それに、作品を読んで泣きましたという読者たち。泣ける作品すなわち名作ってことでもないでしょう・・・・、ってつっこみたくなってしまった。
いけない、いけない、軽く昭和をなつかしめばいい作品だったのに。

ちなみに、会場にはかなりのご年配の方もいて、涙をぬぐったりして感動しておられた。
わたしは、古いミシンでおかあさんがワンピースをつくってくれた場面でホロリとした。
うちの母も洋裁が得意で、いろんなワンピースやスカートをつくってくれたっけ。
忘れていたそんな思い出た、ミシンのカタカタという音とともに蘇った。この映画は、それだけで、十分だったのかもしれない。

2007年11月5日(月)
鬼の市

友人の鳥野美和子さんが、新刊『鬼の市』岩崎書店を出版された。
おもしろかった。山形の出身で、その方言をうまくいかして書いている。
節分の日、ケンタの家は、豆まきではなく鬼迎えをする。その鬼迎えをのぞいた妹が、気をうしなった。ケンタは、死者がいくという鬼の市に妹をとりもどしていく。
さて、弱虫のケンタに無事に妹が取り返せるか?

展開が早く、ぐんぐんと読ませてくれる。過去の赤鬼との思い出も、物語の幅を広げている。
この作品は、同人誌にだされた時、読ませてもらっていたが、それよりも断然、完成度が高くなっていた。
同人誌に書きっぱなしで置いておくのではなく、こうやって作品を膨らませていかなければ・・・・。
なんだか、背中をおされた気になった作品だ。

2007年11月4日(日)
紅葉の信州

2日から諏訪湖にいってきた。東京よりだいぶ寒く、紅葉がきれいだった。諏訪湖の周りには、かりんとななかまどが、交互に植えられているのだが、ななかまどがとくにきれい。東京にいて、いつまでも夏の余韻にひたっていたが、ここにきると、もう冬がそこまで来てると気づく。

大河ドラマ風林火山で諏訪のお姫様、由布姫が最後の時をすごしたという、小坂観音にいってきた。諏訪のほとり、丘の上にある、小さなお寺だった。本堂はずいぶん古びている。でも、回りを取り巻く木々や立派。すぎ、さわらの並木は見事で、八ヶ岳を背に諏訪湖を一望できる眺めもすばらしい。観光客もまばらで、お土産屋もなく、静かで、ひっそりしているのが、情緒があっていいと思った。

帰りには、甲斐小泉に新しくできた、平山郁夫氏のシルクロード美術館に立ち寄った。
砂漠をらくだが歩いていく絵など、何号というのかわからないが、屏風のように大きな大作が見られる。絵なのだが、古い仏像を見たような、そんな感銘を受ける。
絵のもつ迫力と絵からほとばしる異郷の味わいに、訪れた人が足をとめて長いこと眺めていた。

驚いたのは、屏風のような大作を今年になっても次々書かれていること。
調べたら1930年生まれ。わたしの母とひとつ違い。原爆症で死をも覚悟したと聞いたことがあるが、どうしてどうしてすごい気力と体力の持ち主。
八ヶ岳をおとずれた時は、一度足を運ぶことをおすすめする。

2007年10月29日(月)
寶(たから)

西沢杏子さんといっしょに、北浦和の蕎麦やさん、寶にでかけた。
このお店は、児童文学作家上條さなえさんのご主人がやられている所で、蕎麦がおいしいと評判。蕎麦好きのわたしは、西沢さんにたのんで連れてもらったというわけだ。

寶は、北浦和の線路ぞいを歩いて、1分ほど。お昼の時間をちょっとはずして中をのぞく。
なんと、西沢さんのお友だちの詩人はたちよしこさんがきていらした。西沢さんは、ちょうどおくってもらった詩集『いますぐがいい』はたちよしこ:著 まどみちお:絵 のお礼を言おうと思っていた所だと、このタイミングでの出会いにびっくり。
せっかくなので、わたしもできたての詩集をさっと見せてもらった。心の中にストンと落ちていく、気持ちのいい詩がならんでいる。

寶の蕎麦は、評判通りおいしくて、二枚も食べてしまった。これじゃ、やせれない。
あと3キロ減が目標なのに。いつも減ったためしがない。
次は、沖縄の月桃そばに挑戦したい。


おいしいものを食べて、楽しいおしゃべりができて、なんだかほんわかした日だった。
詩をかく方は、肩の力がぬけている人が多くて、いつもうらやましい。

西沢さんから、しいの実は食べられると聞いた。しいの実クッキーも、はやってるそうだ。今度、挑戦してみようと思う。

2007年10月19日(金)
こっそり注目

風邪ぎみで頭がいたい。急に寒くなったからかな。

最近、時々ラジオを聞く。テレビがなんとなくつまらなく思えるようになったから。
おもしろい番組を発見した。TBSラジオの平日午後の「ストリーム」だ。
映画評とか、ニュースさかさメガネとかもおもしろいが、わたしが注目しているのは、さすらいの裁判傍聴人、阿曽山大噴火さんの裁判傍聴記。
裁判所で行われている、裁判を報告してくれてるだけなのだが、語り口がおもしろくついつい引き込まれる。
だって、車の中をみたら、キーがつけっぱなしになっていて、ふと、オレ、車のれるかな?って思ってしまい、運転して、トラックにぶつかってつかまったとかいう事件。トラックの運転手は無傷だが、この人は歯を二本折り、骨折までした。
普通、窃盗をして逃げるのに車を盗むが、この人は違う。ただ、左にまがれるかなっと思って乗って、左にまがる前にトラックにぶつかってしまったので、まだ、左にうまく曲げれるのかどうかわからないのが残念だというのだ。
おかしな事件だ。
でも、この裁判傍聴記を聞けば、こういうおかしな事件は日本中あちこちで起こっており、そのたびに弁護士や検察官が奮闘しているようだ。もちろん、裁判官も。テレビドラマの弁護士は、スーツをきてカッコよく悪を糾弾してるけれど、実際の事件は、「あなたは、なぜ、また、お好み屋ばかりねらって、窃盗をするのですか?」「お好み焼きが、好きだから、つい」とか、そんな問答がくりかえされてるみたいだ。
阿曽山
大噴火さん、これから、こっそり注目していきたい。

ちなみにこの裁判傍聴記は、TBSのストリームのホームページで、過去のものが聞けるようになっている。

2007年10月14日(日)
書評☆

金木犀が、いいかおりをはなっていて、やっと秋らしく、しっとりとしてきた。
雑誌「灯台」11号の読み聞かせにおすすめの本のコーナーで、『わらいボール』がとりあげられた。
漆原智良先生が、あたたかな視線で書評を書いてくれていて、著者としては、少しくすぐったいような感じ。
でも、やっぱりうれしい(*^_^*)

2007年10月9日(火)
北川チハルさん

ホームページをとおして、知り合った北川チハルさんと、著書を交換しあった。
チハルさんがおくってくれたのは、『ふたごのあかちゃん』 はたこうしろうさんのカラフルな絵が、リズムのいい北川さんの文章をよくひきたてて、笑い声がもれてきそうなかわいい絵本。
チハルさんが、とても楽しんで書いたのが、伝わってきた。ほんとうに ありがとう。
こんなふうに、ホームページから知り合いの輪がひろがるんだなって、うれしくなった。
チハルさんのサイトは。こちら。とても読みやすく工夫されてる。

2007年10月7日(日)
東京ミッドタウン

せっかくの連休なので、ひさしぶりに家人とでかけようということになった。場所は、東京ミッドタウンのサントリー美術館。屏風展を見たいと思ったのだ。昨日の夕刊に、評もでていた。
でも、いってすぐに後悔。なんじゃ、これは!!とうくらいのすごい人。とくにレストランは、ものすごく高い上にどこも長蛇の列。美術館も、あきれるくらい混んでいる。
とにかく家人は、並ぶのは大嫌い。すでに顔が曇っている。
しばらく歩いて、、ここから外にでようということになった。ミッドタウンからでたら、外の飲食店はあっけないくらいすいていた。
ゆっくりランチを食べて、ついでにワインも飲んだら、もう、あの人混みにもどる気がしなくなった。
それで、見ずに、東京新美術館の方にだけよって帰ってしまった。
わたしは、なんのために六本木まで、行ったのだろう。年々、人混みに弱くなっていくみたい。
まだ、今度、平日に挑戦してみよう。

帰りの電車の中で、『六本木ってほんと、わかりにくくて不便だよね。』ともらしたら、となりのカップルにクスクスと笑われてしまった。
そうだ。不便な所に住んでるのは、もしかして、わたしの方かもしれない。
でも、ビルばかりの六本木よりも、まだ、畑が残っている我が家の周りのほうが、よっぽど住みやすい気がした。

2007年10月4日(木)
祝☆報告

佐藤さとる先生が、第42回エクソンモービル児童文化賞を受賞されました。おめでとうございます。
今年は、鬼ヶ島通信は、おめでたいこと続きです。

末吉暁子先生も、今月、新刊をだされます。『本の妖精リブロン』あかね書房
東逸子さんのうっとり見とれてしまうような表紙です。

2007年10月2日(火)
選考会

今日は、こども創作コンクールの選考会。
去年よりも、応募数は少なくなったとか。
でも、どうして、なかなかいいものもあって、びっくりしゃっくり。驚かされ、刺激をうけた。

高学年、文章の使い方がうまくて、大人びているものが多いみたい。背伸びをする年齢なんだよね。
でも、そういう時こそ、身近なところをみつめてかくと、かえって目立つかもしれないと感じた。
それは、自分がかくときにでも、いえることだろう。
選考をすると、おしえられることがとても多い。

会をかさねて、選考の先生方や、共催の公文出版の方とも仲良くなれた。
終わったあとの、飲み会のビール、ワインがとてもおいしかった。

2007年9月29日(土)
芸術の秋

南塚直子さんの原画展にいってきた。新作『やまぼうし村のピッキ』のきれいな銅版画や、書き下ろしの油絵が並ぶ。いつみても、南塚さんの世界は変わらず,ういういしくて、かわいらしい。
ひさしぶりにご本人にも会えて、おしゃべりもできた。
新作の絵本にサインも、もらった。山小屋で感じた四季がベースになっているかわいらしい絵本。銅版画の美しさにうっとりして、何度もページをめくってしまう。
原画展は、青山一丁目ピガ画廊。10月1日まで。

もうひとつ、ついでにと、表参道の骨董通りにあるビリケンギャラリーにも足をのばした
南青山人形倶楽部 第1回例会 画家と人形 という展覧会をやっていた。
とても小さなギャラリー。でも、メンバーがすごい。東逸子、宇野亜喜良 スズキコージ こみねゆら ささめやゆき 酒井駒子、そういった今注目の画家さんたちが、人形と絵を展示している。有名な方の作品は、なかなか値がはっていたが、ほとんどが売りきれていた。初日で売れたらしい。
このお知らせをくれたのは、絵本でごいっしょしたかとうまふみさん。月刊絵本の時とは、またちがった雰囲気のある絵を出品されていた。さすが、いろんなひきだしがあるんだなぁ。

帰り道、青山の通りをふらふら歩いていたら、「すみません」と小顔の美人に声をかけられた。
道の向こうから わざわざ走ってくる。なにごとかと、どぎまぎしながら立ち止まったら、「あなたは、今、運命の変わり目に来ています」と真顔でいわれた。
うへぇ〜。
高価な壷でも買わされたら大変と思って、急いで逃げ出した。
どんな運命の変わり目なのかと、少し気になりながら。

2007年9月24日(月)
お知らせいろいろ☆

お知らせがいろいろあり、トップページを更新した。

まず、同人誌ももたろう27号ができあがった。きれいなオレンジの表紙。読んでみたいなって方は、一冊でも送りますので、ももたろうホームページにメールをしてね。

次は、鈴木出版からだした月刊絵本が韓国で出版された。
ハングル文字はまったく読めないが、色はきれい。それに、日本だと月刊絵本の装丁だが、韓国版はしっかりした単行本の形になっている。
韓国の子どもたちも、楽しんでくれるかな。くれるといいな(*^_^*)

もうひとつ、創作童話の募集のお知らせ。PHPと日本児童文学者協会で創作童話を募集している。
テーマはすてきな家族。家族がいろいろ壊れてきている今、新鮮な視点で家族の物語を書いてほしい。
優秀作は、ホームページに掲載し、アンソロジーの一作として単行本で出版する。
この応募にむけて、同人誌で勉強会をされている所もあるとか。
興味がある方は、応募要項をよく読んでチャレンジしてね。
詳しくはここへ

2007年9月21日(金)
再会

今日はうれしい日。
関西に住んでいる旧知のIさんが、童話が入選して表彰されるために東京にでてきたのだ。

Iさんとの最初の出会いは、アンデルセンメルヘン大賞の表彰式。たしか広島でた。その後、鬼ヶ島のパーティなどでも会い、わたしの出版を祝う会の時も関西からかけつけてくれた。

上野でひさびさの再会。暑かった。カラスと人が多いのに驚いていた。
「また、会えてうれしいね」
にっこり笑うIさんは変わりなくて、すごくうれしかった。
「おめでとう」というと、「小さな賞なんや」と恥ずかしそう。
けど、わたしは、楽しくチャレンジし続けてるその姿勢に、大きな拍手をおくりたい。

書いてる者どうしだと、なぜか話はとぎれない。あっとう間に二時間がたった。
「赤羽さん、がんばりや。応援しとるで〜」
別れる時、いつもいつもそう言ってくれる。

その後、わたしは別の友人と、手づくり絵本の会の東京展を見、山下清展を見、インカ・マヤ・アステカ展を見た。さすが、三つ見たので、疲れた。
とくによかったのは、科学博物館のインカ・マヤ・アステカ展。金曜日は、夜8時まで開いていて、5時以降は、ペアで2000円と割引になる。中は若い人が多くて、熱心にミイラや空中都市マチュピチュを見つめていた。
だれかに似ているような土偶の顔が、印象的だった。

