初★電車ディスコ@


「そんな短いスカートで歩くの止めなさい」

そう母に言われたのは、20代前半の頃。

43歳にもなると、膝上20センチで

昼間出歩く事はなかった。

膝上20センチのスカート丈は、

夜の楽しい箱だけと思っていた。


しかし!今日は別。

だって電車でディスコなんだもん。

電車の改札口に集合時間は夕方18:30。

まだ日も沈まず、天候にも恵まれ

福島駅の中には、

普通に電車に乗る人達の群れ。

その中に、先ほど居酒屋で着替えた

白のボディコン姿の私と、金髪アフロのKさん。

そして一番一般人に見えるてっちゃん。

三人で参戦するのだ。

今回の件は、福島県民はご存じなんだろうか?

「あの人達は何?」と思われている私と

Kさんの姿は、ハッキリ言って浮いていた。

三人で「貸切ディスコ電車」の改札口に着く。

すると、もうすでに沢山の人達が並んでいた。

受付の所に居たIさんと

「やっと会えた」と言い合い

今回の電車でのディスコの企画を

ありがとう!と心から思った。

この電車に乗る人は

みんな輪っかのリングを付けるらしい。←目印

あと、バナナとオレンジと

ウーロン茶(もしくはビール)と

ドリンク剤を提供された。


中に入ってビックリ。

私のボディコンなんて、

この大勢の輪の中に入ったら

全然!普通の人に見える。(笑)



シルバーのステージ衣装のMさん。

「Mさん〜!」と声を掛けた。

Mさんが私に、素敵な花の

ブレスレットをくれたよ!

Mさんとお揃いで、ピカピカ光るの。嬉しい。

やっぱりこういう光物アイテムは

ディスコにいいよね!

後、ご一緒の全身ゴールドのお姉さんもいた。

二人揃うとピンクレディーみたい。

一番驚いたのは、着物ドレスの

山形チームの美女たち。


ちゃんと振袖になっていて、

スカート丈は短め。

「わあ!素敵ですね。」と声を掛けて

着替えて参戦されたのかと聞いたら

その恰好で山形から来たんだって。


みんな振り返っただろうね♪

私よりボリュームのある扇子を持っていた。

「これは楽天で買ったんですよ」だって。

あ、そうなんだ。着物ドレスチームの

リーダーみたいなお姉さん(?)は

頭に付けていたカチューシャが

鶏が2匹付いていて、動くたび

揺れている。

「そのコケコッコ、いいですね」と言って

触らせてもらった。

もしかして、鶏年だろうか?

「みんな本当に綺麗〜!一緒に写真撮りたい〜」と

私が言ったら「いいよ!」だって。わ〜い。

M姉さんにも会えた。

M姉さんも超ミニ。

半年前にお会いしたDJ Gさんにも

会えた。色んな人と写真を撮ってもらった。



そうそう、金髪のアフロのKさん。

仲間と言う「アフロ4兄弟」を紹介された。

「4兄弟?」どうみても、

女性が一人混ざっている。

黒髪のアフロの女性が、

一番一般的に見えてくる。


レインボーのアフロの方も居て

今日はなんだか仮装大会みたいだね。

しかも、アフロの仲間達は

サングラス(ハート形)と

付け髭がお約束みたい。


アフロ4兄弟(妹)の集合写真に

私とてっちゃんも混ぜてもらって

楽しいショットを撮ってもらった。



Kさんは、最前列がDJブースだから

そこで「芋掘りダンス」をする!と

意気込んでいた。

そして、私とてっちゃんも

Kさんの後に着いて行って

一番前の場所に並ぶよう電車を待つ。


私達の周りは、電車ディスコに乗る人達で

同じ目的を持った、全然知らない人達が

沢山いる。

向かい側の電車から降りてきた乗客達が

私達を物珍しそうに見ている。

あれ?やっぱり今回のディスコイベント

意外と知らないのかな?


2018年6月9日。PM18:58発の

「ディスコ電車」が私らの前にやってきた。

ちゃんとそう書いてあるよ。

「おお〜!あれだあれだ!」とみんな指を差す。

そして、みんなスマホで電車を撮影。

「待ってました!」と拍手をする私達。

プシューっと音を立てて

電車のドアが開く。ここは普通だね。

早速電車の中に入る。

中はブラックライトで、

車内が紫色になっている。

電車の中らしくない爆音の曲。

♪あい ふいーる ざ らっき ら〜き らきらき♪

聴きなれた曲が見慣れない光景の中

流れている。

ミラーボールはどこにあるのかな?

DJブースが目の前。

これもまた不思議な印象。

3名のDJさんが居た。そして

その後ろには電車を運転する方2名の姿。

生まれて初めてみる光景。

私達は、この爆音のなっている電車で

揺られて踊るのだ。

主催者のIさんがマイクを持って

「いよいよスタートです!」と言った。

そして、ドアが閉まり、

電車が動き出した。

もう先に進むだけ。


電車だから、もちろん座れる所はある。

だけど誰一人座っていない!

