東京研修旅行事件そのB


秋葉原のイメージと言えば「オタ」だった。

メイド喫茶があって、AKB劇場があって

そして電気屋さんが一杯。

所が、初めて訪れた秋葉原の駅前は

相変わらずの高層ビルでした。

ヤマダ電機が大きい。あっちもこっちも

・・圧迫される。

そしてここにもまたイルミネーション。

ええ・・と、今はクリスマスの時期?

そして年末?と

思ってしまうのは私だけでしょうか?

ここが、どこがオタの街なのだ?


ビルが立ち並び、カラオケの大きな文字や

薬局屋、コンビニ、居酒屋などがあり

「オタ」の人達は見えない。

通行人もサラリーマンや

普通に街にいる人達と言う印象。

昼と夜では印象が違うのでしょうか?

色んな人が入り混じっているのね。

都会だから、オタもきっと

ハイカラなのかもしれない!


クリィーミーマミのコスプレの人は

居なかったけど、メイド喫茶の呼び込み

みたいなロリータ系の女の子が


二人ほど立っていた。

私達はその繁華街を歩き

「あの上にある道路(?)って

名古屋みたいな光景だね」と言った。

カプセルホテルを探す。

あ、あったあった。

ピンクの建物で可愛い。



中に入った。

そのホテルの入り口で

名前、住所、電話番号を書く。

ホテル内はスリッパで歩くらしい。

ロッカーの鍵を腕輪の様にされて

渡された。

アメニティーは小さめのタオルと、

輪ゴム、歯ブラシ、ヘアブラシがあった。

先払いで、支払いが済んだ人から

部屋に向かう。

エレベーターで向かったのだが

こちらに泊まるお客さんは

なんだかアジア系の外人さんが多い。

コロナ禍落ち着いたから

外人さんたち一杯来るんだね。

そして私達が自分の部屋と


思われる場所に向かう。

腕につけた鍵をドアにかざすと

自動ドアが開いた。

私達は自分の泊まる部屋の

番号を探すのだが

どう見ても、部屋であるドアがない。

私達の目に入ったのは

2段の冷蔵庫みたいなものが

ただ、ロッカー並みにずっと並んだ光景。


なにこれ!?シーンとしてる。

私達は自分の番号付近の所に居ると


「ここに居るよ」と顔を出したTさん。

おお!思わず声を出してしまった。

「2段ベッドみたいになってて、

私は下の方なんだけど

上の人は、横の階段を上るんだよ」と

教えてくれた。

そうなのです。カプセルホテルとは

このような
小さな箱みたいな場所に

縮こまって寝るホテルだったのです。

中を見せてもらったら、

奥行きはあり、人が一人寝れるスペースのみ。

スマホのコンセントと、目覚ましがあった。

ベッドルームはコンパクトだ。

私の部屋は1階だった。

しかもこのカプセル(部屋)を出る時は

荷物はロッカーに預けるとの事。

部屋と言うか、個室に鍵がないので

入り口は、シャッター風の布を下に下げて

ドアの変わりにする模様。

こうしてトイレなどに行くみたい。

うわ〜・・・なにこれ。初体験。

これが安さの秘訣かと思った。

ただ、嬉しかったのはシャワーは無料で

お風呂希望の人は個室で500円で


フロントまで、との事。

この浴槽1室しかないみたい。

早いモノ勝ちか?

コインランドリーもあるので、洗濯も出来る。

乾燥機もある。どちらも2台だけ。

私は、お風呂希望!あと洗濯物洗いたい。

この小さな個室ベッドでの

飲み食いは禁止。

ラウンジは地下にあるが

あるのは自販機とポットのお湯だけ。

私としては、もうこのまま

このカプセルホテルで

一人ネットを見ていてもいいと思ったのだが


狭くて暗い個室に一人でいるより

こんな時じゃないと楽しめない

秋葉原での夜を過ごそうと

6名で夜ご飯を食べに行くことになった。


「鳥貴族」に行きましょう!と言われた。

居酒屋に元々行かない私は

(その鳥貴族が東北にも最近出来てたと

言うのを知らなかった。)