2007年9月19日(水)
書評☆

新聞にのった書評がうWEBで読めます。
「本よみうり堂」とうサイトの「こども」という所をえらぶとでてきます。トップページから、リンクをはりました。興味があるかたはみてください。

2007年9月17日(月)
輝く秘訣

夕方のNHKホリデージャパンという番組に友人がでた。ゴールドシアターという演劇集団のドキュメンタリーで、そこでがんばっている友人のHさんが、他の団員とともに取材されていた。
すごくステキだった。番組も、その人の心のうちを誇大せず、しみじみと伝えてくれて好感がもてた。民放は、どうも編集しすぎ。強調する所を3度もくりかえしたりと鼻につくが、NHKのこの番組はそのままの人をそのまま写していて、それで伝わってくるものをつくりあげていた。

育児や介護で自分の中に澱のようにたまっていく思い…・・それからぬけだしてくて、夢中になるものを見つけたくて、ゴールドシアターのオーデションをうけたという。
私は、以前の彼女も知ってるので、演劇をすることによって、どんどん充実していく様子がよくわかる。
夢中になれるものがあるって、こんなにも素晴らしいのかと教えてもらった気がした。

そういえば、彼女と知り合ったのは、童話の一日体験講座のようなものだった。場所は高田馬場。講師は小沢正さん。
もちろんデビュー前。同人誌「ももたろう」を始めるよりもずっと前のことだ。
その時に私がかいたお話をおもしろがってくれて、Hさんはわざわざ電話をくれた。それがつきあいのきっかけ。情が厚くて、面倒見のいい彼女は、なにかにつけて、弱気になるわたしの創作態度を励ましてくれてきた。
その時の作品は、描き直して、『ドキドキおともだちビデオ』というものになっている。

今度は、わたしが彼女を応援する番。お互いに忙しくて、会えないけれど、心からエールをおくりたい。

2007年9月15日(土)
書評☆

よみうり新聞の夕刊に『わらいボール』の書評がのった。週間KODOMO新聞のナビというコーナー。カラーで表紙ものせてもらった。
飯田由美さんの書評は、とても好意的であたたかく、すごくはげまされた。たしか、前作『ごきげんぶくろ』の時も、よみうりの夕刊に短く書評をかいてくれた。
記事が見やすい場所だったのか、読んでくれた人が多くて、いくつかなつかしい友だちからメールをもらった。
ちょっぴり幸せな日だった。

2007年9月8日(土)
見たぞ! シャングリラ3

台風がすぎて、からっと晴れた土曜日。
「ユーミンスペクタクル・シャングリラ3〜ドルフィンの夢」を見てきた。とてもとりにくいというチケットが、とれたので、友だち3人といった。
シャングリラは、ユーミンのスペクタクルショー。コンサートであり、サーカスであり、シンクロであり、そのどれでもないともいえる華麗なショーだ。2時間半。夢の時間につれていってくれるというわけ。3の目玉は、シンクロで、世界水泳3連覇のヴィルジニー・テデユーが出演することだ。
場所は代々木体育館。
中央にプールが用意されている。サーカスのため、天井までの高い階段も用意されている。

とにかく見事だった。
プールだったと思った所が床になり、また、部分的にプールになり、噴水はふきあがる、客席の後ろから大きな風船は落ちてくる、花火はあがる、火もふきがる。とにかく考えられるありとあらゆる豪華な演出がされた。
そして、サーカスとシンクロ。鍛え抜かれた体が宙をまったり、水の上で妖艶にジャンプし踊る。
その全体を通して、ユーミンは歌い続けてるのだ。
たしかわたしよりも年上のはずのユーミン。ブランコにのったり、高い所で歌ったり、ステージを縦横無尽に動き回って、歌い続ける。

とにかく圧倒された。
この公演、聞けばいつも、赤字だという。お金がかかりすぎるそうだ。それを続けてるのだから、ユーミンてすごいねぇ。
いっしょにいった友だちがしきりに感心したのは、ユーミンが40人ほどのロシアのサーカスの人の名前をすらすらといってのけた所。
「記憶力がいいんだねぇ。わたしなら、3人くらいしか覚えられないよ」 ロシアの名前の発音はむずかしい!

元気をもらったついでに、帰りカラオケにいった。調子にのって歌いまくって、日付が変わったのに気づかなかった。(^_^;

2007年9月4日(火)
夕凪の街 櫻の国

9月になった。風が肌にやさしい。
ひさしぶりに映画をみてきた。「夕凪の街、櫻の国」こうの史代さんの漫画が原作。この漫画が好きだったので、見たかったのだ。
原爆がテーマ。重たいというよりも、深い映画だったと思う。
麻生久美子がとてもいい演技をしたいた。広島弁が、やさしい。
「原爆は落ちたんじゃないよ。落とされたんだよ」
「わたしは死なないですむ人だったと おもっとったのになぁ」
そういうセリフが胸をつく。
映像もきれいで、静かにながれる音楽もよかった。

これは、漫画が原作。でも、児童文学などでも書かれるべきテーマではないかとも思った。ただ、児童文学でかかれていて、果たしてこれだけ話題になったか?
今、漫画にとてもいきおいがある。西国分寺の本屋もリニューアルされて広くなったのだが、中央の一番いい場所を広く漫画がとっている。
漫画原作からアニメやドラマや映画へ。そういうヒットの流れがあるのだろう。わたしも最近漫画ばっかり読んでるし。

夜、先日 御岳山で買ってきた栗をゆでた。おいしい。ビールに合うと聞いたがなかったので、ワインとともに食べた。すごくよくあって、ますます食がすすむ。
今年は暑かったためか、栗の味がいいのかも。去年は、いまひとつだったのだが、今年は期待できる。
ついつい沢山食べて、家人がかえってきた時には、ひとり、いい機嫌で酔っぱらっていた。

2007年8月29日(水)
おはなしポケット

やっと東京もすごしやすくなった。
本当に暑かったから、ほっとしつつ、気づけば8月も終わり。そろそろ、頭のねじをしめなおさないといけないかも。

今日は、国分寺で読み聞かせをしているおはなしポケットというグループの昼食会に呼ばれた。新作『わらいボール』がでたお祝い。みなさん、このお話をとても喜んでくれた。
おはなしポケットは、わたしの息子、娘がお世話になった読み聞かせのグループで、わたしの作品を毎回とても応援してくださる。
本当に、ありがたい!

読み聞かせのグループもいろんなタイプがあると思うのだが、おはなしポケットは、のんびりしてアットホームな感じの所。いついっても、笑顔でわたしを迎えてくれる。
近頃は、読み聞かせがさかんになってきて、図書館だけにとどまらず、児童館、小学校などでも要請があって出張してやっているそうだ。
うちの息子が図書館の読み聞かせにいった頃は、参加者がたったひとりだったということもあり、その時代が一番下火だったわねっと、話された。ひとりでも来てくれたら、心をこめて読み聞かせしようねということで続けていたら、昨今は驚くほど大ブーム。おかあさんたちが、とにかく熱心だという。
長く続いた会だからこそ、感じる変化なのだろう。

わたしは人数が少ない時代にかよったおかげで、ポケットのみなさんと仲良くなれた。子育ての悩みをきいてもらったりもした。それ以後、デビュー作からずっと応援してもらっている。創作は一人で孤独な作業だけれど、こういったいろんな人が、そっと背中をおしてくれてるんだなぁと思うと、すごく励まされる。
「次は、どんなのがでるの?」
その問いに、できるだけ長く答え続けていきたいと思いながら、お別れをした。

2007年8月27日(月)
夏はこわ〜い話・・・

酷暑だ。とにかく暑い。さすがに夏ばて気味。
そんなこの夏、漫画にはまった。娘のラムネがすすめてくれた「百鬼夜行抄」。作者は今市子さん(かなり微妙なペンネーム)だ。
ひと言で説明してしまえば、幽霊や妖魔が見える飯島律という青年のまわりで起きる不思議な話。
でも、どの短編もストーリーがなかなかこっている。
読むなら、途中からでなく、一巻から読むことをおすすめ。飯島蝸牛というおじいさんのエピソードを読まないと、全体がぼけてしまうからだ。
難点は、人の顔の絵が似ていて、どの人の顔が、見分けがつきにくい所。なので、最初はとっつきにくい。
でも、読み進めると、これがはまるのだ。
作者は、民俗学などを学んだことがあるようで、こわい妖魔をだして、うわっつらだけ驚かせるようなことはしない。人の悲しみや生きにくさなどをこわさの背景にたくみに塗り込んで、ストーリーをねっている。
どの話もトーンとしては、静かで、主人公の律も、妖魔とおりあいをつけるが、無理矢理に追い払ったり、やっつけたりということはしない。となりに静かに共存している世界として、霊の世界をかいている。
そのまなざしが、背筋がぞくぞくさせるストーリーとよくマッチして、大人が読む怪談になっている。

まあ、それにしても、スピリチュアルは、占いとともに、今や、すごいブームだ。
児童書のエンターティメントのシリーズを見ると、最近は、幽霊や妖怪、超能力、九十九神、鬼、そんなもの日常に絡んでるストーリーばかり。これには、テレビの影響も多いにあるだろう。
未来に希望が持ちにくい現代、人々の心の底に横たわっている不安が、ブームをふくらましているのかも。

2007年8月20日(月)から23日(木
ついてない月

旅行にいってきた。娘のラムネといっしょだ。
のんびり旅行できるのも大学の間くらいだらどこかいこうよというと、海外なら行ってもいいというので、女ふたりで日本を脱出! 
多少の腰痛をかかえながら、不安な旅だ。
成田発、19時半と予定だった。だが、ついてみると、飛行機が3時間半遅れ。向こうにつくのは、真夜中すぎになる。こんなことあるの????
その場でキャンセルして帰ってきたかったけど、なんとか出発。それなりに楽しんで、23日に帰国の途に。
だが、今度は帰りの成田エクスプレスが、総武線の事故で遅れた。止まったまま一時間近くも閉じこめられるハメに。
あーあ。なんてこう予定がずれるのだろう。
どうも、わたしの8月はついていない様子。予定どおりにことが進まない。
佐藤さとる先生の講演会も都合で行けなくなってしまい、みんなにも先生方にも会えなかった。その後も楽しみにしたいた予定も、腰痛で次々にキャンセル。とにかくトホホだ(>_<)
いろんなことが、スムーズにいかない。

でも、きっとこの暑さが終われば、いいことがある気がする。腰痛も回復してきたし、でかけなかったせいで、たくさん漫画を読めた。
それになにより、ついてないことの次は、ついてることがあるはずだから!

2007年8月14日(火)
暑い!暑い!暑い!

すごい暑さだ。街全体がくた〜〜としてみえる。
ああ、何もしたくないのに、こんな時ほど身の回りが忙しい。(仕事ではなくて)
ばたばた動いていたら、また、腰痛がでた。
これはいけないと、最後の切り札、整骨院へ。整体を受けにいった
「骨盤、ゆがんでます。足の長さ、ちがってますよ?」
「えええ??」
思ってもいなかったことをいわれた。自分では、まっすぐなつもりだったから。
ショック!
でも、驚いている間に、ぐぎがぎと体をひねられる。
「力をぬいて」
何度も注意される。力をぬくって、むずかしい。
終わってみると、
はぁーーすっきり。しゃっきりと背骨がのびた感じがする。

けだるいのは、副作用で2,3,日で直るといわれた。

家にかえって、家族に、骨盤がゆがんでいたらしいと報告。
「ついでに、性格のゆがみを直してもらったら」
家人がいう。
どい。

そんなことができるなら、まっさきに朝青龍がさせられるだろう。
ちなみに、わたしは、朝青龍は応援している。
へそまがりな横綱がいたって、いいじゃない。
みんな品格がいいって、なんだかうさんくさいもの。

2007年8月1日(水)
おばちゃまと思い込み
先日、中央線で厚化粧のおばちゃま軍団と出会った。中央線は、特快という駅をとばして走る電車と、快速という各駅停車の電車がまじって走っている。わたしが軍団と出会ったのは、特快の中だ。
「あれ、なんだか、ずっと駅にとまらないよね。これ、もしかして特快じゃないの?」
 と、おばちゃまのひとりがいう。そばで聞いてしまったわたしは、「うんうん、そうだよ」と、心の中でうなずく。
 なのにだ。
「快速よ。さっき吉祥寺に止まったもの」
「うん、止まった」
「わたしも見た。だから、だいじょうぶよ」
 なんと、止まりもしなかった駅に止まったと言い張りだしたのだ。それも複数で。
 わたしは、よせばいいのに、親切心をだして、
「特快ですよ。次は国分寺まで止まりません」
 と、口をはさんでしまった。すぐに、軍団みんなにぎろっとにらまれた。
「快速よ。吉祥寺に止まったもの」
 またしても強固に言い張る。本当に自信たっぷりなのだ。あの自信はどこからくるのか……。
 不安になりやすいわたしは、わけてほしいと思うくらい。 
 電車は、そのままおばちゃま軍団が止まる武蔵境駅を通り越し、他の駅もいくつも通りこし、わたしが降りる国分寺へ。
「あら、特快だったわ」 
 不愉快そうにいって、おばちゃま軍団は電車を降りる。そのまま、迷うことなく向かいに停車していた高尾行きの電車へ。武蔵境とは反対方向なのにも気づかずに乗り込んでいく。
 わたしも、再び教えてあげるほど、人がよくない。だから、笑いをこらえながら、その場をち去った。
 おばちゃまの一人として、思い込みには気をつけようと思いながら。
2007年7月29日(日)
真夏のお花見
浴衣姿の人が目につくこの頃。梅雨明け宣言も、まだでてないのに、夏まっさかりだ。

今日は、町田までお花見にいった。薬師池公園のハス田でハスの花が見頃と聞いたからだ。ここのは大賀ハス(別名古代ハス)。葉のたけが、わたしの背の高さほどある。その合間にピンクのきれいな花がちらりちらりと咲いている。
 大賀ハスは、1951年に2000余年も昔のハスの実三個を発掘し、そのうちひとつだけ発芽に成功したもの。今は、株わけでふえている。発掘した実から発芽するなんて、植物のすごい生命力を感じる。今日は朝は晴天。たくさんの日曜カメラマンがカメラを向けていた。
町田は、たくさんの自然が残っていて、やさしい街。公園でも、障害者の方がたくさん働いていた。

もうひとつ夜もお花見した。カラスウリの花。白い糸のような花びらをひろげてとてもきれい。ただし、夜しか開かない。この写真は昨日の夜7半頃とってものだ。家の近くの雑木林の柵にたくさん咲いていた。とても神秘的。
この花、昼間、見るとしぼんだオシロイ花のようで全然目立たない。夜になって華麗に開いて変身するのだ。
この花の存在を、わたしはついこの間まで知らなかった。花を見る目が全くなかったから。草木を見る目が育つと、身近でひっそり咲いていた花たちが生き生きと目に飛び込んでくるようになる。
これは、今年から始めた自然観察散歩の成果。まだまだ、知らないことだらけだけど、知らないからこそ、おもしろいのだ!! 

