素敵な出会い


私は、新幹線の切符を払い戻しをしに

再び、「緑の窓口」に向かう。


また凄い行列だ。先程よりさらに並んでいる。

新幹線の切符の状況を確認できるモニターには

東北新幹線の空きの席の

販売の表示すらされていない。

他の新幹線の座席の表示はされているのに

暫くすると、東北新幹線のモニターが

真っ黒になった。

私は長い行列に並びながら、今夜は

帰れなかったらどこに泊るか考えていた。

相変わらず荷物が重い。もし泊るなら

東京駅のコインロッカーに預けられるものだけ

入れて、身軽になって宿に行こうと思っていた。

とりあえず、今、私の持ってる切符を払い戻しのハンコを


押してもらい、(JTBのネット注文なので、そこに切符に

証明のハンコをついてもらわないと

新幹線代が戻らない)

もう一度、新幹線の切符を買うか。

ただ、買ってもその新幹線が来るかどうか。

さらにまた運休になったら、もう一度

新幹線の切符を払い戻し。その時は

クレジットで自販で買うから

緑の窓口に並ばなくてもいいけど

いつ、新幹線を諦めるかの見切りは

私は夕方19:00くらいかな。


そんな事を考えて並んでいる。

まだまだ私の番は来なさそう。

・・と、その時、JRの男性のスタッフが


アイパッドを持って

私の目の前を通り過ぎようとする。

私はそのスタッフに声を掛けた。

「あの、お忙しい所すみません。

仙台行きの新幹線は動いてますか?」と聞いた。

すると「まだ再開してないんです。」と言う。

アイパッドで、どの新幹線が

どこを動いるか分かるけど、この時間に

東京駅に着くのは分かるが、動く時間までは

分からないと言う。

さらに、緑の窓口にいるスタッフと

JRの動き回って新幹線の動きを見てるスタッフとは

仕事が違うので、緑の窓口では

新幹線がどうなってるかは

分からないらしい。

緑の窓口は確かに席を確保よね。

どの席が空いてるかなどよね。

「そうですか。ありがとうございました」と言った。

すると、私の後ろに並んでいた女性が

「あの、仙台まで行くのですか?」と声を掛けてきた。

この女性が、私の日記に書いた「髪がシャギシャギ

パーマで、黒のメガネを掛けた女神様!」です。


私はその彼女もボッチだったことで一緒に行動を

する事になり、とても嬉しくなった。

(私がナンパした(笑))

一応、私は宿も探していて、ダメだったら東京に

泊る事を伝えた。彼女も最初は賛成していたが

「引っ越しで仙台に来るので、もう荷物が

届いているからなるべくなら

新幹線で帰りたい」との事。

じゃあ、夕方まで一緒に新幹線を待って

ダメだったら、私は宿を探すね。

彼女は夜中ギリギリまで

新幹線が動くまで東京駅に居てみると言う。

そうか。でも、見切りの時間ってどうするか

本当に困るよね。


東京なら宿はなんとかなりそうだけどね。

でも、夕方まではボッチじゃないと思ったら

笑顔になれた。

そうそう、その女神様、

色々話をしたら、同世代で、バンドが好きとの事。

もうその話を聞いた瞬間、私は目の前が

すごく明るくなった!

しかもライブにも行く予定があり、

仙台にこれから住む楽しみもあると言う。

「緑の窓口」で、私は切符にハンコを押してもらった。

彼女はここで新幹線の席が取れない事が分かったので

私は彼女と、一緒に新幹線の

切符売り場に行くことになった。


重い荷物を持って、東京駅の中を歩く。

腕も足も疲れたけど、気持ちは晴れきた。



私は、駅の改札を出れるように

「出場券」と書いた紙をもらい

改札を出て、彼女と一緒に

新幹線の切符を買う。

新幹線は16:00過ぎから動く予定なのか

一番早くて16:00だった。

「これにしよう!」と言い合う。

私は全指定席の「
はやぶさ」で確実に座って

帰りたかったのだが、彼女は

「もう、乗れるかどうかだから 自由席の

やまびこで各駅停車で行きたい」と言う。

やまびこで帰ったら、2時間かかるけど

私もこの切符はキャンセルになるつもりでいたので

「はい、では自由席で!」と二人でお金を入れた。

すると、出てきた切符には
時刻の表示がない。

なにこれ!?初めて見た。

切符には「有効期限が3日間」と書いてある。

でもその隣に「今日限り」とも書いてある。

丁度、またJRのスタッフが目の前に居たので

この切符について聞いたら

「今日中だったら、どの
やまびこ

新幹線に乗っていい切符」との事。

おお!
それでは指定席の「はやぶさ」と違い

2時間遅れたら払い戻しと言う事はないのね!

今日中なら、どの
やまびこの新幹線ならOKとは

こういう時、使える素敵な新幹線だね。

私と彼女は喜んでもう帰れる気分でいた。


私は彼女と駅のホームで電車を

待っていて、トイレに行けなくなったら困るから

トイレに行こうと言った。

すると、「私はさっき行ったから大丈夫。

荷物一つ、私のキャリーの上に置いていいですよ!

どうぞ、トイレに行ってきてください」との事。

わああ〜。それは助かる。

もう重くて仕方なかったの。

私は、一つ荷物をお願いして(初対面の人に!)

トイレに向かった。またこっちも長い列。

その間にインスタを見たら、

沢山のコメントが来ていた。

私はフォロワーさんに、
「緑の窓口で

後ろに居たボッチの女性と仲良くなって

新幹線の切符を買った」と書いた。


リアルタイムで投稿。また別なコメントには

「東京駅にまだ居ます。

5時間くらいいます」とも書いた。

今日はやたらとインスタをチェックしてしまう日。

アイフォンのギガとバッテリーは大丈夫だろうか?

