手書きのお手紙


2020年の7月、お友達Gさんから

「暑中お見舞い」のハガキの代わりに

お手紙をもらった。



Gさんは、昔からレターセットやシールが

好きな女性。

メールやラインで済む「暑中お見舞い」を

毎年ハガキで送ってくれる。

所が今回は「お手紙」で届いた。

久々に手書きのお手紙をもらうと

とても嬉しい。

Gさんらしく手紙の文章の間に

可愛いシールが付いている。

かき氷とか、スイカと言った夏アイテム。

こういうちょっとした演出って

まるで子供の頃のお手紙交換みたいで

懐かしい気もしてくる。

Gさんは「今回の暑中お見舞いは

あえて手紙で送ってみたよ」と書いている。

令和の今時じゃない、古風な手紙は

Gさんの趣味?

「この頃、手紙を書くのが楽しいの。

こないだは、昔で言うチェーンレターを

やってみたよ。覚えてる?」と。

おお!チェーンレターって

あった、あった!


あれでしょ?「この手紙をもらったら

何人に同じ内容のモノを送らないと

呪われる」
ってやつ!

あ!違う。それは不幸の手紙だ。

チェーンレターって、

「ギネスブック」を目指して

手紙(か、ハガキ)の内容を書いて

誰かに回すってやつでしょ。

それで、5人くらいの名前と住所が書いてあって

1番目になっている人に、

「無事に自分の所までハガキが届きました」と

連絡をして、さらに自分も

次に回す人にハガキを書く。

自分がもらったハガキは、ギネスブックに

載った時に証明するから取っておくと

言う内容だったと記憶している。

確か、私が小学6年生位の頃に

そんなハガキが出回った。

今じゃ、個人情報ただ漏れで怖いよね。


所が、Gさんの手紙の内容だと

そのチェーンレターの一連で

「顔も住所も分からない人から

手紙が来るのが楽しみ」と書いている。。

う〜ん。それって大丈夫なの?

まあ、私の他にもリアル友人で

手紙で、やり取りをしている人が居るらしく

毎日自宅のポストを見るのが

楽しみなんだとか。

じゃあ私もお手紙で返そうかな!?と

思えてくる。

少しでもGさんの楽しみに

協力したいしね。



そして、手紙のお返事を書こうと

私も久々にペンとレターセットを

手にしてみた。

おお・・なんだか手書き・・

「Gさん、暑中お見舞いのお手紙

どうもありがとう!」ここまでは

普通に書けると思った。

だがしかし!「暑中お見舞い」の

「暑中」って言う漢字を

中」と書いてしまった。

書いた後、なんとなく不自然に見えたのだ。

私はスマホで「しょちゅうおみまい」と入力した。

漢字で「暑中お見舞い」と

正確に出てきたのを見て

「手書きは漢字がしっかり分かっていないと

大変」と改めて思った。

スマホやパソコンでなら

ちゃんと変換してくれるけど

自分の頭ではちゃんと漢字に変換できない。

これは面倒。



私は修整ペンで、「署中お見舞い」と

書いた「
」の文字を訂正した。

Gさんからもらった手紙の内容は

最近「ケータイの下4桁の数字で

占いが出来るよ」と言う興味深い話。

しかも、別な紙に「1〜40番まで」の数字と

その意味まで書いてくれていた。

なんてマメな人なの!

私だったら「ネットで検索できるから

やってみてね〜」で終わるわ。

でも、Gさんはまるで昭和時代みたいに

一つ一つ書いて、説明書きまで詳しく

書いてくれている。

これは・・・

漢字が良く分からなく、それを検索して

手紙を書いている私の作業より、


Gさんはもっと集中力と

時間を費やしたでしょう。



私もなんとか、漢字を調べ

3枚便箋を使った。

40分もかかったわ。

読み直してみると、私の字って

読みにくいわ。
活字に慣れてしまい

自分で字を書くのが苦手になった。

だけど、一生懸命書いた思いは

文字の波動から伝わるだろう。

実際、私がGさんからもらった手紙で

そう感じたのだ。

「占いが好きなみかりんにも

ケータイ占いの事を共感してほしい」と。

ちなみにGさんは、そのケータイ占いの

数字占い、当たったらしいけど

私は当たらなかった。


当たるからやってみて!だったのだろう。

気持ちだけ有難く受け取ろう。

私はGさんに送る手紙を

封筒に入れて、ノリを塗った。

そして、年賀状で当選した切手シートが

あったので、その切手を付けた。

これで明日、投函すればOK。

ホッと一息。なんて言うんでしょう

この達成感。そして「書き終えた!」と


思えた後の開放感。

私はGさんが、手紙を待っていて

毎日ポストを見ている姿が

目に浮かぶ。



翌日。Gさんから

「みかりん、お手紙ありがとう」と

手紙ではなく、メールで連絡が来た。

あれ?手紙でお返事じゃないの?(笑)

まあいいか。じゃあ私は

サプライズでまた手紙で

Gさんに返事を書こう。

そして、またスマホ片手に

漢字を調べて、一人夜に

手紙を書いている怪しい45歳独女。

もしかして暇なんでしょうか?

いや、暇ではないのだ。

する事は色々あるのだ。

今日もGさんの手紙だけで

40分もかかってしまった。

だけど、今はちょっと新鮮な

文通をしている気分になれたのだ。

まるで小学生の時の気分。


Gさんみたいに、夏アイテムのシールを

貼ったり、可愛いイラストを描いたりは

していないけど

なんとなく「昔懐かしい遊び」に

参加している気分。



また翌日、「またみかりんから

手紙が届いた事が嬉しい」と

Gさんからメールが来た。


手紙を書くのが好きと言っている人が

手紙を送らず、

私の方が手紙を送っているのって

一体・・。(笑)



久々に手書きの手紙の

良さを知りました。

思いが沢山詰まっているのも

文字から感じ取りました。

そして、活字よりも愛情を

感じるのは、その人独自の

文字だからなんでしょうね。