上はカラスウリ
下が町田の大賀ハス
2007年7月22日(日)
夏休み

梅雨も明けず、しとしと雨の毎日だが、どうやら、世間は夏休みにはいったようだ。
子どもたちが、元気に自転車をのりまわしていたり、スーパーの中をかけまわったりしている。

今年も「おはなしエンジェル子ども創作コンクール」の選考をさせてもらうことになった。
今年からは、公文教育研究会も主催に加わったので、前よりも大がかりにおこなうらしい。
子どもたちの楽しい創作に出会えるのが毎年楽しみ。
おしえられることがいっぱいある。
関心がある方、どうぞチャレンジを!
ひと夏の思い出にもなるかも。

くわしくは、おはなしエンジェル子ども創作コンクール」を見てね。よろしく。

2007年7月17日(火)
ももたろう27号制作中

台風、地震と災害のニュースがかけぬけた連休だった。
被災地の方々の様子をみると、心が痛む。昔、娘の家庭教師をしていた子が、新潟地震のボランティアに向かうから休みますとカッコよくいったいたことを思いだす。
なかなか思うだけで、体が動かないわたし。とにもかくにも、早く復興することを祈りたい。

話は変わって、同人誌ももたろうは、今、27号へ向けて、がんばっている所だ。
すでに一度目の締め切りはすぎて、今は、お互い校正をしあっている所。そのあと8月の第2回の締め切りをへて、割付後、印刷所(緑陽社)へ。
出るのは、秋だが、みんな今からがんばっている。

ももたろうのメンバーは、そろいもそろって、おっとしりた、おだやかな人ばかり(わたしもよ!?)
第一線でめまぐるしく仕事をしていたり、PTAにかりだされたり、家庭の事情をかかえていたり、それぞれが忙しい事情や悩みをかかえている。でも、時間がとれない中でも、書き続けている。みんな本当にかくことが好きなんだなって思う。

同人誌をやってると、めんどくさい作業もある。
長くやってる人は、一度や二度、やめちゃおうかなって思ったこともあるだろう。
だだ、商業出版は、売れる売れないで判断される世界。そういう仕事をすると、自由であたたかい同人誌の存在がとても大切に思える。ここなら、なんでもかける、受け入れてもらえる、そういう場所って、実は、なかんかないんだよね。

同人誌ももたろうは、鬼ヶ島通信のももたろうコーナーの入選者で構成されている。
今は女性ばかり11名。男の人を嫌っているわけではないのだが、童話をかくのは女性が多いのだろう。
今後、どんな新しい風がももたろうにふいてくるか、楽しみだし、考えるとわくわくする。
9月の終わりにでる、ももたろう27号をよろしく

2007年7月10日(火)
蜘蛛の世界

今日は、虫好きの西沢杏子さんと、新海栄一写真展「美しいクモの世界U」を見てきた。
新海栄一さんは、国分寺市の市議会議員でもあるが、世界的な蜘蛛の研究者。今回、「日本のクモ」という事典を出版されるにあたって、地元国分寺で小さな写真展が開かれた。
幸運にもご本人がいらっしゃったので、写真の説明がきけた。
クモは、海をこえることがあるとか、糸の張り方の順番とか、めずらしい生態の知識が次々とでてきた。わたしは、けっして蜘蛛好きではないが、聞き入ってしまった。
どんな質問にも、少年のように目をきらきらさせて答えてくれる新海さん、かなりステキです。
展覧会は、国分寺のギャラリー画童で7月17日まで。

同行した西沢さんは、今、朝日小学生新聞に『青い一角の竜王』を連載中。
椎野木理子の友だちが、竜尾神社で揺らぎ石の物語を調べる帰り道、事故にあってしまう。
これって、もしかして警告???という出だし。かなり興味をそそられる。

さて、これからどうなっていくのか?
毎朝、新聞を開くのが楽しみだ
。連載は、9月末まで毎日続く。

2007年7月7日(土)
10年

今日は、曇りのたなばた。
彦星と織り姫は、出会っているかな?

新刊「わらいボール」の見本を受け取ったので、トップページに表紙画像をアップ。
あれ? ひさしぶりなので、やり方を忘れてる。

ずっと、日記のページばかりで他を更新したなかった
新刊本の名前を加えてかいていたら、ちょうどデビュー10年目だと気づく。

最初の本、「おとなりは魔女」も、10年前の夏休み前にだしてもらったのだ。

うれしくて、本屋に並んでいるか、何度も確かめにいった。
近所の本屋にたのんで置いてもらったのだが、売れ残ってるのが申し訳なくなり、子どもにたのんで、買ってきてもらった
「へんなの」子供はあきれていたけど、まだ、小学生だったので、言うことを聞いてくれた。
今だったら、絶対にやってくれない。
そんなこんなを、ついこないだのことのように覚えている。

あれから、あっという間だった。
子育てに奮闘し、家の仕事も手伝って、PTAの委員もし、いろいろ走り回ってた気がする。

書くことを通しての知り合いもずいぶん増え、わたしの世界も広がった。
どの作品も楽しんで書いた。

なのに、書いていていいんだろうかという、心細さと不安が、未だに私の中にある。

あと、10年たったら、どんな気持ちになるだろう。
その時まで、書いているのだろうか。
なんとか、そうありたいと思う。希望をこめて。

新刊は、7月半ば頃、本屋に並ぶ予定。

2007年7月2日(月)
赤い鳥文学賞

小雨がふる飯田橋の坂を登り、赤い鳥文学賞の授賞式にいってきた。
『本朝奇談 天狗童子』で佐藤さとる先生の授賞とあって、「ももたろう」のわたしにも声をかけてもらえた。
会場は編集者、関係者でいっぱい。松谷みよ子先生を始め、児童文学で功績を残されている方がずらりと顔をそろえている。
授賞式は、松谷先生のあいさつで始まった。
選考結果などが報告された後、松谷先生より賞状がわたされる。
会の後半、少し照れくさそうに壇上で話された佐藤さとる先生のスピーチがとてもよく、心にしみじみと残った。

赤い鳥ならではという、作家から編集者に花束をわたす光景も、しっかりと見させてもらった。
この作品は、とくに編集者の熱意があって、形になったといわれているだけあって、会場から大きな拍手がおこっていた。

その後、会場の懇親会をへて、2次会から、流れて3次会へ。
その頃には、飲みっぱなしなので、みなさん、かなりできあがっている。
児童文学界では大御所の作家Yさんが、「過去の作品のことなんて、ほめるな。これから、もっとすごいのを書くんだから」と語気を強くして、話されていた。

すごい。作家魂とでもいうのだろうか。
わたしは、ただ、ただ、目が丸くして聞いているばかり。
何本目かのおいしいワインをのみほした所で、おひらきになった。
集まった人、だれもが佐藤先生の心からのファンで、尊敬しているのが自然に伝わってきて、とても気持ちのいいお祝いの会だった。
佐藤先生は、本当に、おめでとうございます。

帰り道、JR中央線の窓からのながめが変わっていた。
高架の工事が下り線だけ終わったからだ。

見なれない景色に、乗客はみなきょろきょろ。
まだ、景色に慣れず、落ち着かない感じだった。

2007年6月29日(金)
ふと、思う

ひさびさ、DVDをかりにいった。
見たいのがたくさんあった。この映画もあの映画も見逃したものだ。もうDVDになっている。340円で見られるんだ。
どれにしようかな。ぐるっと回ってから決めよう。
そんなふうにお店の中を一回り。まだ、決められなくて二回り。
結局、三回、まわっても決められなかった。
どれも、見たい気がしたけれども、どれも、それほど見たくない気になったんだ。
へんな感じだけど、本当のこと。
多すぎるのだ。このDVDもあのDVDも、見て見てってこっちを働きかけてる気がして、お腹いっぱいって感じになってしまった。

ふと、最初にみた映画のことを思いだした。中学生だった。
マークレスターの「小さな恋のメロディ」
浦和の駅前の古びた小さな映画館。初めて友だち同士で、ドキドキしながら、スクリーンをながめたっけ。

映画館は空気が悪くて、湿気った匂いがたちこめていた。でも、映画が始まったら、別世界に連れていかれた気がした。

それから、よく映画に行った。
オリビア・ハッセーの「ロミオとジュリエット」を見て、「ある愛の詩」や「サウンド・オブ・サイレンス」を見たっけ。
やだ!恋愛映画ばっかり。そんなことばかり、考えていたのかな。あの頃は!

あれから、いくつ映画を見ただろう。
映画館は、格段にきれいになったし、映画だって、CGをつかったり、ストーリーをひねったり、おもしろくなっている。
でも、最近は映画がありすぎて、ひとつひとつの感動がうすまってしまってる気がする。

結局、今日はおすすめと書いてあった「7月24日通りのクリスマス」を借りた。
アイロンをかけながら一気に見た。すごくおもしろかった。
大当たりだ。
恋してるヒロインの気分になって、ドキドキしたり、しょんぼりしたり。
わずかだけどまだ、中学生のわたしが、わたしの中に残っている…・・・かな?(^_^;)

2007年6月22日(金)
呼び込みは、「きれいなおねえさん」

築地にいった。おいしいお寿司を食べようと、おかあさん仲間7人で集まった。
築地は、初めて。早く店がしまるというので、いつもよりも早めに集まる。

目当てのお寿司屋、「大和」は、場内市場にあり、いつも1時間待ちの人気だという。だが、今日は、あいにくの雨のおかげで、30分も待たずにはいれる。せまいカウンターにぎゅうぎゅうとすわる。
けど、おいしい。本まぐろがジュウシーで、築地まできたかいがあったと、みんなニコニコ。

さて、お腹がいっぱいになった後は、場外市場で買い物。かつぶし屋さんから厚焼き卵焼きから、たくさんのお店が並ぶ。
元気のいい呼び込みが飛び交った。これが笑っちゃう。
「そこのきれいなおねえさん、買っていって」
「きれいな奥様たち、みてってよ」

必ず、きれいながつくのだ。だれでもかまわず、きれいな○○。
そして、また、そう呼びかけられると、奥様方、みんな足を止めちゃうんだよね。これが!
わたしだって、買うつもりもないのに、気がつけば、まぐろに卵焼き、かつおぶしに韓国のり。珍味だというまぐろのほっぺの煮込みまで買って山ほど荷物。
その日、家人は、出張、息子のコーラも残業と食べる人もいないのに、この始末。あらら・・・・・・。

今回のメンバーは、娘のラムネが小一だった時のおかあさん仲間。気がつけば長いつきあい。
しわも増え、あっちが痛い、こっちが悪いと病気をしたり、いろいろ悩みをかかえつつも気力は元気、元気、元気!!

