46歳、夏に思う


自宅に戻ってきて、昨夜まともに眠れなかった分

寝る事にする。

食欲もないが、薬を飲むのに母がうどんを作ってくれた。

こういう時、本当に一人だったら

食べ物はどうしよう。

コンビニで買うしかない。

料理もする気力もないし、

私しか居なくて、このまま動けなくなったら

本当にどうしよう。

この様な今後「自分一人しかいない」と言う現状で

色々思う先には「孤独死」と言うのが待っているのか。

・・と言うのを思いました。

若いころには思ってもみなかった事を

現実味を帯びて感じてくるお年頃。

・・・と言っても、早い人なら20代などで

それこそ県外に一人暮らしなどで風邪で

寝込んだ時など、「孤独死」について

思った事あるんだろうな。

幸い私は、今回は熱とゲリピーだけだったから

吐き気がなくて良かったけど。

吐き気まであったら、「孤独死」の事なんて

考えてる余裕ないか。

ある意味、ゲリピーでも余裕あるんじゃないのって

客観的に思えてくるよね。

熱を下げる薬を飲んでも、相変わらずハラは

調子は良くならず。


それでも今までよりはマシ。

暑い中、扇風機を回しながら寝て過ごす。

1時間ごとにトイレには通っていたが

寝る事は出来た。

頭を冷やす保冷剤が、溶けて液体になったので

また冷蔵庫にある凍っている保冷剤とチェンジ。

自分の部屋に戻ると、なんだかダルイ空気感。

病人オーラ全開の毛布に包まる気にもならず。

遮光ピンクのカーテンからこぼれる光は

薄暗く、ますますテンションを下げさせる。

だめだ、こりゃ。と思い、私は部屋を変える。


リビングに行き、テレビを付けると

オリンピックがやっていた。

私はスポーツには興味のない女で

オリンピックも本気で見る事はなかった。

だがしかし。今回偶然にもスノボーの試合がやっていて

岡本選手と言う女性が、すごい技をしようとしたら

失敗してしまったシーン。

そこで、本来なら敵だったであろう外国の人達が

とっさに岡本選手の所に駆け寄り、


肩車などをされ、励まし合っていた光景をみた。

私はビックリした。こんな事ってあるの?って。

一緒に練習したりしているうちに仲間意識なども

芽生えたのかな?

「頑張ったよね!」と言い合っているその姿。

そこに思わず涙してしまった私。

自分、どうした〜!?ハラの調子がおかしくて

頭までおかしくなったのか?と思った。


熱は・・下がったよな?

今までもオリンピックって、こんなシーンあったのかな?

聞いた事なかったよね?

私はスポーツには興味がなかったけど

このようなドラマが生まれている所に

すごく感動したし、今日、仕事に行っていたら

この感動は私は観れなかった。

そして、仕事に行っていたら

1時間置きに会社のトイレに

駆け込んでいただろう。

仕事にもならないし、

トイレは私専用になっただろう。


お昼は、母が用意してくれたうどんと

近くの自販機で買ってきてもらえたポカリ、

そしてヨーグルトを食べて過ごす。

やっぱりトイレに行くと

ふなっしー ブッシュ―!!なのだ。

私は朝方行った病院に、うんざりしたので

消化器科専門の病院に行くことにした。

今まで一度も行った事がなかったけど

「ここだ!」と思った病院が一件思い浮かんだのだ。

突然行っても診てくれるか分からないので

電話をかけてみた。

一応、私は朝方に「熱がある時点で

断られる可能性があります」と言われたのを

しっかりと肝に免じていた。



コロナ禍になって、救急車を呼んでも

入院できない事や、

コロナになっても、病院の空きがないと

言われた(宮城県でもだよ)事は聞いていたけど


コロナではない普通に病院に行きたい人が

診てもらえないかもしれないと言う

現実を知った。


この現実は健康的な時に聞いてるのと

自分が熱があって、(しかもゲリピー)の時に

聞かされるのでは、受け止め方が違うのです。


「受け入れてもらえないかも」と

言われた時のショックは、言霊を通して

さらに胸にグサッとくるのだ。

「人生終わった」と言う錯覚まで

起こせます。

なので、断られてれもいい覚悟で

昨夜からの「私のハラとトイレの物語」を

電話で話をしてみる事にした。

「熱が38度あったのですが、下がりました」と

言うのもちゃんと伝えよう。


午後の診察の時間が過ぎた頃

電話をしてみた。私のストーリーを全て話をした。

すると「分かりました。

では来てみてください」と言われた。

おお!ツイテル!