座る場所は荷物置きになっている!

普通のスピードで走る電車。

窓の外に見える景色は

普通の道路と、住宅。

日がどんどん暮れて行く。

電車が動いた瞬間から、

みんなもうノリノリ。


最初っからこのノリって言うのが凄い。

吊りに捕まって、踊る!

私は扇子も持って踊る!

動いている電車の中で

踊っている〜〜!


私達は電車の最前列。

車掌さん二人の姿も見える。

座っている人がいない世界。

満員渋滞で、本気で踊る私達。

てっちゃんは先ほどの

餃子の食べ過ぎにも関わらず

で踊っている。


そしてアフロ4兄弟(妹)も側で

踊っている。

私らは吊りがあるから

まだ体のバランスを崩さないけど

吊りなしで、真ん中で踊っている人達は

凄いなあ!良く転ばないなあ!と感心する。

曲は次々と変わる。

電車は終電の場所にたどり着くまで

どこの駅にも止まらず

曲と同様ノンストップ!



爆音で流れる80年代の曲。

ほとんど定番。

そして最初は電車の中も

クーラーが効いてて寒かったと

思ったけど、どんどん丁度良くなってきた。

みんな笑顔で踊っている。

普通にフロアで踊る時と

違うのは、両足の力の入れ方。

そして腰にも力が入る。

バランス感覚が良くなる。

これって最高のダイエットにもなるのでは?



電車内は、みんな揺れて踊っているので

自分の場所を確保したら

あまり車内を動かない方がいいかと

初心者の私は思った。

しかし、去年も参加しているMさんは

私らの居る所まで来てくれた〜。

他にも色んな人が

あっちこっちと行き来している。


ゆとりがあると、

車内を歩けるのかと思った。

踊るのに必死な私とてっちゃん。

窓の外は暗くなってきた。

そして、電車同志がすれ違うと

私ら踊っている人達は

向こうの電車に向かって

ノリノリをアピール!

何も知らない向こう側の人達は

ポカーンとこちらを見ている。


中にはこちらを見て

手を振ってくれる人もいる。

私はこの状況が


「自分が車で爆音をかけて

ノリノリで居る時、赤信号で

止まって隣近所の車&通行人に

自分がディスコソングを聴いている」のを

知られている感覚に陥った。

(↑表現長い!)


だけど、ここは電車の中!

しかも爆音だけじゃなく

乗客がみんな踊っている。

この電車の中に居る人達だけで

作り上げているワールド。


電車の外の人達から見たら

アナザーワールド。


「こっちの世界は楽しいよ!」と

私も、電車に居るみんなも伝えたい。

「おいで〜おいで〜」と

声を掛けたくなる。

この自分の思いと、

いつのまにか、以心伝心。

いつのまにか、連帯感。


そんな思いが

車掌さん二人にも伝わったのが

一人の車掌さんが、こっちを見て

一緒にノリノリで踊っている。

ちょっとだけ停車する時は

ホームに降りて踊ってる。

DJの男性も

すれ違う電車の人達に向かって

「はい。みんなもっとアピール!

アピールして!!」と声を掛けている。

私はいつのまにか


この「動く箱」が思っていた以上に

楽しくてテンションが上がる!


一人で「動く箱でディスコソング」の時の

パワーアップバージョンを今、

こうやって体験している。



「酔ったらどうしよう?」と思って

アルコールなしで参戦した。

私の場合、アルコールなしでも

普通に踊れるので問題はない。

電車でディスコは「酔う」と言う心配より

「転んだらどうしよう?」の方かな。

(↑骨粗鬆予備軍的な発言)


あ!今回ね。4〜5年ぶりに私のお客様と

この電車で再会できたの。

私らの向かい側に夫婦が居て。

旦那さんが私のお客さんだったの。

その夫婦と友達になっていたKさん。

Kさんを通して、この電車内で

踊ながら「あの節はどうもありがとう

ございました!」と旦那さんに挨拶をする。

「あ!みかりん!3〜4年ぶりだね」と

笑顔で言われた。

奥さんも、前からKさんを通じて

フェイスブックで見ていたけど

挨拶と話をするのは初めてだった。

とても感じの良い女性で

しかもご近所さんだった。(笑)

(後から色んな話をしたら

地元の人しか知らないマニアックな


商店で子供時代過ごした事が判明。)

「世の中狭い〜!」と思いながらも

渋滞の狭い中、踊り続ける。



日がどんどん暮れて行く。

道路を走る車のライトが

やたらと明るく見えてくる。

わあ。もう夜になったんだね。

車内は相変わらず爆音。

「ダンシングクィーン」や

「GIVE ME UP」など定番の曲が続く。

電車は「飯坂温泉駅」を通り越し

「桜水駅」と言われる所まで走り続ける。

ここの基地内に1時間停車して


トイレ休憩や出店があると言う。

私達は一直線に走る電車で

ひたすら踊り、時には

写真を撮ってもらったりしながら

電車ディスコに身を委ねている。