おばさんパワーと築地の商売人パワーをたっぷり感じた一日だった。

2007年6月20日(水)
お知らせ

来月初、新刊がでるはこびになった。
あかね書房から『わらいボール』 絵 岡本順。幼年童話だ。
岡本順さんが、とてもていねいに、細かく絵を書いてくれた。
お話の中で、これは絵にするのはむずかしいなっと思う所も、ちゃんと描けている。

今、学校がさまざまな問題を抱えてiるみたいだが、子どもたちが学校でもっともっと笑ってもらいたいなと思いながら書いた。
興味がある方は、あかね書房のHPをチェックしてね。
よろしく(*^_^*)

2007年6月13日(水)
ムサビと絵本展

梅雨になる前に、一度、玉川上水の散歩道を歩こうと決めていた。新緑が気持ちいい頃だから。でも、なかなか時間がとれない。
しかし、気持ちが通じたのか梅雨が待ってくれた。おかげで、実現した。ついでに武蔵野美術大学でやっている『ムサビと絵本』という展覧会にいってきた。

美術大学は女子学生が多い。男子も、どこか線の細く、独特な自由な雰囲気を身にまとっている。そんな学生にまじり、校門をくぐる。
今回の展覧会は、ムサビ出身の絵本作家の作品を集めたそうだ。
これがとても多い。佐野洋子、井上洋介、片山健、出久根育、和歌山静子、長谷川集平、どの方も一線で活躍してる人ばかり。
今回、原画はなかったが、他に梶山俊夫、川端誠、今、話題のリリーフランキーなどもいるそうだ。

長谷川集平の作品が面白かった。『はせがわくん きらいや』も原画が展示されていた。きらいや、きらいやっていいながら、ホロッとする。ひさしぶりにみても、さすがだなって思った。
他に『、パイルドライバー』という作品も面白かった。最新作の『ホームランを打ったことのない君に』は、画面で見れる形になっていた。パソコンで書く人が増えると、原画展もそんな風にかわってくるのかもしれない。

この展覧会は、7月1日まで。無料。
6月30日は、長谷川集平のトークイベントもあるそうだ。

玉川上水散歩道は、今、ムラサキシキブが、小さな花をたくさん咲かせていた。この道を、かつて、美大生だった長谷川集平も、片山健も通ったのだなっと、そんなことをなんとなく思って歩いた。

2007年6月9日(土)
渋谷で

シアターコクーンでコクーン歌舞伎「三人吉三」をみにいった。
中村勘三郎、橋の助、笹野高史など、テレビでもおなじみの役者が名演技。
串田和美の演出もさすがにきれい。会場にも雪がふり、夏なのに、寒々とさえ感じられた。

帰り道、近くの大型本屋 ブック1stへ。文芸書の新刊で、山本文緒の新刊「再婚日記」を見つける。山本文美緒は、すごくひさしぶりなので、ペラペラとめくってみて驚いた。
鬱で闘病していたという。作品が好きだったから、ショックだった。本も売れて、評価もされ、ステキな王子さまともめぐりあって、なのに、心は病んでしまうんだ。
心ってむずかしい。
わたしの周りにも、バランスをくずしている人もいて、他人事ではない感じ。
「あーあ。あんまりがんばって書かなくてもいいのかな」
つぶやいたら、家人が
「それは、人によるんじゃない」
だって。
暗に、おまえはもっとがんばったほうがいいよってことみたい。そうかもしれない。
ちょっと遊びすぎの今日この頃。

帰り道、井の頭線に乗ったら、線路の脇、色とりどりのあじさいがきれいだった。

2007年6月4日(金)
新釈 走れメロス

週末はすごく笑える本を読んだ。
『新釈 走れメロス』他4篇 森見登美彦 詳伝社
太宰治の名作、教科書にも載ってるあの作品のオマージュ。
これが、すごい。大笑いの作品だ。
太宰のメロスは、必死に約束を守ろうとする。でも、森見は、約束を絶対に守らないとがんばる。約束を守る守らないを超えた友情が存在するといっているのだ。
舞台は、京都の大学。詭弁部に属するへんな大学生ふたりがでてくる。
詭弁部の危機に、ひとりが立ち上がるが、図書館警察につかまってしまう。
詭弁で明日もどるといってその場をにげるが、人質として、友人の名をあげる。
明日までもどらないと、その友人は、とーても恥ずかしいことをしないといけないのだ。
そのふたりの約束がべース。
でも、このふたり。互いを全然信じてない。「あいつは、こないよ」と聞かされて、図書館警察は怒り、それでは困ると、必至に約束を守らせようと『自転車にこやか整理軍』という組織をつかい、つれもどそうとする。だが、つかまってたまるかと、男は、京都の町を逃げ回る。約束から逃げ回る。
つまり、ふたりは、信頼をしないという信頼、友情にみえない友情で結ばれているというのだ。

ここまで変えてしまっていいの?という驚きとともに、その奇抜さにあぜんとし、あきれながらも、ページをめくってしまう。そして、読後感は、笑いだけに終わらず、ちょっぴり友情も考えてしまう。
約束を超えた友情もいいなって感じに。

他に山月記、藪の中、桜の森の満開の下、百物語などのオマーjジュも読める。

もうひとつ、おかしな本を読んだ。小説「こちら葛飾区亀有公園前派出所」
こち亀のオムニバス。これは、とても売れているらしい。
両さんずきの息子がかってきて、読んでみたらとくれたもの。
大沢在昌 石田衣良 今野敏 芝田よしき 京極夏彦 逢坂剛 東野圭吾 そうそうたる作家が、両さんを主人公に短編をかいてる。
各自の個性がでていて楽しめる。ちなみに、京極さんは、うんちくたっぷり。
で、おもしろかったのは、ラストの東野圭吾。「めざせ乱歩賞!」だ。
両さんが、賞金につられ、乱歩賞をめざす。まず、つかまっている囚人を脅し、ネタをしいれる。そして、下読みの人と中川に手伝ってもらい、一晩で作品をしあげる。
でも、おもしろいのは、それから。
一次選考の人がおとそうとすると、どこからともなく両さんがあらわれ、なんで落とすのだとすごむ。理由をいうと、書き直すからまってくれとその場で書き直し、無理矢理通してもらう。その手で、二次選考、三次選考も突破。そうして、最終選考へ、。
はたして両さんは。その理由は……。
その先までかくと、ネタばれになるからやめておくが、落語でいえばオチのきいてるラスト。両さんらしく、また、書き手、選考の本音もでていて、笑えることまちがいない。
東野圭吾って、笑わすこともできるし、社会派ネタもこなすし、すごいなーー。
まっ、すごいといえば、こち亀の両さんもだ。両さんのキャラあっての作品群だから(*^_^*)

2007年5月31日(木)
おめでとうの続き

佐藤さとる先生の『本朝奇談 天狗童子』が、赤い鳥文学賞を受賞された。挿絵の村上豊氏も、挿絵賞でダブル受賞とのこと。すばらしい!!
この作品は、同人誌『鬼ヶ島通信』に連載してたものを、時がたってから手直ししたそうだ。この作品を出版したいという、担当編集者の熱意も忘れてはいけないと思う。

佐藤さとる先生は、口数の少ない方。ももたろうの創刊の時、アドバイスしてくれたのは、短く「書き続けなさい」とだけ。あの時は、あっさりしすぎてると思ったが、その言葉の重みが、今、とてもよくわかる。

読んで 読んで 読んで、書いて 書いて 書いて・・・・・・・。
結局、作家ってこれに要約されるのだろう。
志を高くもちながら。

2007年5月28日(月)
いろいろ おめでとう

友人の安東みきえさんが本をだした。
『頭のうちどころが悪かった熊の話』理論社、絵・下和田サチヨと、『夕暮れのマグノリア』講談社だ。
頭の〜は、読売新聞で小泉今日子が書評をかいたことで、話題になり、めざましテレビにもでる人気ぶり。絵の下和田サチヨさんの、遊び心ある独特のおもしろいタッチも話をうまくひきたてている。
『夕暮れのマグノリア』は、中学生の灯子の淡く不思議な体験が6話。世界は見えているものだけでできているのではないんだと、静かにやさしく語っている。マグノリアというのはモクレンのこと。舞台は、どれも夕暮れ。光と闇がまざる時間だ。、
どちらの作品も、言葉ひとつひとつを大切に積み上げていったような繊細な話だ。
安東さんが、真摯に書いていく日々をしってるだけに、いい形になって、出版されてよかったと思う。
素顔は、意外にひょうきんでお酒も好きな楽しい人だ


もうひとつ、詩人の高木あきこさんの詩集『どこか いいところ』が、産経児童文化出版 産経新聞社賞をとられた。
高木さんは、子供のまなざしをもっている方。
この詩集もいただいて読んでいたが、どれも言葉に豊かなひろがりとユーモアがあって、素晴らしいと思っていた。

わたしが知っている高木さんは、とても穏やかで謙虚で、人が沢山いると後ろに隠れてしまうような方だ。
でも、芯をしっかりもっているから、あんな世界がかけるのだろう。
本をだした数や売れ行きばかりを競ったり、自分を売り込むことばかりに熱心な作家が増えている中、高木さんのように、静かで、でも、本当の実力がある方に光りがあたるのは、とても喜ばしい。
殺伐とした事件が多い現代を生きる小中学生にこそ、たくさん高木さんの詩を読んでもらいたいな。

2007年5月23日(水)
高尾山

快晴の青空の下、高尾山にのぼった。
この春にはいった自然散歩のグループの活動としてだ。
ケーブルにのらず、バスで日影林道を歩く道。これが木陰が多く、花も多く、とても歩きやすい。
高尾山のおすすめコースだ。
気持ちがすっきりすることがしたくて、思いたって入ったのだけど、これが楽しくてしかたない。
いろんな花の名をおぼえた。
ネコノメソウ フタリシズカ ホウチャクソウ ミミガタテンナンショウ・・・・・・
ホウの木の花の大きさに驚き、鳥の声に耳をかたむけ、新鮮な空気をいっぱいすってきた。

今は、ウツギの花がきれいだった。ヤマボウシも満開。
高尾山は、自然の宝庫。ここにしかないタカオスミレというめずらしいスミレもあるそうだ。


野の花は、ほんとうにひっそりと飾らずに咲いていた。
その姿を見ていると、いい文章をかきたいと背伸びしている自分が卑しく思えてきた。なんて欲張りなんだろう。
きっと花が話せたら、笑うだろう。どうして無理するの? そのままでいいのにって。
そうだ。うまく書こうと思うことはおこがましい。
もっと心をフラットにして、主人公によりそうようにするのが作家なのかもしれない。
主人公をせいいっぱいひきたてる・・・・・作家は、その物語の僕であって、支配者になってはいけないのかも。
わたしは、どうしてもあくせくしてしまう。
これからも、野や山を歩くつもり。
次はどんな花と出会うのか、いまから楽しみだ。

2007年5月17日(木)
びっくり!

朝、娘のラムネから電話。
はしかで学校が休講になったという。それも、一週間。ラムネは楽しそうに北浦和でやっている藤澤龍彦展にいくと喜んでいる。
へえーと思った。
はしかがこんなに流行るとは。
みんな子供の頃、やらなかったのかな。そうそう、予防接種をしたんだ。あの、予防接種、大人になったらきかないのね。
予防接種の副作用とか、問題になった頃だったっけ。

ラムネの学校だけでなく、他の大学も休講の所が多いという。大人になったからのはしかは、きついっていうものね。
みなさん、気をつけましょう。

2007年5月12日(土)
神田山陽の講談

府中の森芸術劇場まで落語を聞きに行った。
今日は、若手、それも四協会からそれぞれいきおいがある人気者がせいぞろい。
それだけに、とてもおもしろかった。みんなライバル同士。お互い、意識してはりあったりもしたのかな。
どの人も、楽しめたが、中でも、神田山陽の新作講談がおもしろかった。
台所のすみのいらなくなったものがしまわれる道具箱。そこにいれられた道具たちのぼやきをテンポよくおもしろく聞かせてくれた。
レモンしぼり機、チーズ切り、いちごのへた取り機、そんな買われたのに満足につかわれずにしまわれた物たちが、たがいになぐさめあうのだ。
どれも、おなじみの物ばかりで、心あたりがあるから、よけいにおもしろい。
同じものをニ個かってきて、入れられたりとか。
そう、そう、と大笑いして、ちょっとしんみり。
物が豊かになりすぎているよね、なんて考えたりもする。
とにかく迫力満点。講談師は、今、日本に47名しかいなくて、イリオモテヤマネコよりも貴重なんだとか。
以前、講談師と行くハトバスツアーというのにのったら、この神田山陽さんでいろいろ説明をしてくれた。その時はさほど有名ではなかったけど、歴史の知識の豊富さはすごかった。かなり勉強してるようで博学ぶりをおもしろく披露してくれた。。
それから、数年。テレビにでだして、今の活躍。これからのもっともっとあばれまわってくれるだろう


帰り道、本屋によって児童書売り場をのぞいた。
おかあさんと子供がバトルしていた。
子供「これがほしい」
母「ゾロリばかりやめなさい。こっちは?」
子供「やだ。これじゃなきゃ、やだ」
母「ゾロリは、うちにいくつもあるでしょ」
子供「でも、これはないよ」
しばし、にらみあう。
母「はぁ、しかたないわね」
母親は、しぶしぶゾロリをもってレジへ。
ああ、おそるべし怪傑ゾロリの人気。
でもね。栄養もいろいろとったほうがいいように、本だって、いろんな種類を読んだほうがいいと思うよ。まあ、そんなこと思うの、大人になってからだけどね。

2007年5月10日(木)
おめでとうございます

鬼ヶ島同人の柏葉幸子さんが、『牡丹さんの不思議な毎日』で産経児童出版文化賞・大賞を授賞された。すごい。さすが。
わたしも大好きな本で、いいものが、ちゃんと認められることはうれしい。
柏葉さんは、おおらかで、明るくて、それでいて繊細で、あったかい。そんな人柄が行間にさりげなくにじみでている作品だった。このさりげないっていうのがポイント。肩の力をぬかないと、なかなかこうはいきません。

それにしても、同人誌鬼ヶ通信はすごい。
連載した作品が次々と授賞する。こんな同人誌、他にないんじゃないかな。

2007年5月8日(火)
連休疲れ

ゴールデンウイークも終わってしまった。
遊びまくった感じだった。
高尾山に登り、人がいない所に行きたいという家人と瀬戸内海の島に行き、最後に近所の友人とカラオケまでした。
それで、ぐったり。
そろそろ頭を切り換えなきゃと思ってるけど、一度きれたスイッチはなかなかはいってくれなーい。
あー、また、旅行に行きたいなと、頭はポヤポヤ。

その間にも本は読んだ。おもしろかったのは『鹿男あおによし』万城目学。奈良に赴任した先生が鹿に話しかけられて、運び屋をまかされるはめになる話だ。
奇想天外でありながら、奈良の地理はちゃんとおさえてあるし、歴史のうんちくもさりげなくはいっている。
テンポよく描写よくユーモアーがあって、さすが今のっている作家だと感心した。

