読書感想文



「私という病」と名のついた本。

その本はうさぎさんが「女としての価値」について悩み

様々な経験をされ、自信を持つ為にデリヘル嬢になったと言う話です。

今回、3日だけ勤務して辞めたと言うその仕事。

一体、うさぎさんはどんな思いで働いたのだろう?

そして、そこから得た物はなんなのだろう?

自分には出来ない職業なだけに覗いてみたくなる。


金額を決められ、目に見える結果で

自分の女としての価値を計れる。

数字が女の実績。これはバロメーターですね。

何故、そこまでして頑張ってるのですか?と思いました。

だけど、実際にうさぎさんの一生懸命な姿を

本を通して読んでいると

「その限られた時間内での擬似恋人体験」や

「こういう場所(人?)じゃないと出来ない事」など

ケースバイケースであるようで・・・。

幻想と現実の交差する空間で

仕事と思い割り切る女ならではの仕事。

どんな人にも最高のおもてなしをするワケだから

中途半端では勤まらないと思いました。



しかし。「慣れるとラク」とみんな言う。と書いてあった所には

驚きました。リアルな発言でした。


他には、殺菌のソープで下半身が痒くなった話や

初めて対面するお客さんにはいつも緊張する話
には

一気に読めてしまいました。



あの本はうさぎさんの様々な視点からの

男女間のあり方、老いへの抵抗、男性社会への反発、

女とはなんなのか?性とはなにか?

性的魅力や社会的立場に

強弱関係が成立する理由。

永遠のテーマを舞台にした、

大人の内容盛りだくさんの

熟女の語る熱い特論と言う印象です。

読んでみて!表現力がものすごいです。



さて。うさぎさんがこの仕事を通して

男性に求めたもの、これは先ほどの「女性の価値」の他に


一人の人間としてみて欲しいと言う事だったからです。

妻や母としてではなく、女として見て欲しい。

身内化を通り越し、部屋の家具のように見ないで欲しい。


結婚生活、男女の距離が狭くなる程、

一個人としての価値が

見えなくなってしまうものなのでしょうか?

読んでいて、とても切なくなりました。


でも。うさぎさんがデルヘリで三日間も働いて

そこから得た事や、様々な視点からの世の中の見方に

感動しました。

それと同時に、うさぎさんの持つ価値観について

自分も何かヒントになるような気がしてなりません。

いい本に出会えたな〜と思いました。