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心霊写真



写真と言うのは、その時の感情や思いが

ストレートに表れる物だと思う。

その場の雰囲気、一人一人の表情が

ウソを言わずに
「目に見える実写版」として

後からも振り返って見れる、

貴重な一瞬を残す物だと思う。


それは、私が撮った一枚の写真から始まった。

集いの会をしながらの、盛り上がったライブ写真である。

私はこの、素顔を隠す程の出来る、濃いファンデーションが

大変お気に入りである。毛穴も隠せば吹き出物も消える。

写真に写る私は生き生きしている。

そして、誰よりもその場を楽しんでいるように見える。

そんな写真を、集いの会にいた参加者らに渡していた。

みんな「本当に楽しそうだね」と言い合いながら

写真を見ていた。するとNちゃんが言う。


「・・・みかりん、・・・
これ、写っていたわ・・」

私はその写真を見る。何が写っている!?

写ってるのは、
怪しい緑色のカツラをかぶった、

素敵な男性ではないか。

「その上に・・写ってるの」とNちゃんが言う。

私は良く分からない。するとMちゃんも言う。

「この
丸い物体!?」どうやらそれが霊らしい。

私にはどうみても、ライトにしか見えない。

それか、現像の液が付いたんじゃないか?と思う。

「ねえ、不思議なんだけど
Nちゃんが写っている写真にだけ

その
丸い物体が写っているよ」Mちゃんが言う。

「うそでしょう!?」私は一瞬、鳥肌が立った。

でも、それぞれ渡した写真を見合うと、

・・・
確かにNちゃんの写ってる写真にだけ

丸い物体が写っている。

場所が変わっても、Nちゃんが写る写真には

付いてきたかの様に、丸い物体が・・しっかり写っている。

「写ルンです」だからか?デジカメなら写らないのか!?

前から霊感の強いNちゃんだとは思っていたが

何故、Nちゃんが撮った写真ではなく

私が撮った写真に写っているのだ?



でも、この心霊写真。

ムンクの「叫び」みたいな顔でもないし、

不気味でもないので、

むりやり、「座敷わらし」が写った。と言う事にした。


そして、心霊写真より恐ろしいのは

私の素顔
なので、この丸い物体の写真の件は

円満解決。と言う事にした。

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