カラオケで飲んだ時、主婦仲間から、「赤羽さんは、携帯小説とか、かかないの?」って軽く聞かれる。うーん。みんな売れてる所に目がいくんだね。
聞いてみると、わりと読んでいるらしくて、びっくりした。楽に読めるから気晴らしにいいという。
どんどん活字の世界が変化していく予感。これから、どうなっていくのだろう……。
やけにビールがにがく思えた。

2007年4月30日(月)
いきおいで、お財布ケータイ

ゴールデンウイークを祝うような青空。おでかけびより。
たまったポイントで、ケータイを買いかえようとでかけた。ねらいはゴールデンウイーク特価。
ビックカメラは、すごい人、人、人であふれるよう。みんな電機製品、好きなんだね。
ケータイを見てると、ミニスカのお姉さんがよってきて、流ちょうに説明してくれる。かわいい。吸い込まれそうな瞳。一番安いのでいいと思ってたのに、なぜか、魔法にかかったように最新機種を手にしてしまっている。
さすが、プロだね。というか、わたしが意志薄弱?
それにしてもケータイの進化はすごい。
前に買った時から2年しかたってないのに、機能がすごく増えている。
まず、待ち受けにその日の天気予報が表示され、ニュースもながれる。
音楽も聴ければ、FMラジオも聞ける。
本も読めるし、登録すれば、落語や漫才も聞ける。
もちろん、カメラ機能もばっちり。201万画素。初めて買った時のデジカメもこのくらいだったからわたしには十分。
そして、チャージしておけばお財布としても使える。スイカとしても使えるらしい。
すごい、すごい。これこそ、子供の頃思い描いた未来の生活!
ただし、充電がきれると、そのどれもが使えない。三分しかもたないウルトラマンを思いだす。うっかりの私にはそこがネック。便利には必ず落とし穴が用意されてるんだよね。そうじゃないと、推理小説も、成り立たないし、おもしろくならない。
ウーン。でも、スイカとして使って電車にのって、充電がきれたらと思うと、ちょっと、ねぇ。

帰ってさっそく、うきうきとケータイで遊ぶ。
占いもあった。40分後の運勢がみれるだって。
なんだろうとやってみる。40分後、人間関係が絶好調とです。出会いにも期待大だって。えー? 家にいるつもりだったけど、ちょっとでかけてみようかと思う。
さっそくケータイにふりまわされているわたし……しばらくたいくつしなそうだ。

2007年4月29日(日)
町田とおぼまこと展

娘のラムネと、寮に近い町田の街に行った。
にぎやかだった。若々しい街。デパート、駅ビル、カラオケのビル、ブックオフのビル、雑居ビルが立ち並ぶ中、個性的な店もちらほらとある。
仲店通りがおもしろい。石屋なんて、石ばかり売ってる店や、コロッケサンド(コロッケの中に卵がサンドしてある)がある総菜屋や、だれが着るのかわからない個性的な服の店があったりする。
その中を特大クレープを食べながら、駅から7分の市民文学館に。
ちょうど企画展でおぼまことの世界をやっていた。おぼまことのたくさんの絵本とともに、数点、大きな作品も。大きな絵は、趣味で好きで描いたといってるだけあり、独創的で無国籍でイメージが自由に広がり、遊び心がいきていて、見ていて楽しかった。おぼまこと本人もいらして、ニコニコと絵の説明をしてくれていた。ご病気が心配されていただけに、お元気そうな様子がうれしかった。
市民文学館は、その他にも、町田の文学者の本を、たくさん展示、紹介していた。
規模は小さいが、心配りがいきとどいていて、居心地のいい空間になっている。
そこをでて、さらに歩いて坂をくだると、気持ちのいい公園があり、町田市立国際版画美術館があった。立派な美術館で、人が少なく、のんびり鑑賞できた。公園は木々の若葉がうるわしく、花壇の花々もボランティアの手で整備されていて、町田は、文化を育てることに力をいれてるんだなっと思った。
そういえば、世田谷区を歩いた時も、同じようなことを感じだ。世田谷も、美術館、文学館をもっている。
財政に余裕があるからできるのか、心に余裕があるからできるのか。

楽しかったねと娘と別れて、帰ってきて、車の中で携帯の音。あれれ? ラムネの携帯。また忘れ物!
あらら・・・・・・。

2007年4月21日(土)
春爛漫

今年は雨が多い春だ。
この晴れ間をのがすまいと、昭和記念公園に散歩にいった。花々がさきほこっていた。
花を見にいくのは、タイミングがむずかしい。それが、今年は、ちょうどよかった。ナノハナもポピーも今が見頃。色とりどりのチューリップも、まさに一番いい時期で見れた・
秋にはコスモスでいっぱいになるこもれびの丘とよばれる所が、春の花でパッチワークのように飾られていた。
ネモフィラは青くて小さな花。リナリアはピンクの小花。どちらも名前がむずかしくて、中年のおばさんたちは、何度言っても舌をかみそうだとか、覚えきれないとか文句を言いながらながめていた。
忘れなく草とかはすぐに覚えるのに、カタカナだけで意味のない音は本当に覚えられない。さっき見た時には覚えてたのに、帰りには忘れている自分に、もう、苦笑しかでてこない。
それでも、咲き誇っている花々がどこまで広がっている様は、陳腐な表現だか「心が洗われるよう」で、道いく人々は皆、幸せそうに見えた。
大学生のサークルらしきグループも多く、新入生歓迎のイベントらしかった。
そんな中、犬を抱いて歩いている中年夫婦が多いことも発見した。なんと6組もいたのだ。
犬は散歩が好きだというのは、昔の話らしい。ドッグランでも、走っているのは、一部の犬だけで、ぬいぐるみのように飼い主のそばを放れない犬も多数見られた。
人の手で計画的に花を配置させた人口の癒しの公園に、かわいいけど走らない服を着せられた犬たち。なんだか、象徴的な感じがした。

2007年4月17日(火)
真鶴

春の雨が降っている。
急に寒くなった。また、ホットカーペットを暖め、そこに寝ころんで本を読んだ。
タイトルは、『真鶴』 川上弘美だ。図書館で予約して14番目でやっと順番が回ってきた。忙しい時にかぎって、本の順番はやってくる。
メールを見たら、予約していた『夢をあたえる』も、順番がきた。早く、読まなければ!

で、『真鶴』だが、春の雨の日にぴったりの本だった。文章が春の雨のようなのだ。なんだか、あったかいのか、ひんやりしているのか、その両方もちあわせているのか、そんな感じ。熱すぎず、さめてもいず、行間にたっぷり言葉にならない情をふくんでいる。

その小説の中で、中学生の娘を表現する描写があった。
「いつから近いものでは、なくなったのだろう。
遠い よりは、近い。でも、近いよりは、遠いものになってしまった」っと。
ああ、そうだなって思う。この表現、年頃の娘を表現するのにぴったりだと思う。

4月になり、うちのラムネもまた、寮にもどっていった。
この雨の日、あったかくして出かけていっただろうか。ミニスカートで腰を冷やしていないだろうか。
母親としての心配はつきない。でも、電話はしない。友だちとの会話のじゃまになってはいけないと思うから。きっと、うるさがるから。
だから、雨の降る空を見ながら、ただ、思っているだけだ。
近いより、遠く、遠くより近く・・・・・・。

2007年4月14日(土)
鬼&もも 交流会

鬼ヶ島通信の先生と同人誌ももたろうのメンバーの交流会というか飲み会があった。
総勢23名。こんなに集まるのは、本当にひさしぶり。遠く北海道からでてこられた方もいた。
楽しかった。やっぱりここは原点だなって思う。
誘われていった他の会で、「がんばってますね」とかほめられても、なんだか居心地悪くて帰りたくなることもあるのに、ここは、いろんなこと言われても落ち着いていられる。
メンバー、ひとりひとりも、いいおみやげを持ち帰ったようだ。
みなさん、お疲れさま。
また、来年、みんな元気で、笑顔で、集まれますように。

2007年4月13日(金)
ほんとうに、やりたいこと?

娘のラムネも進級。カリキュラムを組むのに悩んでいる様子。「ほんとうにやりたかったことがどうか、わかんなくなっちゃって」という。
わーっと思った。考えすぎないで、まずやってみればいいのにと。
というのも、「ほんとうに やりたいこと」なんて考えすぎると、迷路にはいりこんだみたいになり出られなくなるからだ。
わたしも、そうだから、よくわかる。
ほんとうに書きたいものを書くためには、なんでもいいから書いてみる。その中からわかってくる。それが、10年ちょっと書いて学んだ実感だ。失敗したり、傷ついたりしたければ、見えてこないものもある。
だから、立ち止まらないで、すすんでほしいと思ってしまう。

この悩み、時代がつくりだした迷いかもしれない。
かつて、食べるのに困るような時は、みんなそんなこと思う余裕なんてなかった。
でも、今は、自分探しとマスコミも騒ぎ、好きを仕事にしようと世間もあおりたてる。
そんな中、あまりに多くの情報を享受して、考えこんでしまうと、動けなくなる恐れがある。
まず、やってみよう。やりたいことじゃなくても、きっと心の成長にはつながるはず。
そうだ。自分にも言ってきかせなきゃ。
まず、書こう!  
とりあえず、最後まで。

できばえを考えるのは、その後でも遅くない。

2007年4月11日(水)
地元再発見

国分寺を散歩した。ガイドは、虫好きのNさん。
この地に住んで20年ちょっと。なのに、初めて知ったことばかり。
まず、西国分寺駅のそばにある「姿見の池」。なんと言い伝えがあった。
源平争乱の時、このあたりには、遊女の宿があり、にぎわっていた。その中の夙妻太夫は、板東武者の畠山重忠と恋仲になる。だが、家来のひとりが、この太夫を好きになり、畠山重忠は、戦死しとうそをつく。それをきいた太夫が池に身をなげたという悲しい話。その後、太夫を悲しんで一葉の松が生えてきたという。それで、このあたりには、一葉松というお店があったり、銘菓があったりしたのだと気づく。変わった名だとずっとひっかかっていたことが、やっとわかってすっきりした。。
恋ヶ窪という地名も、そういった所から名付けられたらしい。

リリーフランキーも一時住んでいた国分寺。近くに来ることがあったら、歩いてみてほしい。
姿見の池のあたりは、カワセミが来るということで、カメラの三脚がいくつもたっていた。駅の近くなのに、これまたびっくり。カワセミって、山奥にいく鳥だとばかり思っていたのだ。
みじかであるほど、しらなかったりするものだ。鎌倉とか、ガイドブックがあれば読んだりするのにね。目と鼻の先のことを知らないなんて。
いつも同じ道しか通らない自分をちょっと反省し寄り道は大切だと思った一日だった。
Nさん、ありがとう。

2007年4月4日(水)
上条さなえさん、ドラマ

まだ、パソコンは、どうにか動いている。

児童文学者の上条さなえさんが、講談社から「10歳の放浪記」という本をだされた。
ご自分の幼少の頃の過酷な体験(ホームレス体験)をかかれたとのこと。たちまち重版。とてもうれているらしい。
その本をもとにしたドラマが放映されるそうだ。作者のインタビューもまじえてるという。
BSーハイビジョンで4日22:00ー22:44 6日12:00−12:44 8日8:00−8:44だ。
ちなみに我が家は、BSもハイビジョンもないので、見られない。再放送されるのを、望むばかり。

上条さなえさん、ご主人が退職されて、おそば屋さんを開業されたとのこと。
そのお店も手伝いながら、児童書も精力的に書いている。
のんびり、いつか編集者の目にとまるだのをまっている書き手を、「大名作家」と呼んだとか呼ばないとか。一度、あいさつだけかわしたことがありますが、精力的で迫力がある方だ。
そのおそば屋さん、おそば好きなので行ってみることになっている。虫好きの友人が案内してくれるので。
了解がとれたら、報告記をかく予定、お楽しみに。

それにしてもBSも見られない状態は、ちょっと淋しい。
かつてPTAの委員をやった時、欠席した人には、FAXで決まったことをながすということにしたら、あとで、すごくショックでいじめられたと思ったと言われたことがあった。
中の一人がFAXをもってなかったとのこと。それを恥ずかしくて言い出せなかったそうだ。いじめられたって、オーバーだろうっと思ったけど、本人は、それ以来、ほとんどでてこず。
世の中、人間関係、本当にむずかしいと感じた一瞬だった。
でも、もってないだけであじわう疎外感。たしかにあるものだ。それをどうとるか、どう超えるかに人間性にでるけどね。

2007年4月1日(日)
テクノストレス

パソコンが調子悪い!
立ち上がりがうまくいかず、黒い画面で動かない。ガーンだ。
保証書をひっぱりだしてきた。
まだ、3年しかたっていない。
「買い換える?」
家人はうれしそう。電化製品を買うのが大好きなのだ。さっさと秋葉原にいき、カタログなどもってくる。
でも、わたしは、憂鬱。
だって、この前、パソコンを買い変えた時も大変だったのだ。パソコンってただ買えばいいってものではない。データーを移し替えなければならない。
それから、インターネットの様々な設定。うちは、ルーターをつかっているし、ウィルスバスターの契約もしてる。これを全部やり直すなんて、わたしには、できません!! 考えただけで、重い気分。

ただ、パソコンも完全に壊れたわけではない。機嫌よくうまく起動する時もある。だから、パソコン君の機嫌をみながらおそるおそるスイッチをいれてるという状態。
今、壊れないでおくれ。せめて、この作品ができあがるまで!
これじゃまるで、パソコンに使われているみたい。どっちが主人がわからない。

あーあ。壊れないパソコン! 設定が簡単なパソコン!
早くできてくれないかなーーー満開の桜を見上げ、ビールを飲みながらも、そんなことが頭からはなれいのだ(^_^;)。

2007年3月24日(土)
卒業式

息子の卒業式にいった。大学なのでいかないつもりだったが、今どきの大学生の様子を見たいと、行ってみることにした。
袴の女子が綺麗で華やかで目立っていた。男子もユニークな髪型が多い。
みんな、携帯でたがいの写真をとりあい、式場にはいってとの声にもしたがはない。これじゃ、先生は大変だろう。

式が始まった。祝辞に眠くなる。
今時、二宮金次郎の話をする人がいるとはおもわなかった。なたねを育てて、それで油をつくって本を読んだという
ふわあっと眠くなる。眠気をがまんしてると、となりの人(保護者)がバックをごぞごぞ。
どうしたのか見ると、話に感激して泣いているのだ。
ハンカチでしきりに目をおさえてる。
ヒー、あの話で泣くとは
いろんな人が居るんだな・・・・・・。つくづく思いながら、ひとり、帰ってきた。

卒業はまた、新しい始まりでもある。
もう、息子の卒業式にでることもないんだな。
つまり、わたしの子育ても卒業式だ。
さて、新しい始まりは???