どうやらこのカプセルホテルの側に

あるらしい。

こういう食べ歩きのリサーチを

やってもらえるのが凄い。

再び秋葉原の夜の街を歩く。

やっぱり、オタ風の人はいない。

ビルの9階に鳥貴族はあった。

活気のある居酒屋は

男の人が多かった。

妙に盛り上がって歓声が聞こえる場所。

焼き鳥が美味しいらしいね。

こんな機会じゃないと私は来ないな。

テーブルについて、各自飲みたい物を頼む。

私は今回ソフトドリンクにした。

乾杯をし、焼き鳥を沢山頼んでみる。

焼き鳥は思った以上に大きく

ボリューミー。確かに美味しい。

みんな飲むより食べる感じ。

私は入り口付近にいるので

色んな食べ物が届くと、小分けしたり

注文した物が来ないと

店の人を呼んだりしている。


睡眠時間も少ないのに

みんな元気。


私は今夜は

テンション下がり気味。

研修の疲れと、新幹線動かない事件など

この2日間で色んな事が凝縮されたから。

あと、慣れない都会の道を

グーグルマップで見て、頭に叩き込んで

今までなら人任せだった事を、自分も

やってみたが、もうこの時点で自分のキャパを

越えてしまった。

慣れてる人には大した事ないのだろうけど

旅行の経験値の低い私には

アップアップだった。


土地勘のあるOさんが居てくれて助かった。

今回、みんな色んなストレスも抱えて

大変な思いをしてるはず。

中には、人事異動の辞令も出た人達もいて

思う事もありすぎだと思うけど

皆さん、20代の様なノリだわ。

みんなアラフィフなのにね。

皆さん家庭に縛られているから

(独身は私とOさんのみ)