断られるの覚悟だったけど、良かった。

私は着替えて、唸るような暑さの中

また愛車のシロに乗って病院に向かう。

母がまた一緒に付き添ってくれると言う。

お薬手帳と、今朝もらった熱を下げる薬と

その説明書の用紙も持った。(お薬手帳に貼れよ。)

病院に着くと、意外にも患者は私を混ぜて7名だけ。

ここに来た人達って、みんな私と同じ??

初めて来たのに、10分も経たないうちに

診察するのに名前を呼ばれた。



60代位の男の先生に診てもらった。

「現象を聞いていると、おそらく食中毒では

ないかと思います。」と言われた。

「お肉食べませんでしたか?一週間前に

バーベキューとかしてませんか?」

お肉は食べてる。・・と言うか私自信が肉食系なので

肉料理を作る。

バーベキューはしてないけど、肉料理は・・

プルコギと言う韓国料理のレシピを見て

豚肉を使いました。

え?豚肉ではないのですか?

じゃあ、チキンカレーを作るのに鶏肉を使いました。

その余ったカレーを、冷凍保存して3〜4日後に

チーズを乗せてドリアにして、トースターでチンしました。

ええ?もしかしてこの時の鶏肉が原因ですか??

(料理しなさそうな顔して・・と思っていたんでしょうけど

そんな思いも見せない医者!さすがです。)

もしかして、解凍したチキンカレーで

ドリアを作る場合

トースターでチン!よりも


じっくりオーブンで焼いた方が

おなかに安心だったのでしょうか?

いやいや、そう言う問題じゃない。

「おそらく、カンピロバクターと言う菌じゃないかな。」

先生はそう言うと、

今度は私のおなかの調子を診るとのこと。

白くて固いベットに横になると、私は腹を出す。

そこに軽くグーでパンチをされる。

「ほら、スイカの水みたいに、おなかが

タプタプしてるでしょ。

水がまだ残っているんだよ」と言われる。

それで私は、このゲリピーの原因を調べる為に

お尻から菌を取ります!と言われる。

お尻から菌を取る・・とは、え〜と、それって??

おケツを出すと言う事ですよね?

あの〜・・一応私、今 女の事情で

出血大サービスっぽいんですけど

そんな所、見たくないですよね?



所が心配無用!!

お尻から菌を取る作業は、

若い女性スタッフだった。

私は別室に呼ばれ、

下着を下げて、壁の方を向いて

座るように言われる。

はい。言われた通りにしましたよ。

あの、これから寝っころがるの?

「この態勢のまま、

綿棒をお尻に入れますね」と言われる。

「はい」


私はそのまま壁の方に顔を向け、

両手も壁に触っている状態。

若いナースは、
綿棒を私のケツの穴に

真っ直ぐにぶっさす!

「うわあああ」と言う私。

さらに、そのナースは今度はその綿棒を


上に上げた!!

「い・・いたいです・・」

「はい。終了です。」

一瞬だったが、綿棒でも痛い。

私は下着を上げ、再びドクターの元へ行く。

と・・とりあえず、シーツも下着も

汚さなくて良かった!!


「検査の結果が10日後くらいに出るので

お盆休みが16日までなので

その後にまた来てください」と言われる。

そして、本来のゲリピーを抑える薬を処方してもらった。

これで今夜からまともに眠れる。

明日は本来の私の休みの日。

今日と明日で、どうか私のゲリピーが

治りますように!!

祈るようにその病院を出た。


それにしても、今日は泣いたり

トイレにまた駆け込んだり、

ラストには綿棒を突っ込まれたり

色んな思いをした1日だったなあ。