2007年3月20日(火)
春の魔物

迷いやすいたちだ。
いつもいろんなことで迷う。
春はとくにそう。
今、書きたくて、書かなくてはいかなければならない作品が目の前にある。
それなのに、これは、本当にわたしが書くべきものなのか?なんて言葉が心の内にうかぶ。そして、わたしをゆさぶる。
もっと別の、わたしのよさを引き出すタイプの作品をかいたほうがいいんじゃないか。
わたしにかいてほしがっている主人公は、他にいるんじゃないか・・・・・・
こうなると、もう、迷子のようなものだ。
だんだん、書くことなんて、もともと才能がなかったんじゃないかって気にまでなる。別にもっと向いてることがきっとあると思ってしまう。
確定申告の計算もできないし、長時間の立ち仕事もできないくせにだ。

まったく笑ってしまう。

一息ついて、目をとじれて、深呼吸すればわかる。
今、するべきことは、目の前の作品をしあげることで、それを全力ださないと、いい形で次にはすすめないってこと。
でも、迷う。
これは、春のせいもあると思う。
春の日差し。
みずみずしくて、芽生えの息吹があふれてる。新しいことをしたくなるような、そんな誘惑がひめられている。

そう、春は、人の心を惑わす魔物が住んでいる。桜なんて、その魔物の化身。
みんな魔物が美しく化けた姿を見て、お酒を飲んで騒ぐわけだ。
本当、それは春にふさわしい、あやしい狂い方・・・・・・。

作家なんて、おおかれすくなかれ、身の内に魔物をかってるーーーそんなこと時々思う。
だから、魔物が騒ぐのを感じてるうちは、まだ、書けるということだ。ならば、せいぜい魔物と仲良くしたほうがいい。
魔物を元気にさせたほうがいい。
つまり、多いに悩めということか?
たくさんの春の日をあびて。

2007年3月18日(日)
進化する日帰り温泉

夫婦そろって肩こり。
なので、日曜日、近くの日帰り温泉によくいく。
このお風呂、どんどん新しいお店がふえていく。
わたしの住む多摩地域でも、あっという間に両手の指を越すほどの数。
そして、新しい店ができるたびに、お風呂は進化してる。
以前は、露天があり、ジェットバスがあれば新しい感じだった。でも、今は違う。サウナの他にスチームサウナ。ボディケアに岩盤浴く。それから、お手頃のお食事どころに仮眠スペース。
そのくらいなければ、人が集まらないようだ。
人気の温泉は、駐車場がうまって入れなくなることもしばしば。
中年ばかりはいってるわけではない。
子連れがすごく多い。
ギャルもよく見かける。
露天風呂にはいってると、となりのギャルが、「この頃、カレシ冷たくてさぁ」と声だかに話していて、耳がダンボになることもある。

進化するお風呂につれて、わたしもいろいろためしてみてる。
岩盤浴、ゲルマニウム、マッサージ。
でも、わたしの肩こりも目の疲れも、お風呂以上に進化してるみたい。
だから、改善とまでは、なかなかいかないのだ(>_<)。

2007年3月10日(土)
末小吉の春

あまり人には言ってないが、おみくじマニアだ。お参りするのも好きだし、するたびにおみくじを引く。各神社ごとにおみくじの形は違う。明治神宮とか、長野の戸隠神社とか由緒ありそうな所は、吉とか大吉とか書いてなく、ありがたいお言葉だけが記されていたりする。

今日、都会の真ん中、赤坂にある豊川稲荷でおみくじを引いた。そして、驚いた。
末小吉! いろいろ引いたけど、こんなのを引き当てたのは初めて。
おみくじの箱の横に、解説が書いてあった。
一番いいのから、大吉、吉、小吉、半吉、半小吉、末吉、末小吉、凶、という順番だそうだ。つまり、末小吉は、凶のひとつ上。なんて、運が悪い。ブービー賞みたいなもの(ちょっと違う?)
吉にこんなに種類があるとは、全く知らなかった。なので、運が悪いと思いながら、なんだかうれしくなっている。
帰りの電車ですわれなかったのも、自転車置き場で自転車がたおされていたのも、「末小吉だからしょうがない」と納得している。
大吉なのに、なんでついてないのと思うより、末小吉だからしかたないと思えるほうが、すっきりすることもあるようだ。
本当に、ものは思いよう!

豊川稲荷は、早咲きの桜がきれいで、大勢のカメラマンがレンズをむけていた。
花粉、花粉とひきこもっているうちに、世間はもう、春。
そういえば、今日、卒業式の学校も多くあったようだ。

2007年3月1日(木)
花粉がつらい

花粉に対して今年は甘くみていた。去年があまりひどくなかったせいでもある。
でも、けっこう飛んでいる。昨日は、風がつよくて、花粉がたくさん飛んだようで、今朝は、目がうさぎ!
ああ〜まったくなんで毎年こうなんだろう。ヨーグルトもかかさずたべ、花粉にいいというお茶も飲んでいるのに(>_<)

でも、たったひとついいことがある。
今は、失敗しても花粉症のせいにできる。
「ごめんね。花粉症の薬のせいでボケていて」
物忘れや失敗のたびにそうやってごまかしている。炊飯器のスイッチを入れ忘れていて、夕食時、ごはんが炊けてないという時も花粉のせいにしてごまかした。その時は、しかたないとお寿司を食べにいくことになって、かえってラッキー。
こんなことくらいなきゃ、花粉の時期はのりきれない。
ハクション

2007年2月24日(土)
しの笛

今日は、[虫をめでる姫]の西沢杏子さんのお誘いで、しの笛と朗読のつどいというのにでかけた。
しの笛は、小野さゆりさんという若くてとてもかわいい人。
わたしは、西沢さんに教えてもらうまで、しの笛というのを身近に聞いたことがなかった。これがすごくきれいな音色。言葉で表現するのはとてもむずかしいのだが、なんていうか、魂をそっとなぜてくれるような、やわらかで、すきとおった音色なのだ。、気持ちいいひとときを味わえた。さくら変奏曲では春のかおりが流れてくるようだった。
とても小さなコンサート。でも、こういうのもいいな。
小野さゆりさんは、3月24日31日、菜の花いっぱいの浜離宮で演奏されるという。

そこで、西沢さんの新刊をうけとった!!
パンプキン姫をたすけだせ! 草炎社フレッシュ文庫 1,100円
とてもかわいいファンタジー。おかしが大好きな人、おすすめかも。
詩の賞をとられて、新聞のコラムなどでも忙しくても、せっせと書いて形にしている。すごいね。
是非、手にとってみてください。

2007年2月16日(金)
きみまろは、すごい

7人の熟女(?)でランチをした。そのレストラン、おもしろい形の観葉植物の寄せ植えが飾ってあった。だれかひとりが、「あのグリーン、本物かしら?」とポツリ。
本物でしょ? いえ、偽物よと、話題になり、ランチの後、みんなで葉を確かめる。よくできた偽物だった。7人、全員がさわって偽物と確かめた後、ひとりがポツリ。
「おばさんって、なんでもさわって確かめないと、気がすまないって、綾小路きみまろが言ってたけど、本当ね」

その言葉で一同、動きをとめ、一拍おいて苦笑。
だって、レストランには、ビジネスマンらしい男の人、若い女の子、沢山いたけれど、さわっていたのは、わたしたちのグループのみ。
ウーン。きみまろは、日頃、たんねんにおばさんウオッチングしているんだな。だから。妙なリァリティがあって、毒舌でも笑っちゃうんだなっと納得した。

帰り道、デパートの一角、ねこやなぎが生けてあった。やはり、手をのばしさわってみてしまった。やわらかくて、やさしい感触。本物だ。なぜか、すごくほっとする。

2月なのに、暖かいし、春のきざしがあちこちに見える。
花粉も舞い始めてる。ハクション。

2007年2月10日(土)
お話の神様

明け方、家の外でものすごい車の音がして目がさめてしまった。その後、なかなか寝つけない。こうなったら、新しい作品の構想でもねろうと、うつらうつらしつつ考える。
主人公は、孤独でクールなイケメンがいい。それで、こうなって、ああなってと、いつになくストーリーがころがっていく。おもしろいほど。なんだか、すごい作品になりそう.。わくわくして、胸がたかなる。
こんな時、私は思う。今、わたしのそばにお話の神様がいて、わたしの頭に手をあててるのだと。
だから、こんなふうにあれこれ思いつくのだと。この瞬間をのがしてはいけないと、なぜかまじめに思い、起き出してストーブをつけて、鉛筆をにぎる。あらすじだけでも書いてしまおうと。
すると、どうだろう。
さっきまて、頭の中にほわほわと漂っていたはずのストーリーが思いつかない。
あれ?あれれ?
もしかして、夢だったの? そんなはずはない。お話の入り口はよく覚えている。でも、その後、はらはらドキドキのストーリーはなぜか消えてしまっている。明け方見た夢が、断片しか思いだせないように、そのストーリーも断片しか残っていない。
でも、たしかにわたしは感じたんだ。お話の神さまの手の感触を。

一瞬で消えていったストーリーは、ものすごい傑作だった気がしてしまう。だから、わたしは、残った断片だけノートに書き残した。これから、断片をたよりに、ジグゾーパズルをあわせるように、ストーリーを考えだす作業が始まる。なんだ。結局、いつものお話の書き方とかわらない。(^_^;)

それにしても、あの明け方の感触はなんだったんだろう。
夢とうつつの間での、なんとも言い難いふわふわした思考。お話の神様に見つめられていると思った、うぬぼれた満足感。たしかに感じたのに、つかみどころがなく、逃げていってしまったあと、穴があいたような空虚感……。
明け方は、神様が降りてくる不思議な時間なのかもしれない。

2007年2月4日(日)
初恋コレクション

アンソロジー・初恋コレクションの見本ができあがり届いた。10巻目で、本のタイトルは、『出さなかったラブレター』。6編の作品が載っている。わたしは、巻頭で、『うそつきキューピッド』という作品をかいた。
見本をみて、家人がひと言。「おまえ、アンソロジー作家になったの?」 もちろん、そういうつもりはない。単行本もがんばっている(こうご期待?)
が、アンソロジーも、そう悪くないと思っている。今回も石崎洋司や令状ヒロ子、藤真智子など、エンターテイメントで活躍している人気作家とともに載せてもらった。やはり、見劣りしない作品にしないとと思い、気合いをいれるし、短い枚数ながら個性もだしたいと思う。そうやって競ってかいているから、マンガの絵の表紙ながら、内容はけっこう読ませて、おもしろい。気軽に読めるこういう形態の本があると、読書の入り口が身近になると思う。
トップページに表紙を載せた。2月末発売。

2007年1月31日(水)
映画ロケ

わたしの家のそばで映画のロケがあった。
去年ヒットした『always3丁目の夕日』の続編で、お風呂屋さんの前で撮るのだ。この孫の湯というお風呂屋さん、いかにも古い。たぶん、改装などしていないのだろう。
孫の湯の前が友人の家で、スタッフがロケのあいさつに来たことから、わたしはこれを知った。知ったとたん、興味ありそうな友人にメール。その友人がまた友人にメール。たちまち、ひろがっていく。
夕方わたしが行った時は、孫の湯の前は、すごい人だった。スタッフが声をからして、立ち止まらないでと怒鳴っている。それでも、立ち止まる人、人、人。
孫の湯の前は、自動販売機がどかされ、コインランドリーが古い板塀でかくされて、昭和の雰囲気に変わっていた。
たくさんのライトがそんな孫の湯を、照らし出している。
でも、なかなか女優はでてこない。
スタッフの準備が長々と続く。
わたしは友人とともに、そんな現場を見つめる。こんなに多くの人の手で、映画はとられているんだとわかる。
女子高校生の一団が、わたしと友人の前にわりこんできた。
きゃあきゃあと、ハイテンション。
「ねぇ、なんでここでロケなんてすんの?」
「昭和チックだからじゃない?」
「ええ、うちらって、そんなところに住んでるの? それってヤじゃない?」
「いいじゃん。おもしろいよ」
「ださっ。わたしはもっとおしゃれなとこがいい」
そんなこんな話しながらも、携帯でパシャパシャ撮影して、友人にメール。すると、携帯に電話がかかってきて・・・・、と、すごいパワーだ。
結局、その女子高校生たちにおしだされてしまったわたしたちは、すごすごと孫の湯の前の友人の家のベランダへ。すでに、顔見知りの友人が来ている。双眼鏡をかりると、薬師丸、堀北、など女優陣がようやく見えて満足。
ほんのわずかなシーンをとるのに、何度も何度もテストをして、スタッフが動きまわっているんだと感心しつつ、集まった仲間とおしゃべり。みんなちょっと興奮していて、ちょっぴりわくわくする時間だった。
ちなみに、孫の湯は、映画の中では、松ノ湯という名称ででてくるそうだ。
映画が公開されたら、松ノ湯を注目してほしい。

2007年1月28日(日)
はがきの木

ステキな本を読んだ。『おねがいの木 ともだちの実』 ポプラ社
作者のほんだみゆきさんは、この作品で2冊目の新人。

一言でいえば女の子の友情の物語。すごくしっとりとやわらかくふくれんでいる。
ーー
『人間にもしっぽがあればいいのに。そうしたら本当の気持ちがわかるのに・・・・・・。』
ミオとサワコは、仲良しなのに、捨て犬のことで、心をすれちがわせてしまった。そのまま転校していったしまったサワコ。
それを修復していくまでの気持ちをていねいにおっている。
その中でいきているのが、タラヨウの木。別名、はがきの木ともいう。はっぱに字がかけて、はがきみたいに送ることもできるらしい。この木がふたりの友情をつなぐ鍵となる。

読み終わって、じーんとしている中、今度、タラヨウの木をさがしてみようと思った。そして、だれかにはっぱのはがきを送ってみたいとも。
読者をそんな風に揺り動かす、心あたたまるやさしい作品だ。

2007年1月26日(金)
お宅訪問!!