こういうお出かけのタイミングが

開放的になれるのだろうか。

色んな話を聞いて、盛り上がって

ホテルに戻る。



各自、自分のカプセルホテルにつく。

明日の朝8時半に

ホテルのフロント前集合と決まり

解散。

あの「ドラえもん」の押し入れみたいな

所に戻る。キュウクツだな。でも仕方ない。

とりあえず、お風呂コーナーへ行く。

コインランドリーで洗濯物を洗う。

洗剤は居れなくて良いらしいが、300円で

30分かかるらしい。

そのあと、100円で乾燥をさせるが

今度はクールダウンするまで時間がかかり


トータル1時間かかった。

私はこの間、自分の個室に行かず

ラウンジのテーブルでスマホを見ていた。

自分のインスタのタイムラグに

出てくるフォローの人達の投稿に

「いいね」を押して過ぎる。

そうそう、私ら昭和生まれ6名は

誰一人、「鳥貴族」に居てスマホを

見る人いなかった。

色んな話をするのと

食べるのに集中していたからだと思う。

今頃、みんなスマホ見てるか、

シャワーに行ってるかだなと思った。

私は今、こうして色んな人の投稿を見ると

私達みたいに、新幹線動かないって言う事に

巻き込まれた人、居ないんだなと思った。


インスタに投稿してくる写真は

全部、昨日の生活と変わらない人達の

景色や、食べ物、出掛けたショットなどだった。

さて。洗濯物も渇き、私はお風呂に

入りたい事をフロントに伝える。

500円で1時間入れるとの事。

そしてお風呂を出たら、線を抜いて

フロントに声を掛けて欲しいとの事。


カプセルホテルの浴槽は

こちらもリトルサイズだった。

入浴剤ももらえて、ゆっくり一人

お風呂に入れて良かった。

スマホを見る時間とお風呂の時間って

ゆったり過ごしたいもんね。

30分位でお風呂を上がり、

フロントにお風呂が空いた事を伝える。

髪を乾かそうと、ドライヤーのある場所へ行くと

周りはアジア系の外人さんばかり。

座る場所をゲット出来ていて良かった。

そして、後は寝るだけになったんだけど


あの個室でスマホを見るのも

狭くてなんだか嫌だわ。



ベッドしかない個室の部屋。

私はロッカーに預けた3つのバッグ。

このバッグの中身を

明日の朝、スムーズに取り出す物を

整理したい。

研修で使ったグッズはもう取り出さないから

こっちのバッグに移し替えよう。

明日、化粧品ポーチを取り出すには

一番上にあった方がいいな。

普通のホテルの部屋であれば

そんなの普通に終わる準備なのに。

今回、私はロッカーの場所で


床に荷物を広げて

あちこち物を動かさないと行けない。

なんて不便なの。

もし、このタイミングで誰かが

ロッカーに来たら

この散らかった荷物を

よけないと行けない。

どうしてこんなに面倒なの。



私は、昨夜泊まった「デラックスルーム」の

心地よさを思い出していた。

窓から見えたイルミネーションが

いつまでも光っていた事。

マッサージチェアがあって

体をほぐしてもらえた事。

キングサイズのベッドと

見ないけど流してるだけのテレビ。

一人快適に紅茶を飲んだんだった。

今日と真逆な夜の過ごし方。

共通点は、ただ静かな所だけ。

つきさっきまでは

「野宿じゃない、ネットカフェじゃない」

「雨風、しのげる!」と喜んだのに

こんな風に思う自分はわがままなんですかね。

石川県の地震で被災された方たちは

もっと大変な思いをしているのに。

集団で寝るワケじゃないから

個室で暖かいだけでも

いいじゃないかと思うよね。

新幹線が1日動かないくらいで

ちゃんと寝泊り出来る場所を

ゲットできただけでも

かなりツイてるのにね。

でも、
ああ・・もう早く家に帰りたい。


私は、バッグの荷物整理も終わり

明日に備えて、本格的に

「ドラえもんの押し入れ」の様な

個室へ向かう。

みんなもう寝たのだろうか?

深夜1:30に寝ようと思ったが

眠れない!!

しかも、静か過ぎて寝返りを打ったり

私がビニールの袋をガサガサさせた音も

しっかり隣に聞こえてそう。

さらに、周りの誰かが咳をしたのも聞こえる。

腹が鳴ったらどうしよう?


カプセルホテルに泊まるとは

こういう無駄な心配をするようになるのか。

実際に泊まって、体験をしてみないと

分からない事って沢山あるなあと思った。

もし、
おならプーしたとしても←

でも、みんな熟睡してれば問題ないか?

♪へーこきましたね、あなた〜♪って

歌、昔あったな。

とにかく、もう寝よう。

昨日も睡眠時間3時間だったし。

・・と、ベッドの明かりを消して1時間過ぎても

全然眠れない!

諦めた私は、スマホを見る。

こうしてまたインスタを見ているうちに

眠くなるはず。。

ブルーライトで目が疲れて眠くなれ!

眠れない。ダメだ。人の投稿に

コメントを書き込んでるわ、私。

私も、自分のインスタでもUPしようか?

今回の「東京研修旅行」の件。

「顔出しNG」の人が二人いるので

ラインカメラのアプリで、

顔をハートマークで隠そう。

そうそう、さっそくアプリ作動だ。

おっと、思ったよりハートがでかくなってしまった。

もうちょっと小さく、あと、もうちょっと左側。

投稿する写真は、この5枚にしようかな?

一応、候補は上げたから

もう一晩おいてから、UPしようかな?

そんな事をしているうちに、目が疲れてきたぞ!

よし、寝てみよう。

そして羊の数を数えるのだ。

ひつじが1匹・・ひつじが2匹・・ひつじが3匹

おおお・・ダメだ、

ひつじが「アルプスの少女ハイジ」の

「ユキちゃん」に見えてくる。

あの、「待っててごらん」の歌が頭を駆け巡る。

おじいさ〜ん、助けて〜。←ハイジ風にどうぞ。

私は、「やぎ」と「ひつじ」の区別がつかなくなる位

疲れてきたらしい。



・・・浅い眠りだったが、2時間くらい寝れた。





帰宅できる日の朝、

なかなか眠れなかったと

みんな言っていた。

でも、今日はやっと帰れる。

今日は、新幹線が動いている。

新幹線復旧に向けて作業してくれた

人達のお陰で、1日遅れで

帰れる事が出来て助かった。

予想外の事が重なったけど

私、一人での研修旅行じゃなくて本当に

助かった。

今回、一緒になった人達全員に

助けられた。

心強かった。


このまま全員で試験に合格し

無事に2年目に上がれますように。


私達は東京駅から

新幹線に無事に乗れた。

帰りは、来た時よりも少し寒かった。


昨夜のイルミネーションは

消えていて、

朝の顔をした秋葉原の駅が

私達を送り出していた。