バッテリーが67%になっている。

ビックリした。


トイレから戻って、彼女の待つ場所へ行く。

良かった、ちゃんと居てくれた。

「お待たせしました。」と行ったら

「あ!東北新幹線が到着してて

やまびこ14:30東京発って

あるんですけど

あれに乗れますかね?」という。

ああ!あれは、私が自分が乗ろうとしてたのが

来たんですけど、回送になって

今度は14:30東京発になって

ずっと止まってるやつですね。

だってもう、今の時間は15:30だもん。

この14:30のも運休になってるのだと思う。


でも、ホームに向かいますか。


私たちは名乗り、年齢と、仕事の内容

既婚者かどうかと言うのを伝えた。

彼女は同世代で成人した娘さんがいる

との事。仕事は実家の仕事を手伝っていたそう。

地上に出た。相変わらずあの新幹線が止まっている。

乗れるかどうか分からないけど、東京は

先程と同じで、天気が良くむしろ暑いくらい。

風が心地いい。
もう天気がいいのが救い。

これで体調が悪かったら最悪だったね。

ところで、彼女はお昼ご飯は食べてないという。

私は、先程動かない新幹線を見ながら

五目おにぎりをそこの「キヨスク」で買って

立って食べたので、まだ良かった。

でも、彼女は北海道から仙台に着く予定が

暴風の為に、急遽羽田空港に送られ

(かなり遠回り!!)

そこから新幹線に乗って

仙台に行くことで、頭が一杯で

お昼ご飯どころではなかったとの事。

私は、昨日Yさんからお土産でもらった

クッキーをあげた。

「腹の足しにしてください」と。

すごく喜んでくれて

「わ〜!今、食べていいですか?」って。

美味しく全部食べてくれた。

すると、また彼女は「荷物一杯だから荷物

置いていいですよ」とか

「このキャリーケースに座って座って!」と言って

私を座らせれくれて、自分は立ってるの。

私も立ち仕事だから大丈夫と言いながらも

しっかり座らせてもらいました。。助かりました。

いつ目の前の
やまびこが走るか分からないまま

ホームの前はごった返しになって来た。


私は、彼女と「どんなバンドが好きだったか?」の

話をしていた。

やっぱり同世代だったので、BOOWYと言われた。

聞けば、彼女は氷室ファンで、「氷室の聖地巡り」も

したことがあると言う。おおお〜〜!すごい〜!

群馬県に行って、氷室さんの実家の向かいにある

お寺も見てきたとの事。

あとは、マニアックだけど「KATZE」が好きと言うから

「うわ〜!私も昔好きで、アルバム3枚目位まで

持ってました!」と言った。

「GOODTIMES BADTIMESですね!」

「おお〜まさにそれです。」

今、なんだか今日の私の心情みたいだな。

「マニアックなところだと、私もデランジェとか

ジャスティー ナスティー」

「うそ!凄い!では、女性バンドでマニアックなら

ノーマジン!」と私が言う。すると

「それ、私の中学の時の先輩がコピーバンド

してたから知ってる!」だって。

二人で、マニアックなバンドの話と

氷室さん&布袋さんの話などをして

盛り上がっていた。

時間がどのくらい経ったのだろうか。

私たちは「エックス!」と言うと

「バニシング ビジョン!」

「では、J(S)Wと言えば!?」

「歩いてゆこう!!」

「きゃははは!そうそう!ですよね!」と

ツーカーみたいな会話をしていたので

もう自分がボッチで、途方にくれていたのが

嘘みたいだった。

私は「今日の記念に写真を一緒に撮ってもらっても

いいですか?あの、インスタとかに上げないので」と

言ったら「勿論!いいですよ」との事。

新幹線を待つホームで、

二人で写真を撮った。

こんな事をいている人は他に居ない。

当たり前か。

ホームはもうギュウギュウで、

座り込んでいる人も沢山。

疲れ果てて、下を向いて寝ている人も居る。

どこをどう並んでいるかも分からない位の人の数。

満員電車の中にいるみたいな感じよ。

・・と、その時!マミーから

「新幹線、夕方6時に動くから大丈夫。

今、テレビのニュースでやってた」とラインが来た。

ええ!うそ!やった!

でも、これは大声で叫べないから

ぐっと胸にこらえた。

一番知りたい東京駅のホームにいる

私たちには何も聴こえてこないのにね。

テレビは早い!

私は、ヒッソリ彼女に「新幹線動くって」と

マミーから届いたラインを見せた。

「うそ!本当!?嬉しい」と目を輝かせた。

これで、無事に帰れる。

私も宿を探さないで済んだ。

そして、こんな困った時に

女神様のような彼女と一緒に過ごせて

本当に有難かった。


17:45にずっと動かなかった目の前の新幹線が

動くと言うアナウンスが流れた。

私たちは、無事に帰れるのだ。

しかも
「今回は臨時便として

1〜8号まで自由席にします」との事。

ホームから歓声が上がった。

ドアが空くと、私と彼女は

1列ズレたけど、後ろ前で無事に

席に座る事が出来た。

本当に嬉しい。彼女が

「自由席で
やまびこで帰ろう」と

言ってくれなかったら

私はこの新幹線に乗れなかった。

もう座れないの覚悟だったけど

本当にツイてる!!


約9時間、東京駅に居たけど

面白い出会いもあって

素敵な旅になったな。

・・と思ったら、さらに面白い出会いは

続く。