今日は、同人誌ももたろうの仲間で、およばれにでかけた。
なんと、テレビのがんこちゃんがヒット中の末吉暁子先生のお宅。新築したばかりでピカピカだ。
書庫には、おさまらないくらいの本があり、ももたろう一同わあーー。また、広くてきれいなリビングをみてもわああーー。ほんと、あごがはずれてしまうくらい。
その後、先生の手作りに加え、みんなでもちよった様々なお料理をぱくぱく。最後のがんこちゃんケーキまで、たっぷり楽しんだ。
でも、お料理より、新築のお家より、なによりすばらしかったのは、末吉先生のきさくでおだやかなお人柄だ。ももたろうのメンバーの中には、はじめてで緊張されていた方もいたが、明るい先生の話にぐんぐんひきこまれていった。次々だされるたくさんのおもしろい作品の根底には、先生自身のあの人柄の魅力が流れている。それを改めて感じた。
そして、そんな先生をさりげなく(?)アシストしているかんりびとさん。頭の回転の速さにいつもながらびっくり。雨の音が聞こえてきた時、突然、「芥川の羅生門の冒頭は知ってる?」って聞かれたのには、ぎょっとした。みなさん、知ってる??
そんなこんなの先生のご配慮の結果、ももたろうのメンバーのきずなも少し太くなった気がする。
わたしも、同人誌の作品、がんばろうと思いなおすことができた。
こういう所、本当に単純(^_^;)

2007年1月20日(土)
ビリケンギャラリー

鈴木出版の月刊絵本『ぼくがふたり』で、絵をかいてくださったかとうまふみさんの新作絵本原画展が開かれてると聞いていってきた。新作絵本は『たまごのおうさま』という、とってもユニークな絵本。たまごのおうさまが世界中をつるつるにする「つるつる大作戦」をおこなうといのをきいてしまったユカちゃん。さて、どうする?? というもの。
原画展の開催場所は、青山のビリケンギャラリー。骨董通りからちょっと入った所にあるという。
小雨まじりの中、表参道駅をおりて、ひとり、ひょこひょこ歩いてさがした。この辺り、かつてかよった大学が近くなので、昔はよく歩いたはず。でも、まばゆいビルの街に変身していて、知らない街のよう。☆十年もたっているから、しかたない。
目印だった紀伊国屋スーパーもなくなっていた。新しいビルを見上げて、前はどんな建物だったか思いだそうとしても、ほとんど思いだせない。漠然と変わったなという思いが、心の中にただようだけ。街が変わるのが、楽しみではなく、淋しく思うのは、わたしも年をとったのかなぁ。

そんな中、ビリケン商会の中にあるビリケンギャラリーは、こじんまりしていたが、あたたかい場所だった。かとうまふみさんにも、お会いできて、サインももらってうれしかった。トムズボックスさんも一押しのこれからブレイクしそうな新人。
デビュー作の『ギョウザの日』偕成社は、実際の家族の様子を絵本にしたという。素直な作風に好感がもてる。
28日まで、原画展はやってるので、興味がある方はどうぞ。

2007年1月18日(木)
おわかれの会

木暮先生のおわかれの会が信濃町の千日谷会堂でおこなわれた。今年の冬は、寒さはあまり厳しくないが、昨日はとくにあたたかな日で、訪れた人は、木暮先生が気をつかってあたたかくしてくれているなどとおっしゃっていた。気づかいの人だったという。
わたしは、それほど接点がないが、著書を小学生新聞などさまざまな所で紹介してもらった。おはなし創作コンクールの審査の席などでも、ごいっしょだった。なまいきなことを言っても、おおらかに笑ってくださっていた。作家であるのに、気むずかしい所を全く感じさせない方だったと思う。

67才。まだまだ、まっすぐ前をむいてらして、今の子どもたちにむけて書きたいものもたくさんあったと思う。
ご冥福を祈りたい。

2007年1月8日(土)
日帰り温泉

温泉好きである。
なので、今年もさっそく近くの日帰り温泉へ。
今日も混んでいる。
あれ? となりのおばさん、リンスで体を洗っている。
まちがえたのか、知らないのか、わざとか???
一瞬、おしえてあげようかと思う。
でも、指摘されたら、恥ずかしいだろうなと思い、黙っていた。
実は・・・・・・わたしもこの前やったからだ。
メガネをはずすから、よく読めない。
文字の表示は大きく、わかりやすく!
お願いしたいものだ。

2007年1月4日(木)
お正月

あっという間にお正月休みが終わり。
今年は、遠くに行かずのんびりすごした。
娘が「昔って、お正月は本当にお店がどこもやってなかったの?」と聞いてきたのにはびっくり。こち亀のマンガに,、腹ぺこの両さんが、お正月やっている店を探してくたくたになるまで歩き回るというのがあったそうだ。
それが、オーバーでなくて本当なのかと聞きたいらしい。
「オーバーじゃないよ」
というと、そういうお正月、たいくつじゃないの?と不思議そう。
そうか。娘の時代は、お正月にぎやかなのがあたりまえなのかと思ったら、自分がすごく年よりの気がした。

2007年1月1日(月)
今年もよろしく(*^_^*)

あけましておめでとうというか、もう年があけてしまった。
去年はあっという間にすぎた感じがした。いろんなことがあった。娘が寮にはいったり、身内に病人がでたり、大がかりなリフォームをしたり。そんな中、ボチボチと作品を書き続けられたからいい年だったんだと思う。この日記もなんとか続けられた。

今年の目標とか決めるのは性格にあわない。
ただ、去年より少しだけ「ていねいに」いろんなことに向き合いたいと思う。
ということで、おせち料理をつくろうかな(今から)
それでは・・・・・・ステキなお正月を!

2006年12月27日(水)
鉄コン筋クリート

冬休みの娘と映画を見に行った。『鉄コン筋クリート』、松本大洋原作の話題のアニメだ。
すごかった。
極彩色ですみずみまで描かれた宝町という舞台を、みなしごのクロとシロが飛び回る。
とにかく早い。目が追いつかないくらい。

町には、暴力がはびこる。クロとシロも盗みでどうにか生きている。
そこに新たな開発の波。追いつめられていくクロとシロ。
ヤクザ、暴力、殺人、これでもかとむごいシーンがつらなり、目をそむけたくなる。そこに、一点、シロのけなげさが、救いになっている。舌っ足らずでしゃべるシロ。
胸のここらへんが苦しいと、不安がるシロ。
そのシロを守るために生きているクロ。
ふたりのつながりは、痛いほど純粋で強い。

理屈でみてはいけない映画だと思った。混沌とした世界、でも、底辺にある清らかさ。どこか、村上春樹の小説と似ている感じだ。

原作の漫画は、13年前に連載され、人気のなさに早めに終わったという。
それが、マイケル・アリアスというアメリカ人の監督により、あざやかによみがえった。

もちろん、万人が好きになる作品ではない。ネットの人気投票でも、0点と100点が同じ数だけいるような作品。
しかし、たしかに新しかったし、驚かされた。
そして、いつまでも、シロの言葉のあれこれが、頭の中に残って消えない。

ジブリだけが日本のアニメじゃないと、宣言したような映画だった。

2006年12月20日(水)
クリスマスプレゼント?

ちょっといいお知らせがあった。
鈴木出版からだした月刊絵本『さくらの木の下で』『きょうりゅうがにがだした』のふたつが、来夏、韓国で出版されることになったそうだ。
まったく予期しなかった連絡にびっくり。じんわりとうれしくなった。どちらも、編集者とともに頭を悩ませた作品。それだけに、よけいうれしい。
また、『ごきげんぶくろ』『0点虫…」』の重版のお知らせもきて、ちょっと早いクリスマスプレゼントをもらった気分。

遅れていた偕成社のアンソロジー、君も名探偵のシリーズ(児童文学者協会編)も、見本が届いた。1月20日以降発売されるそうだ。
ちなみに、わたしの作品『放課後探偵クラブ』は、4巻目「悪魔の手紙事件」にはいっている。ほか石崎洋司さんなどの作品、8編読める。
ほかの巻では、ももたろう同人の山本悦子さん、三木聖子さんなども掲載されている。よろしく!

2006年12月13日(水)
落ち葉の玉川上水とはらだたけひで

作品のストーリーを考えたくて、玉川上水を歩くことにした。行ってびっくり。落ち葉で彩られた遊歩道が、とってもきれい。まさに散歩にぴったり。
かさかさと歩くたびにやわらかな音がして、木漏れ日がほんわりしていて、なんともいえないいい気分だ。

その玉川上水を、のろのろ歩き、最後は津田塾大学にむかった。小平にアトリエをかまえる画家はらだたけひでさんのギャラリートークがあるからだ。
はらださんは、パシュラル先生などで、独特の平和的でやさしいひろがりのある世界を展開されている。その作品どうりの人柄だった。

ギャラリートークの話の最後には、次回の作品の構想なども話してもらえた。グルジアという国に生きた画家、ニコ・ピロスマニという放浪の画家。貧乏で一杯の酒のために絵をかいたというニコの絵が、はらださんは大好きだそうで絵本にされるらしい。
驚いたのは、加藤登紀子がうたって有名な『早百万本のバラ』という歌があるが、あの歌でててくる画家のモデルがニコなのだそうだ。実際、あれにあったと同じことがあったという。
純粋な人だったんだなっと、改めて感心。

講演が終わると、外はまっくら。
津田塾の大きなもみの木に光るイルミネーションがきれいだった。
今の街並みをかざるように豪華ではなく、品よく控えめで、それでも周りに灯りが少ないのでこれで十分という美しさを放っていた。

2006年12月6日(水)
鬼ヶ島通信48号

村上勉、野上暁、末吉暁子、柏葉幸子,那須田淳など豪華なメンバーの同人誌鬼ヶ島通信の最新号が届いた。

今回の特集は「漫画と児童文学」
萩尾望都のインタビュー、佐藤さとる、山中恒の漫画談義などが載っていて、すごく楽しめた。
わたし的には、漫画原作をしていた 令丈ヒロ子のエッセイに興味しんしん。令丈さんの作品って、テンポがよくわたしには、漫画的に思えたから。でも、ご本人は漫画原作で苦労されたとのこと。でも、それがあっての今の活躍なんだろうな。

今回も驚かされたのは、今年末吉先生が、二回も引っ越しをされたのに、原稿をおとさなかったこと。ガンコちゃんのテレビのお仕事をしつつ、講演もこなし、そのうえ海外にもいかれ……。
口では、4040などとおっしゃってるが、そのエネルギーにまったくもって敬服してしまうのだ。その背中を見せてもらっているわたしは幸せなんだと日々ほんわか思ってるのだが、見ているだけではダメなんだよね。(^_^;)
最新号、興味がある方は、鬼ヶ島通信事務局へ。ネットで検索すればでてくるよ。

2006年12月4日(月)
鴉よ、おれたちは弾丸(たま)をこめる

蜷川幸雄がてがける埼玉ゴールドシアターの練習講演prosess2に行ってきた。55歳から81歳までの演劇集団。人生をかみしめてきた人にしかだせないものがあるのではと、蜷川幸雄がたちあげた劇団で、10年来の友人が参加してる。

今回は、しっかりストーリーのある劇が行われた。
『鴉よ、おれたちは弾丸をこめる』 タイトルからしてすごい。
内容はもっとすごい。
裁判所をあやしげな老婆たちが占拠し、かってに裁判を始める。裁判官、検事、弁護士たちのズボンをぬがし、おかしな理由をでっちあげ死刑にしてしまう。
最後には、自分の孫までも、手にかける。
「わたしたちの心の中には、恥で黒くそまった鴉がいる」
「わたしの血と骨でみがきあげた笛が、胸の中でくるおしく鳴る」
など、独特のセリフが胸をうつ。言葉の使いかたらうまく、見ていると、心の中で眠っているヒリヒリした痛みがわきあがってくる。
最後は、裁判所が機動隊に襲われる。孫を手にかけた鴉婆は、『こうなったら、もう、わたしたちが恥で黒く身をそめている若者たちになるしかない』と叫ぶ。その直後、舞台は爆弾の音とともに真っ暗。すぐに灯りがつくと、婆たちは床にたおれ、血にそまったTシャツの若い女の子たちが、こぶしをつきあげている。機関銃の音とともに、その若い女の子たちは、胸を、腹を、頭をおさえ、たおれていく。赤いパンツの弁護士だけが残り、死体をまたいで出て行く・・・・・・。

