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焼きそば事件


それは忘れもしない出来事である。

友人の突然の仕事の予定の為、一時間位

時間を潰す事になった。

私は、漫画喫茶で過ごす事にした。

小腹も空いていたので、ちょうどいい。と考えていたのだ。


この喫茶は、ご存知の様に一面が本尽くめである。

10冊くらいテーブルに本をKEEPしている人、

無我夢中で本の世界に入っている人。

日常見かける携帯でのメ−ル打ちをする人もいない。

シーー( ̄、 ̄*)ーーンと静まったこの広い喫茶店。

私は、
ある女優のヘアヌード写真集を手に取った。

叶姉妹も探したが、残念。なかったのである。

私は、席に付くと「焼きそば」を注文した。

タバコに火を付け、ヘアヌード写真をみた。

こんな機会じゃないと見れない。ヘアヌード写真集は

私の目の保養になったのである。


その後、「本当にあった怖い話」と、結構、不気味な漫画

「不思議のタタリちゃん」を読んでいた。

注文の焼きそばが来た。私は、漫画本の世界に入り込んでいた。

私は、恐怖の世界にいるのだ。恐怖のクライマックス!と言う場面を

読んでいた私に、
現実の恐怖が起きたのである。


私は、鼻から焼きそばを出してしまったのである。

・・最悪である・・こんな私を誰も見てはいないであろう。

みんな、自分の世界に入っているだろう・・

誰も私の事なんて目に入らないだろう。

しかし、
この私を見ている男性がいたのである。


それは、焼きそばを持ってくれた従業員であった。

あああ、あの様な麗わしのお嬢様が〜〜!!(と私だけが思っている)

鼻から焼きそばを出している〜〜!!と思われているだろう。

私は、どう言う顔をしていいか分からず、その従業員も真顔で

私を見つめている。

いつもなら、とっさで出来る営業スマイルも出ない。

私は、鼻から焼きそばを出している。

なんともマヌケな女なのであろう。

その時、私は
「ああ、鼻と口は繋がっているのだ」と思ったのだ。

(いいから早く、鼻から出た焼きそばを取れ。)

私はこの様な遭遇に合うとは、夢にも思わなかったのである。


あれから一ヶ月が過ぎ、その漫画喫茶は閉鎖したのだ。

私の
「焼きそば事件」も閉鎖してほしいものである。

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