激しい内容だった。演出もみごと。老婆と若者の対比、権力者とそうでないものの対比、いろんなものが織り込まれている。
でも、なによりもかつらをふりみだした動いた婆やパンツ一丁にされても熱演した出演者たちの思いがすばらしく、胸をうたれた。婆たちの生き様にたくさんの勇気をもらい、背中をおされた感じがする。
まだまだ、おまえはひよっこだ、もっとしっかりと自分の頭で考え、物事をうたがい、簡単にうなずかないでいけない、とおそわった気もした。
また、鬼ヶ島の先生たちは、既成概念を破壊していかないと新しいものが生まれないと、いつもおっしゃっていた。おそまくながら、そのことも少しわかった気がした。


来年の6月には本公演があるという。
くわしく知りたい方は、さいたまゴールドシアターのホームページを

2006年11月29日(水)
小川洋子の世界

武蔵野大学の公開講座にいってきた。大好きな作家、小川洋子さんの講演だったから。
武蔵野大学は、三鷹からバスで10分ほど。キャンパスの銀杏並木がとてもあざやかに紅葉していた。

講堂は、学生や小川さんのファンの人でいっぱい。対談形式で話がすすめられた。
とても興味深かったのは、小説の役割というのは、何か言いたいことがあったのに言えなかった思いをひろいあげて伝えること。死者との会話みたいなものだと言われたこと。
人間は死にむかって行進している存在で、作家というのはその行進の最後尾にいて、先に歩いていく人の手からこぼれおち、言葉にはなってないもに、言葉をあたえていくのだそうだ。
とても『死』を意識されて書いている。

また、言葉とはとっても不自由なもので、書きたいものは常に辞書のことば以外のこと。本当にいいたいことは言葉の影にかくれていて、それを感じとってもらう書き方を心がけている、とも話された。これには、すごく共感。でも、なかなか、できないんだよな。これが。
最後に、これから書こうと思ってる人へのアドバイスをとのリクエストがあり、それに対しては、作家には方法論は通用しないとしながら、書きたい物語の中にどっぷりつかると見えなくなるので、ちょっと距離をおいた場所を自分でさがしてそこから物語をながめるといいと言われた。

小川さんは、数学者はとても謙虚な姿勢が尊敬できるとおっしゃられていたが、小川さん自身もとても謙虚で、純粋で、にごりがない感じがした。水色のセーターに真珠の首かざりがよく似合い、はにかんだ顔はかわいらしい。清らかな水のような雰囲気をかもし出す方で、文章からうける印象とぶれがない。

講演が終わった時はまだ、五時前。でも、あたりはすでにうっすら暗い。おしゃれな大学生たちのかもしだす、独特の雰囲気にのまれそうになりながらも、ステキな二時間だった。

2006年11月19日(日)
東京国際女子マラソン

東京国際女子マラソンの高橋尚子、土佐礼子の対決を応援しに行った。以前、偶然、高橋尚子の走りを見てから、とても気にっている。
一度、金メダルをとってるし、疲労骨折などで大変なのに、どうしてあんなに前向きで挑戦し続けるのかと、その姿をみたくて、コース沿道に立った。
ラジオを聞きながら、飯田橋駅前で待ってると雨が降ってきた。気温があがらず、手先がこごえる。この天気、どちらに味方するのだろう。
傘をさして待ってると、ラジオはマラソンスタートとのこと。
応援の人が増えていく。
車が止まり、先導車が行き、ランナーの姿が。ひとかたまりの先頭集団はあっという間にすぎていった。がんばれと言う暇もないほどだ。
しばらくすぎていくランナーを応援したのち、お昼のためラーメンを食べにいく。本当はこの後、平和島の折り返し地点まで行くつもりだった。が、ラーメン屋が混んでいて、待たされ、断念。時間をつぶし、もどってくるのを待ち受けようということになった。

喫茶店には、黄色いコートの大会関係者らしき人が大勢いた。それにまじって、コーヒーを飲み、ラジオでマラソン中継を聞く。
最後は信濃町あたりで応援しようと、電車で移動。信濃町を降りたあたりで、土佐がスパートをかけ高橋が遅れだしたことを聞く。
沿道でまつこと15分。土佐がひとり、コースをあっという間にすぎていく。
さらに待ってると、2位の選手。となりのおじさんに、「今の高橋?」と聞かれる。違うというと、そんなに遅れてるの?と、不満そう。
とうとう元気のない高橋が現れた。テレビよりもさらに細い体。おれそうな足。気力だけで動かしてるようにも見える。
人気はすごい。沿道から悲鳴のような歓声。高橋が走っていってしまうと、人々からため息。
わたしは、なぜか、涙がでそうになる。


駅に向かい歩いてると、土佐の優勝をラジオが語る。
派手ではないが、あったかい人柄がにじみでている土佐選手もわたしは好きだ。
勝者がいれば、敗者もいる。勝ち続けるものなどいない。
けれど……。

この日、走ったランナーは540人ほど。全員女性。
なんのために走るのか?
走らないわたしには、やっぱりわからない。
でも、また、来年もがんばってるランナーの姿をわたしは見にいくと思う。
順位が何位であれ、走っている姿はみな美しく、がんばってる人だけもつ、輝きをもっている。
それが、ただただ、うらやましく、まぶしかった。

2006年11月11日(土)
授賞式

2006おはなしエンジェル子ども創作コンクールの授賞式に出席した。
どの子もとてもうれしそうで、希望にあふれていて、元気をいっぱいもらった。
医者になりたい、作家になりたい、子どもたちがたくさんの夢を語ってくれた。

毎度のことだけど、しっかりした子が多く、すごいなぁとぽかーんとしてしまった。わたしなんて、小学生の頃、ぼんやりしていて、将来の夢もはっきり答えられなかったから。
そして、改めて、作家になりたいとあこがれる子が多いことにも驚かされた。作家って、いつからそんなメジャーな職業になったんだろう? 少なくとも、わたしが小さい頃は、違った。娘が子どもの頃も、そうでもなかった。
石田衣良氏、川上弘美さん、綿谷りささんなど、見た目も感じも美しい人がどんどんでてきて、イメージアップにつながってるんだろうな。

受賞した子には、心からおめでとうと言いたい。ただ、選考をしながら矛盾しているが、、子どもの想像力に優劣をつけていることの後ろめたさも。毎年感じている。
小中学生時代は、まだ、まだ、柔軟で可能性がいっぱい。賞をめざすこともいいかもしれないけれど、それ以上にお話を書く楽しさを味わってほしい。

2006年11月8日(水)
もう、死なないで

いじめで自殺、また、自殺するとの予告文や、教師の自殺のニュースがあふれている。
胸が痛くなる。

いじめを扱った作品の傑作で、山田詠美さんの『風葬の教室』というのがある。
主人公は、学校でいじめにあい、生きる希望を失い、遺書のメモまでかく。首をつるひもをさがしに、階下におりていき、母親と姉の楽しげな会話に聞き耳をたてる。主人公が死んでしまったら、母親も姉もあんなふうに楽しく笑うことはなくなる、彼女たちの日常を狂わせてしまう。それは、いじめっこがわたしにしたことと同じだと、この大人っぽい主人公は、はたと気づく……。そして
実際に、死にたいほど傷ついた人は、この主人公のように冷静に考えられないとも思う。でも、読み直して、書かれてから時間がたってるのに、少しも古くさくなく、すごい作品だと感じた。

死にたいと思った人が、あと一冊、この本だけは読んでからと思い、一冊読めば、また、もう一冊読んでからと思い、そうしているうちに死ぬことなど忘れてしまう・・・・、そんなすごい本が書けたらいいな。そういう才能がほしいな。そんなことを思うこの頃だ。

2006年11月3日(金)
高原の風

なんともはや11月。今年も終わりが近づいている。
あれもやりたい、これもやりたい、いろいろやりのこしは気になりながらも、ゴルフする主人について、八ヶ岳にいった。
天気にめぐまれ、うっすらと紅葉した山がとてもきれいだった。先日いった韓国とは、山の形が違う。日本は、木が多い国なんだと改めて実感。

清里の小さな絵本美術館をのぞいた。こみねゆらさんの原画展をやっていた。
見てびっくり。顕微鏡でみたいくらい細かい。どうやったら、あんなに細密にかけるんだろう。
絵からでる空気は、アンティークの家具のような味わい。職人がたんせいこめて、みがきあげて、織り上げたタペストリーのような感じもする。

続いて、すぐそばの黒井健さんの絵本館もいった。
主人は黒井さんの風景画がすごく気にいったようす。
でも、残念ながら、リトグラフになると、原画のような微妙な色の変化があらわれていない。「原画をみちゃうと、カレンダーとか買う気にならないな」とのこと。
まあ、わたしはおおざっぱな人なので、絵本とかカレンダーも楽しめたが、主人がいうことうなずけた。そのくらい、原画の色の味わい、やわらかくて、あったかくて、いつまでも見ていたいくらいだった。ごんぎつねのイメージが強くて、黒井健さんがこんなに風景画をかいていたこともしらなかった。

泊まったのは、諏訪湖の湖畔端。
かりんやななかまどが色づいて、あざやか。
夜は、満月がうつくしかった。月をこんなに見たのもひさしぶり。心の奥がしーんとしずかになり、しばらくじっとしていると、なんだか、黒井健のふうけい画の中にとけこんだみたい(?)だった。

2006年10月28日(土)
平成うわさの怪談21

岩崎書店のアンソロジーができあがり、見本が送られてきた。
今回のタイトルは、『うごめく赤目玉』北川チハルさんの作品がタイトルになっている。シールの目玉がうごくんだって。短い中、よくまとまった怪談だ。北川さんの他にも、元気がいい新人作家が新鮮な視点で、怪談をかいている。
わたしの『つぼの中の顔』は、最後にのせてもらってる。

今回も、表紙からいしてこわ〜〜!
アンソロジーの作品の所に表紙画像をアップしたので、こわいのがだいじょうぶなら、見てほしい。
この先25巻まで出て、新人、中堅作家の競作のこわい話アンソロジー・シリーズは、ついにファイナル。
毎回、苦心してこわい話を考えて、もう、考えられないと思いながら、ひねりだしていた。でも、終わってしまうとなると、なんだか寂しい。
ちなみに、担当は、モデルにもなれそうな、きれいな新人女性編集者。
発売は11月始め予定だそうだ。

2006年10月23日(月)〜25日(木)
チャングムの国へ

仲良しの友だちと韓国旅行にいった。楽しかった。韓国エステ(あかすり)をしたり、ビビンバを食べたり、地下鉄にのって迷ったり、ハングルのメニューにどぎまぎしたり、アニハセヨ〜と話しかけたり、いろんなことがあった。
とにかく安上がりの旅行をしようと言ったのに、みんな子どもにたのまれたからと、カードでショッピング。いいお母さんだと感心。でも、ご主人に買ってる人はいなかったなぁ。日本の母親は、母子の関係がとても強い。

ブラブラ街を歩いたおかげで、いろいろお国の違いも感じることができた。
韓国の人は、姿勢がいい。
働く時、てきぱきしている。

あいそ笑いをあまりしない、などなど。
顔立ちは同じでも、日本人観光客はポワーンとかたまって歩いていて、すぐにわかった。

ツアー中、とくに感じたのは、語学の大切さ。
日本語以外のことばがすらすらと話せたら、どんなに世界がひろがるだろうにと、あらためて思った。
さて、なにか始めようか。あと、10歳若かったらと、空港までは、そう思っていた。

日本にかえり、おふろにつかり、のんびりすると、いつものめんどくさがりの自分にもどって、このままでもいいかとお酒を飲んで、寝てしまった。ああっ。

2006年10月20日(金)
天狗のミイラ

国立科学博物館で「化け物文化誌展」が行われているというので、見に行った。
天狗のミイラ、人魚のミイラなどが、間近にみられる。カッパの手などもあったが、どこがカッパなのかわからない。
夏にかよった妖怪講座を裏付けるような資料が見られて、とてもおもしろかった。
特に昔の人の書いた、カッパや鬼の絵が迫力があった。カッパなんてかわいさのみじんもなく、おそろしい。
それから見ると、現代は、こわさやおそろしさというのが、妙に文化から排除されているなって思ってしまう。そりゃ、ホラー映画とかは、刺激をましている。でも、一般のレベルでは、児童書の絵でもなんでも、かわいさ、愛らしさが強調されているように思う。
かつて、自然はおそろしく、謎にみちていた。それと人間は共存してうまくつきあっていた。そんなことが、改めて実感できる展示だった。

2006年10月18日(水)
落語ネタがおもしろい!

『笑粋亭梅寿謎解き噺』、この本にはまった。
落語をねたにしたミステリー。田中啓文という若手が書いている。
テレビドラマ、タイガー&ドラゴンの主役は、やくざだったが、この本の竜二は、暴走族あがりの落語家をめざす若者。梅寿という師匠のところに弟子いりする。これが、めちゃくちゃな師匠。
怒ればどつくし、お金はごまかすし、よっぱらいだし、いいかげんだし、でも、落語の腕は、なぜかいい。
この師匠につき、主人公の竜二は、落語ってなんだろうって考える。
上方落語と東京の差に打ちのめされたり、テレビに出て、漫才の若者に落語なんて古くさいっていわれ落ち込んだり、でも、その都度、古典芸能の落語のよさに気づき、しょうもない師匠についていく。

奇抜なことを言って笑わすのは簡単だ。ほほえますのがむずかしい、とか言われ、簡単ならと奇抜なことを言ってみるが、客は全然わらわない。奇抜を奇抜と思ってやるとみえみえなんじゃ。自然にやれって、どつかれる。そんなやりとりに、くすっと笑いながら、そうだよなって、しみじみもする。
噺ごとに、ミステリーのおちもついていて、読みごたえ満点。
2冊でていて、文庫だと、『ハナシがちがう』『ハナシにならん』と題名が変わっている。集英社文庫だ。




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